2022年7月30日

 夕方。高崎の自宅で、パソコンを起動させた。

 今日は、朝から県内で「知事の活動をPRする動画」のロケを敢行。来夏の知事選への立候補を表明した以上、あらゆる準備を進めておく必要がある。

 歌代健康福祉部長からのメールによると、本日、県内で新たに判明した新型コロナ感染者は2,323人。先週同曜日(2,088人)に比べて、200人余り増加。上昇のペースは鈍って来たものの、土曜日としては過去最多だ。

 亡くなった方は2名。病床使用率は、50%の僅かに手前で踏みとどまっているようだ。

 急増している県内の感染拡大のピークアウトは、まだ見通せない。急激な感染者の増加に伴い、病床使用率も50%にまで高まっている。重症者が少ないとは言え、今のペースで入院者が増え続けるようだと、医療提供体制に更に大きな負荷がかかることは、目に見えている。

 さらに言うと、今月は、医療機関におけるクラスターが25件も発生。第6波のピークである本年2月の8件と比較すると、3倍以上となっていることが分かる。

 こうした流れを踏まえ、最も重要なのは、県内の「医療崩壊」という最悪の事態を回避することだ。そのため、「コロナ専用病床の効率的な運用」の開始を決定した。このブログでは、その内容を解説する。

 新たな運用の柱は、大きく分けて次の2点となる。

 1つ目は、「早期退院等の実施」だ。限りある病床を、1人でも多くの「入院が必要な人」に使用していただくため、入院期間の短縮を図る。

 より具体的に言うと、症状が軽快した人には、療養期間中であっても、宿泊施設や自宅での療養に切替えていただくことにする。

 加えて、従来より、退院基準を満たしているにもかかわらず、基礎疾患等により引き続き入院が必要な人については、転院先の一般病床を確保する必要があり、そのための時間がかかるケースが多く発生していた。

 こうした事態を解消するための新たな仕組みとして、いわゆる後方支援病院の病床の空き状況を、リアルタイムで共有するシステムを構築した。この方法により、転院に要する調整時間を少しでも短縮出来れば、今ある病床をさらに有効に活用することが可能となる。

 2つ目は、「陽性者外来の再開」だ。「本当に入院が必要な人」に優先的に入院してもらうため、いわゆる入院前のトリアージを実施する。

 もう少し細かく言うと、通常の受診では、入院か宿泊療養かの判断が難しい人について、協力病院でCT検査や血液検査を実施し、入院の必要性を判断するというやり方だ。

 これは、第6波においても実施していた方法だが、今回、より強烈な第7波に見舞われたことを契機に、11病院の輪番体制と8病院のサポートという体制で、再開することを決めた。

 要は、「心配だから、念のため入院」のような判断を極力なくし、緊急性の高い人から入院出来るようにすることだ。もちろん、結果として入院にならなかった場合であっても、電話やオンラインも含めた診療体制は確保する。その点は、ご安心ください。

 上記のどちらの取組に関しても、関係する皆さんには、新たなご負担をおかけすることになる。が、今こそまさに、医療崩壊を防ぐための「オール群馬」の対応が必要な局面だ。県民の皆さんのご理解、ご協力を重ねてお願い申し上げます。

 なお、今週25日に、9回目となる「医療関係者との意見交換」を行った。その中でも、「重症化しやすい高齢者や基礎疾患のある人、妊婦などに医療資源を集中させていく必要がある」という趣旨の意見が多かった。
 
 すなわち、全国で連日、最多の感染者を記録している現在の第7波を乗り越えるためには、「真に必要な方々に医療サービスを重点的に提供する」というメリハリの効いた対策が必要だということに他ならない。

 こうした県の新たな対応によって、事実上、コロナ専用病床での入院は、65歳以上の高齢者や基礎疾患をお持ちの方がほとんどになり、緊急度に応じた医療リソースの重点化が図られるものと考えている。

 そうは言っても、対策のあり方を抜本的に変えていくためには、政府(国)に、(感染症法における位置付けを含め)入院や外来など診療体制の在り方を早期に見直してもらうことが不可欠だ。この点については、今週の全国知事会でも強く主張した。

 何れにせよ、政府による新たな体制整備が整うまでは、県民の方々と力を合わせて、出来る限りの知恵を絞り、工夫を重ねていく。