2022年3月11日:パート4

 21時過ぎ。新幹線で高崎に向かっている。

 ピーター・タン駐日シンガポール大使との懇談は、大いに盛り上がった。群馬県とシンガポールとの連携の可能性から国内政局、世界情勢に至るまで、幅広いテーマについて意見を交わすことが出来た。

 タン大使は、日本赴任3度目という、シンガポール外務省きっての知日派。日本語も堪能なので、会話は日本語と英語が半々だった。とても気さくで、エネルギッシュな外交官だ。

 新型コロナ感染(第6波)が収まったら、来県していただくことになった。多文化共生社会の実現を目指す群馬県として、シンガポールから学ぶべき点は多々あると感じた。

 さて、ここからは、「群馬県幸福度レポート」に関するブログの続編。全体では100ページを超える中身の一部を抜粋して、紹介させてもらう。

 先ずは、「主観的指標」である「県民幸福度アンケート」について説明する。

 「幸福感」に関する設問である「どの程度幸せを感じているか?」については、67%の方が「幸せ」または「やや幸せ」と回答した。

 また、「幸せかどうかを判断する際に重視した項目」については、健康状況(65%)、家族関係(54%)、所得(46%)が上位を占めた。

 この数値だけで、単純な評価をすることは難しい。加えて、アンケート結果を細かく見ると、性別や年代、職業などにより幸福度の捉え方に差があることが判明した。

 次に、「客観的指標」について考察する。

 今回のレポートでは、19分野で指標を作成した。そのうち、「幸せかどうか?」を判断する際にも重視されている「健康」の分野の数値を記しておきたい。

 全国平均を上回っている指標として挙げられるのは、「健康寿命」だ。その一方で、健康づくりに関わる「平均歩数」や「健康診査受診率」などの指標は、全国より低い数値に留まっている。

 「幸福」を判断する項目として「健康状況」が重視されている。すなわち、健康づくりに関する客観的指標を高める取組を進めることが、「幸福度」の向上に繋がる可能性が高いと考えられる。

 このブログでは、「健康」の分野を取り上げたが、その他のデータからも、次の2つのことが明らかになった(1)客観的データと県民の実感が直接結びついていないものがあること(2)分野によって県民の実感にばらつきがあること〜だ。

 以上、一部を抜粋して、知事の所感を述べさせてもらった。レポート全体は、昨日から県のホームページで公開している。詳しくは、そちらをご覧いただきたい。

 幸福度レポート作成の過程で得られた情報は、今後の県政運営のベースともなる。その意味では、群馬県が「幸福度向上に向けた新たなスタートラインに立った」と言っていい!

 全ての県民が「幸福」を実感できる社会の実現を念頭に、このレポートは、来年度以降も継続的に作成する。必要に応じて指標の見直しを行いながら、状況の変化を丁寧に分析していく。

 群馬県幸福度レポートが、エビデンスベースでの政策立案を進めるための重要なツールになることは間違いない!!

 あ、間もなく高崎駅のアナウンス。

 

     <幸福度の主観的指標と客観的指標>


<ピーター・タン駐日シンガポール大使と懇談>