2026年2月4日

 日本時間の14時30分。成田からニューデリーに向かう飛行機の機中で、パソコンの電源を入れた。高度1万メートルから綴るメッセージだ。

 目的地までは、あと約6時間。行きは偏西風の影響で、約10時間かかるとのこと。逆に帰りは、8時間弱だと聞いた。

 活動報告をする必要がないので、少し取り止めのないことを書かせてもらう。

 人生は問題の連続だ。いろいろ大変なことも多いけど、自分はかなり幸せだ!最近、心からそう感じる瞬間があった。

 世の中には、努力しても、出来ないことがある。が、上手くいこうがいくまいが、自分が本当に大切だと思うことのために、努力を惜しまないで助けてくれるひとが(たとえ1人でも)いるかいないかで、人生は大きく変わる!

 本当に、本当に嬉しかった!!(ニッコリx10)

 機内で熱いミルクティーを飲みながら、ふと、生前、選挙の前に電話してきた故 安倍晋三元総理が話していた「あるエピソード」を思い出した。

 あまりに強い口調にちょっぴり驚いたが、今なら「あの言葉」の意味がよく分かる!

 安倍総理、ちゃんと実行して、ご報告しますからね!もう少し、待っててください!

 それにしても、最近、こう思わずにはいられない。「人間の寿命とは、何と限られたものなのだろうか?」と。70歳近くになって、いよいよ人生の終着点が見えてきた(?)からなのかもしれない!

 手塚治虫の漫画「火の鳥」ではないが、これこそ、太古の昔から「生きとし生けるもの」が背負っている宿命だ。

 シリコンバレーの起業家、ブライアン・ジョンソンが実践している「若返りプロジェクト」(ブループリント)はずっとフォローしているし、レオナルド・ダ・ビンチ以来の天才だと信じている大富豪、イーロンマスクのAIや脳チップの研究には、驚嘆するばかりだ。

 が、それでも「永遠の命」には、まだほど遠い気がする。

 そもそも1人の人間の人生なんて、宇宙の営みに比べたら、一瞬にも届かないくらいの時間だろう。

 ましてや、政治家、それも知事として活動出来る時間には限りがある。県議会の顔ぶれだって、あと2回くらいの選挙で、ガラッと変わる可能性がある。

 過去のブログでも言及したが、前任の知事の実績とか、4、5代前の大臣の名前なんて、あっという間に、人々の記憶から消え去ってしまう。

 だからこそ、こうやって生きている間は、出来る限り「正しい人間」でありたいと願う自分がいる。特に、群馬県の「顔」でもある知事として、次世代の子どもたちに「恥ずかしくない生き方」を示さねばならないと、強く自分に言い聞かせている!

 「こんなこと、20年、いや10年も経てば誰も憶えてない!そんなに騒ぐほどのことでもない!」と分かっていながら、先の前橋市長選の結果には、(いろいろな意味で)衝撃を受けた。

 ずっと心に抱いて来た上州人のイメージ、政治家の矜持、人生観を、根底から揺るがす事件だった。生涯、忘れることはないと思う。

 「湯けむりフォーラム」の中止も、(細かいことは言わないが)苦渋の決断だった。この悔しさは、「どこかで必ず晴らしてみせる!」と心に誓っている。

 先月、ステージ2の前立腺がんが見つかったことも、予想外の事態だった。全力疾走の日々に、休息というブレーキをかけざる得なくなったからだ。

 が、こうした試練や困難は、全て前向きに捉えることに決めている。亡父から受け継いだ政治家としての闘争本能や激情(?)を抑えて、事態をよく冷静に眺めてみれば、どれも(長期的には)「良かった」と思える気がしている。

 例えば、予算計上を諦めた経緯はともかくとして、「湯けむりフォーラム」は、そろそろ「次の段階」に移行する時期だったのかもしれない!

 ちなみに、「せっかく、ここまで頑張って評価も上がって来たのに、もったいない!」「当初の目的は遂げたので、発展的に解消して、新しい段階に進むと説明したらいいのではないか!」みたいな複数の県議からの優しい言葉は、心に刻んである。(感謝)

 初めてフォーラムに参加したある県議は、「なるほど、この雰囲気は来てみないと分からない!」と評価してくれたそうだ。

 これまで、毎年のフォーラムを成功させるために必死で汗をかいてくれた担当部局の職員たちから、その都度、(目に涙を溜めて)「00県議がこんなふうに励ましてくれました!」「昨年より面白かったと言ってもらえました!」などと報告を受けていた。

 県が実施している政策や事業には、それに関わる職員たちの汗と努力が積み重なっている。知事である自分も、それぞれの政策に関わっている職員たちにも、「批判するのはいいとしても、先ず現場を見てからやって欲しい!」という気持ちがあるのだ。

 いつも言っているように、嫌なことは、すぐ忘れるタチだ。6歳児なので、1日の9割はご機嫌なモードが続く。(笑)が、そうは言っても、政治家としての執念や情念は人一倍、持ち合わせている!

 にっこり笑いながら、これだけは、言い残しておく。政治家 山本一太は、1つ1つの発言を、絶対に忘れない!!

 さらに言うと、全国を驚かせた前橋市長選のあの結果がなければ、そもそも「政治家としての感性が鈍っている」ことに、気づかなかったに違いない!

 何しろ、この30年間、前橋市は、山本一太の選挙区だった。知事として、国会議員として、長年、飛び回って来たその地域の方々の気持ちを、十分に感じ取れなかったのだ!(反省)

 今年は、政治家としての初心に返って、県内各地に足を運びたい。全力で取り組んでいる公務の合間を縫って、知事として市町村に出かけていく。

 治療の負担はよく分からないが、その時の体力や体調とも相談しながら、現場への視察も増やしたいと考えている。そう、今からでも遅くない!!

 加えて言うと、今回、前立腺がんの診断を受けたことは、「少し立ち止まって、心と身体を休めなさい!」という神様の声だと受け止めている。

 そうじゃなかったら、このまま膨大な睡眠負債を抱えたまま、突っ走っていただろう。結果として、どこかで「もっと重い病気」にかかっていたかもしれない。そうでしょう?

 現時点での自覚症状は全くないが、初めて大きな病と遭遇した。これから治療を進めていく中で、病気と戦っている人の苦労や不安が、自分ごととして理解出来るはずだ。

 どんな人生にも、失敗や挫折はつきものだ。大切なのは、そうした経験で得られる教訓やヒントを、未来にどう生かしていけるかということ。要は「逆境を力に変えていく発想」が重要なのだ。

 何にせよ、「あらゆる分野で群馬県を活性化し、輝かせ、県民の幸福度を向上させる!」という知事としての最大のミッションに、次の3つの目標が加わった。

(1)前立腺がんの治療をしながら、知事としての公務を続ける。同時に、この病気を群馬大学の重粒子線治療で完治させ、同じ病気と戦っている多くの県民に勇気と安心感を与える。

(2)知事として、「県民にウソをつかない」姿勢を徹底する。議会にも、メディアにも、真摯に向き合い、透明でクリーンな県政を(引き続き)追求していく。

 そうやって、「不器用でも、真っ直ぐで正直な全力疾走の知事」というスタイルを貫きながら、激戦必死の来夏の知事選を勝ち抜く。そのことには、大きな意味がある!

(3)詳しい作戦は話さないが(笑)、あらゆるやり方で、群馬県の政治を「まっとうな姿」にする!これはきっと、生涯の目標になるだろう。政治家を辞めた後も、リミッターを外した「表現者」として、精力的に発信を続けると決意した!

 実質3日間のインド出張から帰国したら、胸の奥にまとわりついた感情や固定観念の泥や埃を洗い流し、自分自身の初心や志や目的を、もう一度、いちから見つめ直したい!

 その上で、思い切って発想を転換し、行動を修正し、地道に1つ1つ、目的を遂げるための準備を積み重ねていく。

 断っておくが、30年のキャリアを持つベテラン政治家だ。その気になれば、表と裏を使い分けることだって出来る!

 大嫌いな相手にお世辞を言ったり、軽蔑している人間に頭を下げるなんて(やろうと思えば)お手のものだ。息を吐くようにウソをつける人間には敵わないが(笑)、平然と事実と違うことを言うのも、きっと簡単だ。

 が、それは、スゴくカッコ悪いことだと感じていた。どちからと言うと、裏表のない、竹を割ったような性格が、自分の長所だと考えていた。「6歳児の正義感」(ちっぽけな美学)が、狡猾な立ち回りを拒絶するのだ。

 それでも、今回の神様からの警鐘とも言える「3つの出来事」を契機に、6歳児の無邪気さ(?)を捨て、臥薪嘗胆のモードに突入する!(笑)

 カッコ悪くても、ちっぽけなプライドをかなぐり捨てても、成し遂げねばならないミッションがあるからだ!

 さて、と。機内で寝ると、夜、眠れなくなるので、話題の新作映画「」(主演:レアノルド・デカプリオ)を見る。