2022年7月13日:パート2

 21時過ぎ。WBO世界スーパーフライ級タイトルマッチ(王者の井岡一翔選手と同級1位のドニー・ニエテス選手との試合)のテレビ中継を見ながら、パソコンのキーボードを叩いている。

 確かに、日本初の4階級制覇を達成している井岡選手の技術は本物だ。玄人を唸らせるものがある。が、日本が誇るモンスター、井上尚弥選手の試合と比べると、どうしても面白みに欠ける。

 井上VSドネア戦のような「ヒリヒリする緊張感」がない。やっぱり、ボクシングの醍醐味は、豪快なKO(ノックアウト)だ。2人とも偉大なチャンピョンだけど、「スター性」が全く違う。テレビの画面を見ながら、その事実を再認識した。

 さて、昨日時点の群馬県の病床使用率は17%。入院率は3%。過去のブログで何度か、「この2つの数字に関して、群馬県は他の都道府県より高いレベルで推移している」と綴った。「そうなっている理由を分析し、どこかの時点で、結果を説明する」とも。

 最近になって、ようやく群馬の病床使用率と入院率が、「関東地方の他の都道府県と同水準」になりつつある。が、第7波に突入した今、上記の点を明らかにしておくことは、これからの県の対策を考える上でも、重要な意味を持つ。

 少し前に、「群馬県の入院率と病床使用率が、関東地域で相対的に高い」理由の分析結果がまとまった。早速、このブログで(何度かに分けて)解説する。県民の皆さんに、正確な事実を把握して欲しいからだ。

 結論から言うと、群馬県の新型コロナ対策、特に感染者に対する対応や医療提供体制確保のための施策は、「他の都道府県に比べて、決して劣っているわけではない」ということが分かった。逆に、「他の地域と比較しても、群馬県はより正確に情報を発信し、より効果的に対応している」という見方も可能だと思う。

 最初に指摘しておきたいのは、各都道府県が発表している病床使用率の数字の正確性だ。幾つかの理由で、群馬と他の都道府県の数値を、そのまま比べることは適切でないと感じている。そもそも、「各地域の数字が、どこまで医療提供体制の実態を反映しているのか?」が、よく分からない。そうは思いませんか?!

 そもそも、(地域によって)確保病床の数え方だって、違う気がする。ずっと考え続けて来た「病床使用率をめぐる謎(?)」については、改めて(どこかで)取り上げる。

 ここからが本題。群馬県の入院率が他県と比較して高くなっている要因として、(1)入院対象とする感染者の基準の違い(2)入院調整機能の違い〜の2つが挙げられる。

 先ず「入院の対象となる基準」に関しては、高齢者(75歳以上)などの入院対象となる感染者の基準が、他県と異なっていたことが判明した。例えば、群馬県では、最近まで、第5波(デルタ株)までの対応を踏襲し、75歳以上の高齢者は「症状の軽重や基礎疾患の有無などにかかわらず原則入院」という方針を取っていた。

 これに対して、他県では、高齢者であっても、基礎疾患があるなどの「高リスクの患者」に絞った形で、入院の対象としていた。結果として、(他県の基準と比べて)「原則として入院」と判断する感染者への対応が手厚くなっていた。

 第6波においては、オミクロン株の特性やワクチン接種の効果により、「軽症や無症状で推移する患者が多い」という臨床知見が得られている。そうした点を踏まえて、少し前に、群馬の「原則入院」の基準を、他県並みにする見直しを行っている。

 もちろん、入院率が高ければ、病床使用率の上昇は、それだけ速くなる。が、この点について、必ずしも「群馬県の政策が間違っていた」とは言えない気がする。

 次に、「入院調整機能の違い」に触れる。群馬県が「全県単位での一元調整」を実施しているのに対して、「保健所単位での個別調整」を行っている県も多くある。実は、これも重要なポイントだ。

 あ、携帯電話が鳴っている。この続きは「その2」で。