2025年7月27日

 日曜日の今日も、朝から元気に活動している。

 先の衆院選と今回の参院選で大敗し、両院で与党が過半数を失うという状況を招いた石破総理に対して、党内から退陣論が噴出している!!

 この動きは、永田町の常識から言えば、ある意味、不可避の流れだと感じる!!

 が、逆に、「この参院選で目標に掲げた『与党による過半数議席の獲得』に届かなかったとはいえ、そもそも自民党に対する今の逆風の責任を、全て自分に押し付けるのはおかしい!!」「ましてや、今は国益をかけた米国との関税交渉の最中なのだ。このタイミングで、軽々に退陣を口にするのは難しい!」という石破総理の気持ちも、分からなくはない!!

 断っておくが、別に「石破やめるな!」運動に賛同しているわけではない!!が、参院選挙後に自民党内で巻き起こった「石破おろし」に関しては、なぜか違和感がある。その感情の正体を、改めて考えてみた。

 なるほど、次のような理由なのだと分かった。

 過去のブログでも何度か言及したが、自分は菅義偉元総理の総理在任中の実績が「もっと高く評価されるべきだ!」と考えている。

 あれだけの雑音の中で東京オリパラを成功裡に開催し、コロナ禍で必要な量のワクチンを確保し、デジタル庁を創設して国家のDX化を推進し、過去の政権が反発を恐れて手をつけられなかった数々の問題にも、結論を出した!!

 ところが、菅政権の支持率が低下し、衆院選挙のタイミングが近づく中で、党内で一気に「菅おろし」の動きが広がった。

 1年前の総裁選で圧倒的な党内民意により菅氏を総裁(=総理)に選んだにもかかわらず、若手からベテランまで、コロナ禍で必死に踏ん張っていた菅総理の首をすげ替える流れに加わっていた。

 自民党の複数の議員が、あちこちで、「このまま選挙に突入したら、自民党は大変なことになる!菅総理では、とても選挙を戦えない!」というお馴染みのセリフを口にするのを聞いた。その度に、「菅ファン」として、とても不愉快に感じていた!!(怒)

 これも過去のブログに書いた憶えがある。叩き上げの党人派で、勝負師でもある菅総理が、「衆院の解散」という自らの切り札を使うことなく、引き下がるなどということはあり得ないと考えていた。実際、ご本人から、そうした覚悟を聞く機会もあった。

 が、「政界のアニキ」が、あっさり退却の道を選んだことに、スゴく驚いた!!考えられる理由はただ1つ。菅総理が敬愛する故 安倍元首相が、きっと「ここは、党のためにも撤退したほうがいい!」と諭したのだ!!

 菅総理の退陣受けて、さっそく自民党総裁選が行われ、岸田新総裁(新総理)が誕生した。ここでは「選挙の顔を変える」という自民党の戦略が功を奏し、岸田政権は、就任直後に行われた衆院選で261議席の「絶対安定多数」を確保した。翌年の参院選でも、改選議席の単独過半数を獲得。岸田総理は、いわゆる「黄金の3年間」を手に入れた。

 その後、数年間、難問が山積する中で、岸田首相も、本当に頑張られたと思う。デジタル田園都市構想の関係で、群馬県に視察に来て頂いたことも、本当に嬉しかった!!

 が、様々な問題で岸田内閣の支持率が低下する中、いわゆる「裏金問題」が発覚!岸田総理は更なる窮地に追い込まれた。衆院選挙のタイミングが限られる中で、やはり党内から「岸田退陣」の圧力が強まることとなった。

 この時、再び永田町で囁かれたのが、「この総理では、次の選挙は戦えない!」というお馴染みの合言葉だった!!

 岸田総理は、潔く勇退を決め、漫画ワンピースの海賊王ロジャーのように、「次の総裁を目指すひとは、どんどん手を上げたらいい!」と宣言したのは、ご存知のとおりだ!!

 「政治の非情さ」を目の当たりにすると同時に、こうも思った。

 

 「まあ、それでも岸田首相は、3年間、国家のトップとして活躍した。勇退を決めた背景には、ある種の達成感があったのかもしれない!」と。

 岸田退陣の流れを受けて、従来の派閥の枠に囚われない形で、9人もの候補者が出現!!メディアの大きな注目を浴びる中で、石破内閣が誕生した。最後に思わぬドラマも待ち受けていたが、今回も、党内の民意で新総裁を選出したのだ!!

 こうした経緯を振り返った上で、ぜひ10ヶ月前のことを思い出して欲しい!なぜ、党内では信望が薄いと言われ、総裁選出馬のための推薦人枠の確保すら難しいと思われていた石破総理が、総裁選に名乗りをあげることが出来たのか?!

 それは、各種メディアによる「次の総理にふさわしいひと」の世論調査で、ずっと石破さんがトップの座を維持していたからだ!!

 例えば、自民党総裁選の直前(9月の中旬)に行われた朝日新聞の調査では、石破茂氏が26%で単独トップ。2位が小泉進次郎氏で21%、3位の高市早苗氏が11%だった。

 石破総理は就任の8日後に衆院を解散。首相就任後、最短で実施された総選挙で、自民党は大きく議席を減らし、与党(自公)の過半数割れという難題に直面した。

 続く都議会議員選挙でも歴史的惨敗を喫し、今回の参院選挙でも、多くの改選議席を失った。与党で過半数という当初の目標にも届かなかった!!

 こうした流れを踏まえれば、自民党内で石破総理退陣の声が上がるのは、当然と言える。が、それでも「石破おろし」に違和感を覚えるのは、なぜなのだろうか?!

 理由は大きく言って、次の3つだ。

(1)石破内閣が誕生して、まだ1年も経っていないこと。2度の国政選挙で結果を出せなかったとはいえ、「石破さんが最も国民受けがいい!選挙の顔になれるかもしれない!」と期待して、ついこの間、党内民意で総理に選んだのだのではなかったか?!

 「石破おろし」が吹き荒れる状態を見て、菅総理が退陣に追い込まれた際の感覚が蘇った。「1年前に党内の圧倒的な民意で選んでおきながら、支持率が低下して選挙に不利だから差し替える」というのは、あまりに自分勝手なのではないかという憤りだ。

 加えて言うと、石破総理の「自民党がこれほどまでに国民に不信感を持たれる原因を作ったのは一体、誰なのか?!全てを自分1人のせいにするというのは、あまりに虫がいいのではないか?」という気持ちを、「分からないでもないな」と感じている。

(2)過去10ヶ月、衆院で少数与党に転落するという難しい環境のもとで、石破総理が「かなりの実績を上げて来た」と捉えていること。

 恐らくまだまだ続く米国トランプ政権との関税交渉については、様々な評価がある。が、様々な角度から分析してみると、石破政権が「相当の成果を上げている」と分かる!!特筆すべきは、赤沢担当大臣の粘り強い努力だ!!

 なぜそう考えているのかは、次の知事会見等で説明したい。

(3)「総理の顔さえ変えれば、党の人気も回復し、次の選挙を有利に戦える!」という自民党のあまりに見え透いた(=三匹目のどじょうを狙う)戦略が、次回も本当に通用するのかという疑問を抱いていること。

 永田町の感覚と国民の認識は違う。有権者の目は厳しい。仮にここで石破総理が辞めて、早々に総裁選が行われ、国民的に人気の高い小泉進次郎農相が新しい総理に選ばれたとしよう!!

 それで、本当に自民党の支持率は上昇するだろうか?!人気のある小泉さんを「顔」にすれば、次の衆院選挙で、多くの議席を取り戻せるのだろうか?!

 もっと言うなら、新しい自民党の総理(首相)のもとで、再び、この日本に「自民党一強時代」を再現することが出来るのだろうか?!

 

 正直言って、自民党が本当に復活するためには、もっと根本的な改革が必要なのではないかと思わずにはいられない!!そもそも、「自民党一強」という状況自体が、時代に合わないものになっている可能性もある。そうでしょう?!

 申し訳ないが、少し離れたところから政局を眺めている保守系知事の目から見ると、どうしても「自民党復活のシナリオ」が思い浮かばないのだ!!(苦笑)

 結論から言うと、石破総理を退陣させようとする今回の自民党内の動き(石破おろし)は、決して、国民の自民党への好感度を高めていない!!

 逆に、(残念ながら)多くの国民(特に無党派人々)には、次の選挙のことだけを考えた「身内の争い」みたいに映っている!!少なくとも、政治家 山本一太は、そう感じている!!

 党内で石破総理への辞任圧力が高まる中、先週、自民党青年局が、石破総理に「事実上の退陣要求」を突きつけたことが、様々なメディアで大きく報道された。両院議員総会を開くための「署名集め」も、広がっているようだ!!すでに「3分の1の署名を集めた」のだとか。

 次回のブログでは、こうした動きをどう感じているかを記す!!