今年はコロナ禍の影響により、通年4月開催で66回続いていた私ども「愛石クラブ・観賞石展示会」も中止を余儀なくされました。また同好他会の展示会も同様に中止が相次ぎ、現在も同じ状況が続いています。
しかしこんな状況下でも、単独或いは会員有志での探石は欠かさず続けています。その自採取した観賞石を今年の成果として振り返ってみました。

宇治茶臼石  W25.H9.D12 ㎝

京都府宇治地域は古来より有名な茶所で在ったためか、この石が濃茶(抹茶)の原料である碾茶を臼で碾いて抹茶を生産する臼に最適な石として大変有益でありました。この茶臼の原石は風雅な観賞石としても大変貴重な石で、鞍馬石をしのぐ緻密性に富み、よって比重も高く、数多く採取出来ないために希少種として余計に人気の有る石です。

瀬田川石  W18.H5.D9 ㎝

瀬田川の白洲浜にて採取した虎石の変種です。通常、黄色いチャート質と黒色のフォルンフェルス質が互層になって、あたかも虎の紋様に似ているため虎石と称されていますが、この石は黒石上に黄色の何か動物が横たわっているような形姿にも見えます。自分なりに、この石に「虎丘」"こきゅう"と銘名しました。
底面の坐り(安定)も佳く、実にユニークなこの石は後世にも伝えたく、専門家に台座の製作を依頼中です。

・・・ ありがとうございました。次回の投稿に続きます。