2022年8月14日

 14時過ぎ。先ほど、歌代健康福祉部長と電話で話をした。本日、県内で判明した新型コロナの新規感染者は1,885人。先週同曜日(2,456人)を下回った。

 ただし、16日までの数字はあまり参考にならない。検査数が減っていることを考えると、むしろ思った以上に多い感じすらする。問題は17日以降の動きだ。

 亡くなった人は5名。重症の方が3名いる。病床使用率は僅かに下がっている。

 さて、今回のブログでは、8月10日の会見で報告した知事のベトナム訪問(8月2日〜6日)の内容を、改めて記しておく。

 ベトナムと群馬県の交流を深化させるため、8月2日から6日にかけてベトナム国を訪問し、知事のトップ外交を展開した。この訪問には大きな手応えを感じた。これまでの常識を覆す「独自の自治体外交」を構築するための第一歩を踏み出すことが出来たと感じたからだ。

 ベトナム国内の訪問先は、首都ハノイと観光地であるダナンの2ヶ所。それぞれの行程を、サッと振り返ってみよう。

 首都ハノイでは、フック国家主席と会談した。この会談では、群馬県からの経済ミッション団の派遣、ITデジタル分野での連携を含む経済関係の強化、技能実習生など人材の受入れの円滑化等が話題となった。フック国家主席からは、「政府の動きをしっかり後押しする」という力強い言葉があった。

 嬉しかったのは、フック国家主席から、群馬に住むベトナム人へのサポートに対する感謝の言葉をいただいたこと。会談の冒頭、安倍元総理への深い哀悼の言葉を頂戴したことも、申し添えておく。

 ミン第一副首相との会談では、経済、教育、文化等の様々な分野で、群馬県とベトナムの交流を進めていくことを確認した。特に、フック国家主席との協議でも話題に登った経済関係の強化や技能実習生の受入れに関しては、その実態や課題、今後の相互協力のあり方について、より具体的な協議を行った。

 文化交流については、来年、予定されているベトナム国立交響楽団の来日に言及。「その際には、ぜひ群馬県での公演も検討してください!」とお願いしておいた。

 教育分野に関しては、ベトナム国の外交官養成機関であるベトナム外交学院と群馬県の間で、学生や教員同士の交流を促す協定を締結した。締結式には、日越関係のキーパーソンであり、日本訪問団のために昼食会まで催してくれたヴー外務副大臣も、同席してくれた。

 上記の協定により、双方の大学同士の交流が進み、ベトナムと群馬県の文化の相互理解が更に深まることを、強く期待している。

 加えて、現地大手IT企業であるFPTソフトウェアを訪問。同社のハ会長と、群馬県からの進出企業やベトナム現地における製造業、IT・デジタル産業等の産業の現状について、意見交換を行った。

 次に、世界的に有名なアジアの観光地であるダナンでは、群馬県が掲げる「リトリートの聖地」構想を念頭に、ダナン市政府幹部のクアン党委員会書記やミン人民委員会副委員長と会談した。

 今度の訪問を契機に群馬県とダナンの交流を深めることや、外資誘致などの観光政策について議論した。併せて、リゾート地域の現地視察を通じ、世界レベルの観光拠点における長期滞在や外国人誘客に関する取り組みを調査した。

 この地域のハイレベルな観光資源と戦略に、少なからぬ感銘を受けた。多面的な観光戦略は、「リトリートの聖地」を目指す群馬県にとっても、参考になる点が多いと感じた。

 さらに言うと、2度目となる今回の知事のベトナム訪問の大きなポイントの1つは、県内経済界を代表して、現地進出や貿易取引の支援を行っている群馬銀行の深井頭取に同行してもらったことだ。このことは、今後の群馬とベトナムの経済関係強化を進める上でも、大きな原動力になると信じている。

 全体として、群馬県とベトナムの多様な分野における更なる連携の可能性を痛感したミッションだった。最も大事なのは、こうした知事独自のトップ外交を、県内のベトナム国籍の高度人材育成や、ベトナムへのIT関連投資の促進、外国人宿泊客の増加など、どこまで具体的成果に繋げていけるかどうかだと思う。

 引き続き、知事自らが先頭に立ち、自治体独自の外交を進めることで、群馬県の経済、教育、文化をさらに活性化していきたい。その決意を新たにしたベトナム訪問だった。