2026年1月30日:パート2

 残念ながら、紙の新聞を読むひとは、毎年、減り続けている。同様に、テレビの視聴率も低落傾向にある。そもそも最近の若者は、テレビを持っていないと聞いた。そう考えると、時間が経てば経つほどネットの影響力が強まっていくのは、必然の流れだと思う。

 かく言う自分も、(長年の習慣で)新聞各紙には目を通すが、テレビ番組は、ほとんど見なくなった。主な情報源は、ネットの動画やYahoo!ニュースだ。

 最新の出来事は、オンタイムでネット(YouTubeやSNS)にアップされるので、レガシーメディアに頼らなくても、(幸か不幸か)何の支障もない!

 逆にYouTubeがあるからこそ、海外のニュースも迅速にキャッチ出来る!最新のポッドキャストの情報をここまで把握している知事、全国を探しても、なかなかいないと思うな!

 実は20代の後半、若気の至りで、新聞記者を目指した時期があった。数ヶ月で辞めてしまったが、某大手メディアの地方支局に勤務したこともある。

 その短い体験を通じて、メディアの現実、特に記者の実態を、間近に見る機会に恵まれた。今、振り返ってみると、貴重な経験だった。(ふう)

 ジャーナリストという生物の特性とも言えるが、各社の記者は、それぞれ(他社のライバルとは違う)「エッジの効いた報道」をしようとする!

 先ずは、取材の対象とするある問題に関して、「どんな視点やストーリーで報道するのか?」をイメージし、それに沿って、必要な材料を集めていく。

 書き方によって、報道の仕方によって、中身のニュアンスはどうとでも変えられる。そして、それがその記者の「個性」になっていくのだ。

 水曜日の定例会見で、今年度の「湯けむりフォーラム」を中止すると発表した。本日、移動中の知事車の中で、地元紙(上毛新聞)と大手新聞各社の群馬版に目を通した。全ての新聞が、このことを取り上げていた。

 ちなみに、毎週、知事会見に集まる記者の人たちの背後には、県民(国民)の声があると思っている。だからこそ、地元紙と大手新聞の群馬版の記事は、毎日、欠かさずチェックするようにしている。

 「湯けむりフォーラム」に関しては、地元紙を含め、客観的な事実を掲載するメディアが多かった。が、その中で、某新聞だけが、県議会の反応を紹介していた。

 この記事によると、県側の対応に対して、県議会から批判が出ているそうだ。

 具体的には、あるベテラン県議が、「知事がトップダウンなので、職員が県や県民を見ていない!」と話したとのこと。「知事への忖度が県庁内で広まっている!」という中堅議員の言葉も引用されている。「知事が政治的ダメージを被った」という見方もあるらしい。

 先ずは、この記事の中で言及されている県議の人たちの批判が、知事である自分に集中していることに安堵した。(ホッ)「知事の思い」を実現するために頑張ってくれた担当部局の職員たちに批判の矛先が向かうことを、何よりも心配していたからだ。

 知事への批判が出ているということは、「今回、議会に対して不正確な答弁をしてしまった責任は、全て知事である山本一太にある」と認識されているからに他ならない!そうですよね?

 なるほど、こうした複数の(?)ベテラン・中堅県議からの批判が事実だとしたら(2次情報なので確かめようがないが)、これはこれでしっかり受け止め、反省すべき点は反省し、改善していかなくてはならないと感じている!

 が、そのことを断った上で、県民の皆さんには、複数の会派の、複数の県議からの「記事とは異なる」反応も、ちゃんと伝えておきたい。

 この記事を読んだ人に、「なるほど、これが県議会全体の反応なんだな!」みたいな誤解を持たれないためにも!

 事実として、ベテラン県議の中にも、このフォーラムを高く評価してくれている人たちがいる。1次情報なので、間違いない!(笑)

 「ここまでのイベントになったのに、中止するのはもったいない。ちゃんと説明すれば、議会の了解は得られるのではないか?」とか、「知事が現場の情報を全て把握出来るとは限らない。もう少し考えた上で、判断したほうがいいのでは?」とか、優しい言葉をかけてくれた人たちもいた。(感謝)

 加えて、過去のフォーラムに出席した経験のある複数の会派の若手・中堅議員が、「スゴく勉強になった。いろいろ工夫を凝らし、進化させながら続けて欲しいと考えていたので残念だ!」という趣旨のことを言ってくれた。

 

 担当部局の幹部に対して、「2025年度のフォーラムに参加したが、素晴らしかった!今年度の中止にはガッカリした」などと声をかけてくれた県議もいたそうだ。こうした言葉も、本当に嬉しかった!(涙)

 フォーラムのあり方に注文をつけていたある県議も、「知事が要望に耳を傾け、いろいろ工夫してくれたことには、感謝している。知事の決断なら仕方がないが、こんな形になってしまって…」と(申し訳なさそうに?)つぶやいていた。もともと優しいひとなのだ。

 実は予算協議の中で、今年度のフォーラムに関しては、草津温泉での開催を軸にしつつも、他の温泉地にサテライト会場を設けたり、各地で独自のイベントを実施するなどの「新たな方向性」を打ち出していた。

 更には、これまで(幾つかの理由で)こだわっていた12月開催の方針を転換して、11月頃に変更することも検討していた。

 「この改革案なら、何とか県議会の了解を得られそうだ!」という感触も得ていた。

 それだけに、今回、議会に提出する当初予算案から、フォーラム開催の予算計上を見送ることは、無念としか言いようがない!(ため息)

 様々な報道を見ながら、いつもこう思わずにはいられない!

 「いかなる視点で問題を捉えるかは、個々の記者の判断だ。が、たとえ強調したいニュアンスやストーリー展開があったとしても、一方的な主張だけを取り上げるのではなく、異なる立場の意見もきちんと聞いた上で、記事やニュースにするべきではないのか?」と。

 愚かだった20代。間違って(?)某新聞社の試験に合格してしまった。某県の支局に赴任する直前、尊敬する先輩ジャーナリストから、こう教えられた。今でもよく憶えている。

 「一太君、頭の片隅に置いておくといい。『とくダネ』は見つけるものじゃなくて、記者本人の感性と独自の視点で創り上げるものなんだ!」

 「ただし、最初から訴えたいストーリーが決まっていたとしても、ちゃんと双方の意見を取材してから、記事にする。これが、メディア人としての基本中の基本だよ!」と。

追伸:上述した記事を書いた記者は、きっと複数の(?)県議に取材しているはずだ。が、それでも「確かめようがない!」と書いたのには、理由がある。

 知事になって2年目の頃だったと思うが、某新聞の群馬版のある記事の中に、「(県内の)ある首長が、知事の政策(?)に関して、00だと話した」という件があった。

 「どう考えてもおかしい!そんなことを言う人、いるかなあ?」と思って、35人の市町村長全員に電話をかけ、事実関係を確認した。

 その結果、「市町村長の中で、記事にあったような趣旨の発言はしたひとは1人もいなかった!」ことが判明した。ちょっぴり腹が立った。「これって、捏造ではないか!」と。

 が、メディア戦略アドバイザーと相談して、このことは、ブログでも、SNSでも発信しないことに決めた。

 そこまでやるほど怒っていたわけでもないし、その記事を書いた記者が、「ネット上でかなりの攻撃を受けることになる」と考えたからだ。

 レガシーメディアが情報を独占する時代は終わった。良くも悪くも、国民全員が「発信者」になれる世界だ。報道される側にも、反論のツールがある。

 こうした状況の中で、「報道する側」には、今まで以上の緊張感と使命感が求められている。読者の皆さん、そうは思いませんか?