宇治川石(京都府)は、1964年の天ヶ瀬ダム完成以前に、上流の瀬田川から流下しながら急流と硬い砂礫によって磨かれた梨地真黒石や虎石、よもぎ石などが宇治橋辺りの川原でも多く見受けられ、好事家に人気が有りました。
しかし、度重なる護岸工事や浚渫工事も終了し、今では探石(たんせき)に入れる川原も狭小な箇所が僅かに在るだけになりました。硬質緻密な石芯が現れ、優雅な形姿や石肌の宇治川石も幻の石となりました。

宇治川よもぎ石
W17・H 3・D11 ㎝


水盤の敷砂に据えて、石に水を打ちました。坐り(底面)も良く安定しています。勿論、自然無垢の石です。

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宇治川梨地真黒石
W15・H4・D7 ㎝

硬質緻密な石質で、その石面に現れた梨地紋様には、簡素な中にも優雅な品格を感じます。
石は、採取後に高圧洗浄を繰り返し、水垢などを徹底的に除去し、その石本来の石肌にします。それからは、化繊布で時間を掛けて石をから拭きします。油性分を塗布し拭き込む人も居られますが、自分は一切其れ等行為を避けて、あくまで化繊布でのから拭きのみに徹しています。油性分を塗布しなければ観られない様な石は始めから避けています。時間が掛かろうが、この愛石趣味とは、とにかく長いスパンで楽しむものと理解しています。



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