2026年3月23日:パート3
 

 21時過ぎ。中東情勢の最新ニュースをチェックする前に、ブログ(シリーズの続編)を更新する。

 先の議会における「湯けむりフォーラム問題」の審議プロセスに関して、知事として懸念する点が2つある。

 1つ目は、今後の県議会での審議で、同様のパターンが頻発すること。2つ目は、情報公開請求に応えることの物理的困難性だ。それぞれの点について解説する。

 今回の湯けむりフォーラムへの職員動員問題については、突っ込まれても仕方がない点があった。執行機関である知事が議決機関である議会に対して「正確かつ必要な情報」をきちっと提供している限り、同様の流れにはならない気もする。が、それでも、以下のような心配が胸を過った。

 知事がどれほど正しい政策を打ち出し、正しいことを実行しようと、全ての人を満足させることは不可能だ。知事の発想や手法、実現を目指す事業に関して、県庁の中に不満を持つ人間は必ずいる。どの組織でも同じだろう。

 例えば、ある職員が自ら関わる事業に不満を持ち、ネガティブな情報を特定の県議にメールで提供したとする。その情報を受け取った県議が、県議会の一般質問や常任委員会の審議において、当該メールの内容を示しつつ、知事や部長を厳しく追求する。

 過去には見られなかった「この種の戦術」が議会で定着したら、県政が回らなくなってしまう!ましてや、その都度、タイミングを合わせて、情報公開請求を突きつけられるような事態に陥ったら、担当部局はそのための対応に忙殺され、他の重要な事業やプロジェクトへの対応が十分に出来なくなる。

 断っておくが、加賀谷県議が、知事や幹部職員を追い詰めるために、誰かと(?)結託して、あの質問をやったとは考えていない。恐らく正義感からの行動だ。

 そもそも県の説明が事実と違っていたのだから、突っ込まれて当然だと考えている。逆に職員からのメールや開示請求がなかったら、知事として「事実と異なる答弁をしていた」ことに気づかなかった可能性もある。逆に感謝すべきなのかもしれない。

 が、仮に湯けむりフォーラムのような問題が発生していなかったとしても、今後、「組織内の誰かの不満を利用して、知事や県庁幹部を攻撃する」みたいなケースが頻発する可能性があるのではないか?自分はそのことを心配している。

 もちろん、群馬県議会にそんなひとは1人もいないと思うが、こうした手法が「スプラッター訴訟」みたいに使われる状況になったら、(あらゆる意味で)最悪だ!(ふう)

 そうした観点からすると、今回の湯けむりフォーラムをめぐる審議は、いわゆる「パンドラの箱」をあけてしまったのではないか?そんな思いが、頭にちらついたりする。

 今回のような例は別として、ある県議が匿名の職員から受け取ったメールの内容を議会の質疑の中で公開し、それを材料に問題を追求することが常態化したら、知事と議会との関係は、殺伐としたものになってしまう。県庁の中にも、不必要な疑心暗鬼が生まれかねない!(ため息)

 そんな事態を防ぐために、県庁という組織の風通しをもっと良くする必要があるのは言うまでもない。組織のトップとして、この点を十分に反省し、改善の努力をしたいと考えている。

 え?知事である自分が、同じく民意で選ばれた独立自尊の県議の皆さんの活動を制約することなど出来ないし、そんなことをするつもりもない。が、議会の側にも、出来れば「やり方」を考えて欲しいという気持ちがないわけではない!

 上述した知事の経験は、県内の全ての首長と議会の間でも起こり得るシナリオだ。だからこそ、この問題の経緯を、県内の市町村長、議員の皆さん、そして県民の皆さんと共有しておきたかった。

 ちなみに、上述した加賀谷県議との質疑の後、あるところから湯けむりフォーラムに関する情報開示の請求があった。次回のブログでは、2点目の「情報公開請求への対応」について綴る。