2022年3月4日:パート2

 22時30分。熱い日本茶を飲みながら、パソコンを起動させた。運動する前に、前回のブログの続編(その2)を書く。

 前回のブログで、「経済活動再開に関しては、2つの主要な要素、すなわち『ワクチン接種率の向上』と『病床使用率の低下』がある」と記した。今回は、2番目の「病床使用率」を取り上げる。

 あたり前のことではあるが、病床使用率を下げるための最も有効な方法は、感染対策を徹底し、感染者の人数を減らすことだ。が、加えて、コロナ専用病床を増やす努力も重要となる。病床に関しては、現在の568床からさらに32床積み増し、4月末までに600床の確保を目指すこととした。

 さらに言うと、経済活動再開に向けた需要喚起策についても、出来るだけ早く実現の道筋をつけたいと考えている。

 この点に関しては、現在、国において見直しが行われている「ワクチン検査パッケージ」の状況も見極めながら、県としての対応の枠組みを検討していく。その中で、本県が全国に先駆けて導入した「ぐんまワクチン手帳」の活用や、「愛郷ぐんまプロジェクト」等の経済対策を、順次、再開させていく方針だ。

 今回、2度目の措置延長を受けて、事業者の皆さんに、再び営業時間の短縮をお願いせえざる得なくなった。すでに途端の苦しみを味わっている飲食店の方々に、更なる我慢を強いることになる。そのことがよく分かっているだけに、とても心苦しい。

 昨日の会見でも申し上げたが、1月18日に行った「まん延防止等重点措置」の適用の申請と、その後の2度に及ぶ延長申請は、いずれも知事である自分にとって、苦渋の決断だった。

 ただし、(過去の知事会見で何度か指摘したように)自分は、人流を抑え、感染拡大の芽を摘み取るために、時短要請を含む「まん防」の措置を適用することには、一定の効果があると捉えている。

 

 知事である自分には、県民の命と健康、そして暮らしを守る責務がある。そして、現行の制度下において、少しでも効果があると思われる手段は(何であろうと)活用したい。そうした知事の心情は、ぜひ、ご理解いただきたいと思っている。

 他方、会見では、記者の人たちから度々、「重点措置の効果の分析」について質される。政府の専門家グループの有識者の中にも、疑問を呈している人がいる。それは、重々、承知している。しかも、経済活動を制限するような措置を続ければ続けるほど、地域経済へのダメージは蓄積されていく。

 だからこそ、今回の延長で打ち止めにしたいと強く願っているのだ。もっと言うと、よほどの事態でも起こらない限り、次回は解除を申請したいと思う。本日発表した「ロードマップ」を念頭に、重点措置の解除と経済活動の再開に向けて、やるべきことを着実に積み重ねておくことが重要だ。

 併せて、過去6回の群馬での経験を通じて培った知事としての知見や問題意識は、(今後も)政府にしっかりと伝えていく。ちなみに、群馬県が国に要望したいのは、(大きく言って)次の3点だ。

(1)第6波における「まん延防止等重点措置」の効果を綿密に検証し、国民に向けて発信してもらうこと。

(2)適用する「措置内容」を、都道府県がもう少しフレキシブルに調整できる仕組みに変えてもらうこと。例えば、今回の延長に際しても、「重点措置を適用しつつ、県の判断で措置内容を少しだけ緩和する」ということが出来たら、もっと決断しやすかった。

(3)かねてからの懸案事項ではあるが、時短要請への協力金の支給に当たっては、各事業者の間で不公平感が生じないよう、算定基準の見直しなどの工夫をしてもらうこと。

 政府には、(上記のような点も含め)基本的対処方針の内容や財源措置の範囲などに関する必要な見直しを、出来るだけ早期に実行していただくよう、重ねてお願いしたい。

 知事に就任して2年半。これまで「政府の対策を評価し、緊密に連携する」というスタンスを貫いて来た。その方向性は、これからも変わらない。そのことを前提にしつつも、苦渋の決断を繰り返してきた現場の知事として、(引き続き)国に様々な問題提起や要望をぶつけていこうと決めている。

 幸いなことに、山際コロナ担当大臣や堀内ワクチン担当大臣を含む関係閣僚とは、直接、話が出来る関係にある。知事会を通じて要望を伝えるのはもちろんのこと、(必要な場合には)知事として、直接、政府の中枢に働きかける!当然のことだ。

 あ、気がつくと午前零時前。急いで運動を始めないと。両肩のリハビリ体操(?)から始めよう。

    <本日の全国知事会(ウェブ会議)で発言>

 

<昨日の知事会見で示したロードマップ>