2022年10月17日

 午前11時。東京の群馬県事務所にいる。

 本日は、午前9時過ぎの新幹線で上京。ここで幾つかの仕事を済ませた後、昼12時過ぎに、某衆院議員の議員会館事務所を訪問する。日本の温泉文化をユネスコ無形文化遺産に登録するキャンペーンに関連した面会だ。

 決して簡単な目標ではない。が、地元の自民党県議団や民間の関連団体とも協力しつつ、温泉王国である群馬が先頭に立って、着実に前進させていきたいと思っている。そう、どんなことでも、意思の力さえあれば、必ず実現出来る!そう信じている。

 さて、先週の知事会見では、「令和5年度の当初予算編成に向けた中期財政見通しと方針」についても発表した。その内容を改めて伝えておく。添付したスライドを見ながら、読んでください。

 「中期財政見通し」は、山本一太が知事に就任した後の令和元年度から、当初予算編成方針に合わせて、作成・公表しているもの。狙いは明白。中長期的な視点を持って、持続可能な財政運営を行っていくためだ。

 今回、報告したデータは、令和5年度当初予算の編成方針を検討するにあたって、最新の数値をもとに、改めて推計した数字となっている。

 先ずは、県債残高の説明から。令和3年度、令和4年度は、財源対策的な県債を発行しない方針を貫いた。そのため、令和3年の推計と比較して、残高は縮減することが出来ている。

 すなわち、令和4年の推計を見る限り、県債残高の増加ペースは、「比較的押さえられている」と表現していいだろう。このことは、財政見直しを地道に実施してきた成果だと捉えている。

 ただし、増加は抑えられた一方で、今後、財源対策的な県債を発行した場合には、県債残高が高止まりする傾向にある。

 次に、今後の財源不足についても推計を行った。結論から言うと、令和4年度当初予算並みの、大幅な財源不足の継続が見込まれる。その主な要因は、少子高齢化に伴う社会保障関係経費の増加が続くと見られることだ。

 まとめて言うと、財政見直しの効果は出ているものの、「それ以上に社会保障関係の負担増加の影響が大きくなっている」ことが判明した。
  
 以上のことから、今後も、引き続き行財政改革を通じて財源不足を圧縮し、県債発行を抑制していく必要があることを再認識した。

 万一、財政調整基金が枯渇し、大規模災害等の緊急的な財政出動への備えが手薄になったり、県債の返済に多くの予算が割かれるような事態は、何としても避けねばならない!

 続いて、上記の中期財政見通しを踏まえて作成した、令和5年度当初予算の編成方針にも触れておく。こちらも、分かりやすいスライドを添付した。

 令和5年度は、原油価格・物価高騰や新型コロナの影響で、税収等の歳入の先行きが不透明なこと、社会保障関係経費の歳出の更なる増加が見込まれることを考え合わせると、県の財政状況は益々、厳しさを増すと予想される。

 したがって、当初予算編成においても、事業の必要性や進め方を検証し、前例踏襲を排して、大胆な事務や事業の見直しを進めることが必要だと考えている。
  
 こうした事業の見直し等で生み出された財源や、マンパワーなどのリソースは、群馬県が進める「リトリートの推進」や、デジタル・メディア・アート・技術を組み合わせた「クリエイティブの拠点化」、災害やパンデミックにしなやかに対応する「災害レジリエンスの強化」など、新しい群馬を切り開く「未来への投資」に集中させていきたい。

 同時に、物価高騰対策やコロナ対策として必要な事業については、国の方針や感染状況等を踏まえつつ、補正予算での緊急的な対応を含む対策を、引き続きしっかりと打ち出していく。
  
 以上が令和5年度当初予算の編成方針だ。今後は、議会や県民の皆さんの声をよく耳を傾けながら、各担当部局とも議論の上、予算編成を進めていく方針だ。

 あ、そろそろ、早めのランチ(カレー)が届く時間だ。