2022年9月7日

 14時過ぎ。ヘルシンキ(フィンランド)からシカゴ(米国)に向かう航空機の機中で、パソコンのキーボードを叩いている。

 シカゴまでは、約6時間のフライト。そこから飛行機を乗り換えて、インディアナポリス(インディアナ州の州都)に向かう。宿泊予定のホテルにチェックインするのは、22時頃になる見込みだ。

 前回のブログでは細かく書けなかったフィンランド滞在中の活動を説明する。最初に言っておきたいのは、初めて訪れたフィンランドの印象が「すこぶる良かった」ということだ。

 最初に遭遇したのは、フィンランド人の素朴で親切な国民性。街全体が豊かな自然に囲まれているというより、自然の中に街があるという印象だ。想像していたとおり、緑の中で、人々がゆったり暮らしているという感じがした。 

 が、どちらかと言えば内気で、陽気に騒ぐようなタイプではない人が多い反面、心の内には「強靭な意志」を秘めている。「温和に見えるが、内面は強い!」誰もが口にするこの分析は正しいと思った。

 そのことは、これまでのフィンランドの苦難の歴史が証明している。特に、ロシアのウクライナ侵攻という事態に直面した際、今までNATO加盟に慎重だった国民の大多数が、決然と逆の道を選んだことに、フィンランドという国の芯の強さを見せつけられた気がした。
 
 第2に、ギスギスした雰囲気はないものの、生真面目で、規則を厳格に守る文化がある。あまり融通の利かない、頑固な人も多いのではないか?現地で暮らす邦人の間では、「日本人と似ている」という見方もあるようだ。

 実際、ヘルシンキ滞在中に面会した政府や自治体、大学やNPOの関係者も、予定の時間に遅れることはなかった。何度も言うが、他人に親切で、約束を守る国民性なのだ。

 サウナ協会の副会長も、教育文化省の大臣や局長も、ヘルシンキ大学の教授も、シェルター施設の担当者も、事前にこちらの資料や質問を把握し、丁寧かつ詳細な説明を準備してくれていた。

 そんなこともあって、かなり時間の余裕を見てアレンジしたつもりの日程が、(気がつくと)忙しい移動になってしまうという流れになっていた。(ふう)

 第3に、国民の間に「多様性を受け入れる意識」が定着している。そう言えば、スウェーデンに住んでいた友人が、よく「北欧諸国は、人権に対する意識が高い」と話していた。

 それも要因の1つだとは思うが、「肌の色や国籍、人種を意識せずに生きていける」数少ない地域であることは、間違いなさそうだ。

 詳細な解説は避けるが、フィンランドを「幸福度世界一の国」たらしめている最大の理由の1つが、教育制度であることは、よく知られている事実だ。年齢にかかわらず、誰もが、いつでも新しい人生のチャンスを掴める社会」って、本当に素晴らしいと思う。

 知事の「見果てぬ夢(?)」だと言われても仕方がないが、個人的には、群馬県を「フィンランドやスペインのような場所」に出来たらいいなと(ずっと)思っている。この件については、改めてどこかで取り上げたい。

 さて、フィンランド出張中の最大のハイライトは、ペトリ•ホンコネン科学•文化大臣との会談だった。当初は、「10分以上は難しい」と言われていた大臣との会談が、結果として30分に延びた。その経緯については、次回(今晩)のブログで詳しく書く。

 取り敢えず、(初日からの睡眠負債を解消するために)少し眠っておこう。

追伸:知事の海外出張に同行中の地元紙(上毛新聞)の記者が送った記事が、昨日の1面に掲載されたとのこと。なるほど、要点を上手くまとめてくれている。

https://www.jomo-news.co.jp/articles/-/171143