2024年12月29日
19時過ぎ。食後の熱い紅茶を飲みながら、パソコンのキーボードを叩いている。
先週の木曜日(26日)、2024年最後となる知事の定例会見で、企業献金の問題に言及した。
今から20年以上前、当時の自民党と民主党に所属する若手有志議員4名で、雑誌「論座」(その後に廃刊)に、「新しい政治文化を作りたい!」と題する論文を掲載。個々の政治資金の内訳を、(初めて)実名で公開した。
上記の会見では、その事実に触れつつ、次のような趣旨の演説(?)を炸裂させた。
「この論文を書いたのは2002年。当時、政治とカネの問題が頻発し、国民の政治不信が高まっていた時期でした。現在、国会で、企業献金の存廃問題が議論されている中、昨晩、改めてこの論文を読み返してみました。」
「驚いたのは、あれ以来、何度も政治資金規正法が改正されていること。にもかかわらず、政治とカネの問題は(性懲りもなく)起こり続けています。この問題をめぐる状況が、20年前と全く変わっていないことを痛感しました!!」
更にこう続けた。
「正直言って、これまでは、企業献金の廃止に慎重な立場を取っていました。以下のような考えがあったからです。」
「企業が政治に関心を持つのは、ある意味、当然のこと。企業が社会のプレーヤーの一員として、政治活動に参加することは、(一定のルールのもとで)認められるべきだ!例えば、欧米でも、それぞれの国のルールに沿った形で、企業献金が認められている国が多い。」
「最も重要なのは、定められたルールを厳格に守ることと、誰からどれだけの献金を受けているのかを透明にすること。それによって、特定の企業が政治に過度の影響力を及ぼすことを抑制出来る!」
「そもそも政治家が、合法的に政治活動のための資金を集めることを禁止したら、お金のある人しか、政治家になれない世の中になってしまう!!企業献金のプラス面も論じないで、一気に廃止しろというのは、少し乱暴ではないか?!」
「今までは、ずっとそんなふうに考えていたのです!」
ひと息入れて、最も言いたかったことを口にした。
「しかしながら、改めて20年前の論文を読み直した後で、考え方が変わりました!!」
「50年近く前に発生したロッキード事件、その後のリクルート事件、更にその後の様々な不祥事が起こる度に、政治資金規正法が、何度も改正されてきました。」
「にもかかわらず、政治とカネをめぐる問題は後を絶ちません!!その後も多くの国会議員やその秘書が逮捕されたり、責任を追及されて閣僚を辞任したり、議員辞職を余儀なくされたりしています。その流れは、地方政治でも全く同じです!!」
「自らの反省も込めて言いますが、今回の派閥の裏金問題も含め、政治家がこんなに恥ずかしいルール違反をやり続けて来たのですから、有権者が怒るのは当たり前だと(改めて)気づきました!!」
「国民は、政治資金をめぐる不祥事の頻発に怒っているというより、もはや辟易している!!国民の側から、『企業献金は廃止したほうがいい!』という議論が出て来るのは、むしろ当然だと受け止めるべきです!!」
「これは、あくまでひとりの政治家としての意見ですが、この際、『企業献金をすっぱりやめる』というのも、1つの選択肢ではないでしょうか?!」
「万一、企業献金を存続するというなら、政治改革関連法案にも含まれている政治資金報告書のデータベース化を一刻も早く実現する必要があります!!」
「すなわち、誰もが個々の政治家の政治資金の現状を簡単にチェック出来るような透明な仕組みを立ち上げることは、企業献金存続のための不可欠な条件だと考えます!!」
知事のこの発言は、早速、幾つかのメディアで取り上げられた。報道のURLをブログの末尾に添付しておく。
ちなみに、企業献金の扱いを決めるのは、もちろん各党の国会議員の方々だ。知事である自分には、何の権限もない。が、自民党の国会議員を24年間も務め、知事として5年目を迎えている1人の政治家として、率直な見解を述べさせてもらった!!
「え?国政に関係のない知事が、余分なことを言うな!」だって?! ひとりの政治家が自らの責任で発言したことに関して、周りからゴチャゴチャ言われる筋合いはないと思っている!!
追伸:会見の最後に、「透明な政治」というパネルを示しながら、カメラに向かってこう訴えた。
「県民の皆さん、知事である山本一太が今年も透明な政治姿勢を貫けるよう(=不条理な圧力に負けないよう)、どうかお支えください!!心からお願い申し上げます!!」
<企業献金問題に関する報道>
https://news.yahoo.co.jp/articles/f574b1ee45f82e2571d2900850df9c59b2eaa8ac
https://mainichi.jp/articles/20241226/k00/00m/010/279000c
https://www.jomo-news.co.jp/articles/-/586277
https://www3.nhk.or.jp/lnews/maebashi/20241226/1060018704.html
<会見の最後に示したパネル>
