2023年7月5日:パート2

 ここ数ヶ月、県内を歩いてみて、改めて痛感した。「今回の知事選に対する県民(有権者)の関心は、思った以上に低い!」と。

 この6月には、永田町で解散風が吹いた。自分は最後まで懐疑的だったが、メディア関係者を含む大勢の人たちが、「衆院選が群馬県知事選との同日選挙になる」可能性に言及していた。

 その頃、2人の国会議員から、全く同じ趣旨のことを言われた。

 「この夏、もし本当に衆院選と知事選が同日に行われるような状況になったら、山本知事の得票は、軽く60万票を超えてしまうんじゃないですか!」と。

 「いや、そもそも解散はないと思いますし、仮に同日の選挙になったとしても、そんな上手くは運ばないと思いますよ!」と答えた。が、心の中では、「確かにそんな流れになるだろう」と呟いた。

 前回(4年前)の知事選は、(参院選との同日選挙だったこともあり)投票率が48.51%まで上昇した。その中で、群馬県知事選史上最多となる約58万票を獲得した。得票率も、過去最高の75.62%を記録した。

 衆院選は参院選より投票率が高い。例えば、前回(2021年)の衆院選の投票率は55,92%だった。

 参院議員の時代(特に後半)から、山本一太の全県の得票率は毎回、7割を超えている。実際、最後の参院選挙の得票数は、前回の知事選の数字を上回っていた。

 初めて知事に就任した4年前の知事選でも、5つの小選挙区での得票率は、全地域で7割以上を超えた。つまり、県選出の5人の自民党衆院議員全員の得票率を上回っている。

 これに対して、今度は、知事選単独の戦い。しかも構図は実質的に前回と同様の「共産党推薦候補との一騎打ち」だ。

 現職の大澤知事が共産党の新人と争った2015年の知事選の投票率は31.36%だった。県民にとってより身近なはずの4月の県議選でも、投票率が初めて4割を切っている。

 普通に考えると、(これまでの情勢や傾向を分析すると)、今回の知事選の投票率は「3割を切る(=過去最低を記録する)」可能性が高いと言わざる得ない。(ため息)

 加えて、少しでも上げたいと考えている「得票率」も、前回より低下するかもしれない。そう思うのには、理由がある。

 この数年間、公務でも政務でも、様々な形で県内全域を行脚した。正直言って、4年前に山本一太に投票してくれた方々の気持ちが離れている兆候はない。むしろ、支持層が広がっている感じすらする。

 しかしながら、前回、自分を応援してくれた人の多くが、投票に行かない気がする。事実、地元中の地元である吾妻郡のある熱心な支持者の人から、電話でこう言われた。

 「一太君、今度の選挙、オレは行かなくても大丈夫だよな。再選は間違いないって、皆、言っているよ!」

 すかさず、「いや、とんでもありません!絶対に行ってください!周りの人にも声をかけてもらえませんか?それこそ、投票率が2割を切って、再選挙ということになりかねません!!」と強くお願いした。

 2日後に始まる知事選に関しては、かなり長い期間をかけて準備を積み重ねて来た。異例とも言える知事選の1年前のタイミングで、「再選を目指して立候補する!」と表明した。

 

 これを受けて、自民党からは選挙の10ヶ月近く前に、友党の公明党からも早期に、推薦を頂戴した。加えて、前回は自主投票だった連合群馬からも、「支持」を得ることが出来た。

 半年以上かけて、県内約70の後援会の役員会を開き、全県で39の選対組織を立ち上げた。ほとんどの選対は、地域の首長(市町村長)が選対委員長という強力な布陣だ。主要な職域団体からも、早々と推薦状を決めてもらった。(感謝)

 そうでなくても、以前から県内では(特に山本支持者の間では)「山本一太は選挙が強い!」という最強伝説(?)が囁かれている。(苦笑)

 今の構図の中で、「選挙は厳しい情勢だ!」とか「負けるかもしれない!」などと訴えても、誰も信じてくれないだろう。毎回、応援してくれている人たちは、すっかり安心し切っている状態なのだ。(ため息x2)

 それとは逆に、前回の選挙で他の候補者に投票した「アンチの人たち」は、恐らく今回も投票所に足を運ぶ。そうなると、(結果として)選挙全体の投票率も、山本一太の得票率も、「前回を下回る」流れになる。これが常識的な分析だ。

 加えて言うと、過去の自分自身の選挙結果を分析する中で、改めて分かったことが、1つある。それは、戦う相手が主要野党の擁立する候補者であろうとなかろうと、政治家 山本一太には「7割以上の得票率をゲットする」能力があるということだ。

 逆に見ると、どれほど頑張ったところで、毎回、アンチの票が「必ず2割以上出る」という事実も判明した。これは、過去の知事選でも見られる群馬県独特の傾向だ。

 この法則によると、今度の選挙でも、自分以外の2候補が「合わせて2割以上の得票」を得るという理屈になる。対抗馬が何人だろうが、泡沫候補だろうが主要な野党の候補者だろうが、これまでは、この流れが続いて来た。

 例えば、鳥取県や島根県のような地域で、「現職知事vs共産党候補」みたいな構図になった場合は、現職候補が9割の得票を得る場合が多い。

 対して、(不思議なことに)保守王国と呼ばれ、現時点で野党の国会議員が1人もいない群馬県では、一騎打ちの構図となった時の共産党の候補者が、必ず「2割以上のアンチ票を集める」傾向があるのだ。

 

 理由はよく分からない。他の都道府県に比べて、共産党と他の野党の距離が近い?(心情的にシンパがある?)からなのだろうか?!

 正直に言うが、選挙のプロを自認する山本一太の目で現段階の情勢を見ると、「前回の知事選に比べて、選挙の投票率も山本一太の得票率も低下する」という厳しい予想が浮かんで来る。

 

 上記のような事実を冷徹に受け止めた上で、ここから17日間かけて、どんなふうに上昇気流を起こせるかが、最大のポイントだ。

 え?望みがないわけではない!まず候補者本人が、1%の油断もなく、必死に県内を飛び回る。各地の遊説に加えて、あちこちで街頭のミニ決起集会を繰り返していく。

 それに加えて、ほぼ全域で選対委員長を引き受けてくれた市町村長の皆さんが、本気で投票率を上げる努力をして頂いている。これは、本当に力強い!(感謝x2)


 更に言うと、今回の選挙では、ネット戦略も前回以上に展開する予定だ。若い世代の関心を高める狙いがある。

 厳しい状況ではあるが、「出来る限り(1%でも)投票率を引き上げ、前回の得票率を少しでも上回る」という目標に向けて、とにかく全力で頑張るしかない!!

 各地区の後援会の皆さん、選対関係者の皆さん、県民の皆さん、こちらも死に物狂いで、知事選レースを走り抜けるつもりです!!どうか力をお貸しください!!

追伸:知事選に向けた「政務会見シリーズ」でも述べたが、今度の知事選に関しては、常に2つの気持ちが交錯していた。

 ひとつは、有力な候補者の出現を封じ込めるため、出来るだけ早期に「盤石な選挙体制」を整える必要があるということだ。実際、自分自身の中にも、「1日も早く強力な選挙基盤を作り上げることが、対抗馬の擁立を狙う勢力への抑止力になる。確実に再選されるためには、ライバル候補の出現を、ギリギリまで引き延ばすのが最善の策だ」という考えがあった。

 もう1つは、強力なライバルの出馬を抑えた場合、当選確率は上がるかもしれないが、投票率の低下も避けられなくなるという心配だ。むしろ、有力なライバル候補がいた方が、(結果として)投票率も得票数も伸びるのではないかという思いも、胸の中を過っていた。

 地元秘書たちやネット戦略チームの責任者、親しい友人たちは、「現職知事としての最大の目的は、再選を果たすこと。その点で、一太さんの戦略は間違っていない。これだけ念入りに盤石の体制を作られたら、そもそも誰も手を挙げられなくなるのは当然だ」と言っている。

 「有力な候補者の出現を封じた時点で、『勝利への第一関門を突破した』という見方もある。投票率と得票率の低下は、最初からやむを得ないのでは?!」とも。

 ふうむ。大まかに言うと、ある意味、「描いていたとおりのシナリオ」で進んできたと言っていいかもしれない。あとは、政治(選挙)の常識を少しでも覆すために、全身全霊で有権者に訴え、1人でも多くの人に応援してもらえるよう、全力疾走を続けるしかない!!