古谷石(ふるやいし)の原石(Furuyaishi gemstone)です。


江戸時代後半、その見事さ故に、紀伊田辺藩は古谷石を藩の財産であるとし、石番を置いて一般の者が採取する事を禁じる「御留め石」としました。


古谷石の原石 W19.H7.D13 ㎝

西暦863年に既に出土したと伝えられる古谷石は、その風韻の高い趣と姿形の幽玄なたたずまいによって、古くから日本の観賞石として知られているが、一般に採取を解禁されたのは、明治10年になってからです。



石の大小を問わず、千山万嶽の形状を彷彿させ、又は観る者に自然造化の妙を実感させます。
掲載のこの石は、表面に付着した汚れを簡単に水洗いした直後の画像です。




古谷石は、土中から産出することから、石表面には泥岩屑が皮膜を造りその厚さも千差万別で石全面を覆っている。
古谷石を観賞する場合は、石全面を覆っているその泥岩屑をワイヤーブラシや木綿針を束ねた道具で、慎重に時間を掛けて一際硬質な石の芯が現れるまで取り除かなくてはなりません。実に手間の掛かる手作業を経て、ようやく観賞に値する石となります。

石が綺麗になりましたら、台座を設えて、そこに据えた古谷石の晴の姿をご覧いただきましょう。