◆御浜海岸石
三重県熊野市から紀宝町に至る約22Km続く日本で1番長い砂礫海岸は、これまでに日本の渚百選や21世紀に残したい自然百選にも選ばれている海岸で、そこには山中から出る那智黒石の原石が熊野川を下り、やがて熊野灘の荒波に揉まれ、黒色光沢を持つ小石が海岸に打ち上げられます。

御浜海岸石 左右11㎝。

昔から、極小さい黒石を「御浜小石」と称して、囲碁の黒碁石に加工利用されていて、半世紀前頃には、引潮になると沢山の人が海岸に出て、小さい黒石を採取され、それが入った大きな袋が海岸のあちこちでみられました。

しかし、近年では掲載写真の石サイズの那智黒で自然の海擦れ石は、一日中長い海岸を歩いても採取するのは難しい。

御浜海岸石 左右9.5 ㎝。

自然無垢の石が醸し出す品位・格調は、人為が届かない神域でしょう。

毎年5月の大潮の頃、療養を兼ねて温泉と魚、それに御浜海岸での那智黒石の採取を楽しんでいます。御浜小石・・・自分は"御浜恋し"です。