2022年8月27日:パート2

 夕方。床に寝転んで、様々なことに思いを巡らせている。仕事のことはもちろん、人間関係や、これからの人生、気になる社会現象や世界情勢等、あらゆることを考え続けている。

 恐らく、普通の人より趣味や興味の範囲が広い。残念なのは、全てをフォローする時間も能力もないことだ。

 それでも、最近、改めてこう思う。「振り返ってみれば、人生に無駄なことって、実は1つもなかったのではないか?」と。

 例えば、最近、運動のためにやっているヒップホップのダンスは、体力(持久力)をつけるのに、大きく貢献している。アコギを弾きながら歌うことは、ストレスの解消と免疫の増進、何より肺活力を増やす(=肺機能を鍛える)という点で、大きな効果をもたらしている。

 日頃から最新のドラマや映画、アニメを含む多種多様なコンテンツを研究しているからこそ、世の中のトレンドに敏感になれる。社会の風潮が分からなければ、効果的な政策の打ち出しや、タイミングのいいアピールは、どうしても難しくなる。政治家には、時代の先を読む感性(アンテナ)が必要なのだ。

 以前にも書いた憶えがあるが、仕事以外の全ての活動や興味も、「全人格をかけて取り組んでいる」知事としての活動に、プラスの影響を及ぼしている。これって、スゴくいい循環でしょう?!(笑)

 だからこそ、(自分の人生にとっては)時間の余裕がある休日に、「あらゆることを、まとめてやる」ことが、とっても大事なのだ。

 さて、(毎度のことではあるが)ひとつ文句を言わせてもらう。8月20日、21日の両日に行われた産経新聞とFNNの世論調査によると、岸田内閣の支持率は8.1ポイント下落して、54、3%だった。

 他方、全く同じ期間に実施された毎日新聞と社会調査センターの世論調査でも、岸田内閣の支持率は16ポイントも急落。36%と発表された。

 皆さん、これ、どう思いますか?!内閣支持率が低下傾向にあることは同じでも、支持率の数字が「あまりに違う」とは感じませんか?驚くというより、怒りすら感じる。

 過去のブログでも触れた「メディアによる世論調査データのあまりに過大な乖離」は、大きな問題だ。国民は「何が真実なのか?」が分からなくなる。

 そもそも、2つの主要メディアによる内閣支持率の数値が18%も違っていたら、それはもうデータとして成立していない!そりゃあ、そうだろう。支持率54%と36%って、全く違う世界だ。(苦笑)

 少し前のブログで指摘したように、8月5日からの3日間に実施されたNHKの世論調査(内閣支持率46%)の結果が、最も地元の体感に近い。毎度、複数のメディアからあまりに矛盾する結果を突きつけられては、「内閣支持率に関しては、NHKのデータしか信用しない」と決めている自分の気持ちも、分かってもらえるはずだ。当然、本当に注目すべきは、NHKの次回調査(9月の初旬?)の数字だ。

 もちろん、欧米のメディアが実施する世論調査でも、マスコミの間で「多少、数字が異なる」のは、よくある現象だ。が、流石に、2つの主要メディアの間で「18ポイントも支持率が違う」という話は聞いたことがない!米国大統領選でも、こんなことは起きなかった。

 最大の問題は、次々と五月雨式に発表され、どの数字を信じたらいいのか分からないこの「内閣支持率なるもの」によって、その都度、政治や国民が大きく翻弄されているということなのだ。

 複数のメディアから最新の内閣支持率が公表される度に、こう思わずにはいられない。

 「どこか中立的な有識者によるNPOが、各メディアの世論調査の結果を常に厳しくウォッチし、国民に示してもらえないのだろうか?」と。毎回、「なぜ、世論調査の数字にこれほどの乖離が起こるのか?」「どの数字がより実体に違いのか?」も、ぜひ分析して欲しい。

 話題は変わるが、一昨日(8月25日)の定例会見で、知事の2度目の海外出張について報告した。今月のベトナム訪問に続き、9月にも、米国とフィンランドで知事のトップ外交を展開する予定だ。

 出張期間は、9月5日から14日までの10日間。今回のブログでは、上記の2ヶ国における活動の内容を、改めて説明する。

 米国では先ず、インディアナ州を訪問する。同州には、群馬県の関連企業が多く進出している。特にSUBARUの現地工場もあるなど、群馬県との経済的な結びつきが強い地域だ。

 インディアナ滞在中に、エリック・ホルコム州知事と会談し、群馬県とインディアナ州との友好交流に関する覚書を締結する。ホルコム知事とは、令和元年9月に東京都内で初めて会談。その後、令和2年12月に開催した「湯けむりフォーラム」に対しても、ビデオメッセージを送って頂いた。様々な場面で、知事同士の交流を深めてきた。

 今回、知事自らが現地に赴き、2人の知事による覚書を締結することで、群馬県とインディアナ州との間の幅広い分野における交流(経済、教育、文化、人材育成等)を更に進展させたいと考えている。

 加えて、州立パデュー大学のダニエルズ学長とも会談する。パデュー大学は、ノーベル化学賞を受賞した根岸 英一(ねぎし・えいいち)さんが在籍したことでも知られている、米国屈指の名門大学だ。生物学、産業工学や航空宇宙工学の分野で、全米をリードしている。

 ダニエルズ学長との会談を、群馬県経済のさらなる活性化に繋げたいと思う。例えば、県内企業との共同研究などの枠組みを提案したい。

 インディアナ州訪問後は、日本・米国中西部会の日米合同会議に出席する。この会議には、アメリカ側から、駐日大使をはじめ中西部10州の各州知事や現地企業が参加するとのこと。対して、日本側からは、駐米大使や現地進出企業が多く出席すると聞いている。

 会議の開会式で、知事としてのスピーチ(もちろん英語)を行うことになった。群馬県の魅力や先進的な取り組み等を大いに発信させてもらうつもりだ。インバウンドの増加や現地企業からの投資の促進を図るきっかけにしたいと思う。

 フィンランドでは、ホンコネン科学•文化大臣と会談する。主なテーマは、ユネスコ無形文化遺産に登録された「サウナ文化」だ。「サウナ文化」登録のプロセスやその後の活用などについて、意見交換を行う。群馬県が進める「温泉文化」のユネスコ無形文化遺産登録に向けた戦略やストーリーづくりの参考にするためだ。

 また、群馬県が推進するレジリエンスの拠点化に関連し、現地のシェルター施設を視察する。フィンランドでは、シェルターは身近な存在だ。平時には、市民プールやレクリエーション施設として活用されている。日本国内では様々な理由で普及していないが、災害に強い地域づくりを進める上では、重要なピースだと捉えている。今回の視察を、今後の群馬の政策に反映させていく。

 さらに、探知犬の研究施設にも足を運ぶ。フィンランドでは、嗅覚などの犬の優れた能力を活かし、探知犬を様々な場面で活用している。こうした先進事例を調査することで、群馬版の探知犬の可能性を探る。同時に、群馬における「ペットとの共生社会実現」のためのヒントにしたいという思いもある。

 現在、県内の新型コロナ感染状況は依然として厳しい状況にある。が、そうした中にあっても、他国との連携や海外ネットワークの強化を長期的な視点で進めていくことは、極めて重要だ。

 当然のことながら、海外出張中も、関係部局との連絡は密にしておく。常に緊急の協議や指示が出来る体制を維持する。

 知事には「グローバルな視点」も不可欠だ。これからも、群馬県を活性化させるための「独自の自治体外交」を精力的に展開していく。