2022年2月3日:パート2

 間もなく22時。熱い紅茶を飲みながら、本日2本目のブログを書き始めた。

 15時からの定例会見で、新型コロナに関する「検査・診療方針の見直し」を発表した。今回のブログでは、見直しの内容を丁寧に解説する。末尾に添付したスライドを見ながら、読んでもらえると分かりやすいと思う。

 オミクロン株による感染の急拡大により、全国的に検査の需要が急激に高まっている。外来診療の現場のひっ迫化に伴い、PCR検査キット等の不足が生じている状況だ。本県においても、医療機関等における検査キットの在庫不足が顕在化している。この点に関しては、先日の知事と保健所長との意見交換でも、複数の所長から指摘があった。

 「検査」は、陽性者を早期に把握し、速やかに必要な医療を提供する上で必要不可欠なものと考えている。他方で、足下の感染状況を見ると、感染者は急増しているものの、無症状や軽症の人が多い(=重症化する人が少ない)状態が続いている。

 上記の事情を考え合わせると、限られた医療資源、検査資材を、医療が必要となる人たち、特に、重症化のリスクが高い方々に集中させることが必要となって来る。

 そのため、政府も、一部の検査を省略し、医師の診察による臨床症状等のみで陽性とみなす、いわゆる「みなし陽性」を認める方針を、先月24日に示している。

 この国の考え方に合わせる形で、本県でも、県内の診療・検査体制のひっ迫状況を踏まえ、「濃厚接触者に対する検査」「外来診療における検査」の見直しを行った。先月27日から、運用を開始している。見直しの具体的な内容は以下のとおり。(こちらも、添付したスライドを参照しながら、読んで欲しい。)

(1)濃厚接触者に対する検査

 これまで、疫学調査によって濃厚接触者に特定された人については、全員の検査を実施して来た。今後は、そうした検査を、「症状のある方」と「重症化リスクの高い方」に重点化して、実施することとする。

 当面の間、「無症状で重症化リスクの低い方」に関しては、濃厚接触者とされた場合でも、検査は行わない。自ら健康観察を行っていただくようにお願いする。

 ただし、健康観察中に発熱など、症状が出た場合は、ためらうことなく、早期に電話連絡をした上で、医療機関を受診していただきたい。

 加えて、学校や企業、また個人の濃厚接触者など、疫学調査の重点化に伴って各自での対応をお願いしている関係者の方々に関しても、(上記の対応を参考に)症状が出ている人に限って、医療機関を受診いただくようお願いしたいと思う。

(2)外来診療における検査

 今まで、外来診療については、医師が「診察」「検査」「診断」を行い、保健所に陽性確定者の発生届を提出するという流れだった。が、今後は、症状があり「重症化リスクが低い」と考えられる人については、医師による「検査」を省略出来ることとする。

 具体的には、抗原定性検査キット等で患者自らが検査を行い、陽性が確認出来ている場合、医療機関において再度の検査を行わなくても、医師の判断で「陽性」とみなすことが出来るようにする。

 同様に、「陽性」となった人の「同居家族」に関しても、症状が出ている場合には、診察の結果を見た上で、医師の判断で(検査を行わずに)「陽性」とみなすことを可能とする。

 ちなみに、上記の見直しは、先月28日から運用を開始した。今月に入り、昨日までに、15名の方々が「みなし陽性」と判断されている。

 念のために言っておくが、今回の変更は、あくまで医療機関での検査を一部省略するという対応を「可能」にするものだ。受診前に、「ご自身での検査」を一律にお願いするものではない。自ら検査をしていなくても、症状があれば、医療機関を受診出来る。その点は、誤解のないように申し添えておく。