2022年1月30日:パート3

 21時過ぎ。毎日、何回かに分けて口に放り込んでいるナッツの1日分を、よく噛んで食べた。熱いミントティーを飲みながら、本日3本目のブログ(前回の続編)を書く。それにしても、やけに喉が乾く。エアコンの暖房が強すぎるからだろうか?

 昨日18時時点の群馬県の病床稼働率は56、1%。うち、重症用病床は5、4%となっている。過去のブログでも説明した憶えがあるが、暫く前に、重症用病床の稼働率の考え方を見直した。以前は、人工呼吸器の保有台数を基準に計算していた。

 しかしながら、前橋市の赤十字病院のコロナ病棟を視察した際、実際には県が保有する人工呼吸器を全て同時に稼働させることは(スタッフのリソースから考えて)難しいと分かった。そこで、より医療の実態を反映した数値に改訂した。

 さらに言うと、群馬県の病床稼働率が高くなっていることには、明確な理由がある。簡単に言うと、群馬県が、これまで「感染した人は極力、入院か療養施設への入所に振り分け、自宅待機は出来る限り少なくする」という方針を貫いて来たからだ。

 現在のオミクロン株による感染爆発が発生する以前、特にまだ新型コロナウイルスの正体が十分、分かっていなかった初期の感染波の渦中では、上記の群馬県の取り組み(感染者に丁寧に対応する)は、県民の生命と健康を守るために必要だと考えていた。同時に、群馬にとっては「誇りにすべき実績」だと感じていた。

 実際、21年3月3日に掲載したブログでは、群馬県の状況が「入院待機者ゼロをアピールしている墨田区と、実は同じだった」という事実を紹介している。参考までに、このブログの内容は、末尾に添付しておく。

 昨年12月、デルタ株によるクラスター感染の連鎖によって、群馬県内の感染者数が急増した際、「感染した方々は、極力、入院してもらうか療養施設に入所してもらう」という従来の療養方針の見直しを発表した。

 が、今、振り返ってみると、あまり厳格に適用することはしていなかった。医療提供体制に支障が生じるような事態ではなかったことに加え、1日あたりの感染者が200〜300名になっても、「何とか持ちこたえられる」体制を整えていたからだ。

 しかしながら、年末から始まったオミクロン株による感染急拡大は、これまでとは桁違いのスピードで襲って来た。当初は1割以下だった病床稼働率は、瞬く間に2割になった。そのまま3割を超え、4割まで上昇し、危険水域である5割に到達した。

 ここ最近の「1日の感染者が千名を超える」ような、当初の想定を大きく上回る事態を受けて、今まで以上に新たな療養方針のルールをより厳しく適用している。そうすることで、病床稼働率を5割中盤で何とか抑え込んでいる。これが、群馬の偽らざる現状だ。

 それでも、昨年の12月までは、県の危機管理チームの専門家や医療関係者の方々の意見も踏まえ、陽性者の方々に出来るだけ丁寧に対応して来た。すなわち、「医療逼迫が起こらない限り、活用可能な病床は活用する」という政策を続けて来たことには、意味があったと考えている。その点は、県民の皆さんにも、ぜひご理解をいただきたい。

 それにしても、驚くのは、群馬県より感染拡大が急激な(=人口比の感染者数が群馬を上回る)地域での病床稼働率の上昇率が極めて小さいことだ。恐らく新規感染者に占める入院率は2〜3%くらいではないか?もし入院率が2%だとすると、感染者が100人なら2人、1000人でも20人しか入院していないことになる。

 他の都道府県の事情はよく分からない。が、群馬県の場合、高齢者施設でもクラスターが発生していることを勘案すると、そこまで一気に入院率を下げることは、なかなか難しい面もある。が、医療逼迫を起こさないためには、医療関係者ともよく相談しながら、療養施設への入所、特に自宅療養に重点を移していくしかない。これは、ほとんどの都道府県に当てはまることだ。

 連日、1000人を超える感染者が発生するという厳しい情勢の中で、群馬県の自宅療養者も、5,188人まで急増している。この人たちが不安を感じたり、症状が悪化した場合に適切な処置を受けられるよう、県として最大限のケアを提供していく必要があることは言うまでもない!

 以上、過去3本のブログを通じて、毎日、発表される各都道府県の新規感染者数、病床稼働率等の数値に関する疑問点を書かせてもらった。県民の皆さん、この際、「表面的な数値と実態は違う」ということを、知っておいてください。併せて、「他の都道府県との比較も単純には出来ない」という事実も。

 繰り返し言っておくが、メディアの皆さんには、「表面的な数値では分からない各地域の実態」をもっと深掘りした報道をお願いしたいと思う。正確な事実を国民に伝えるのが報道の役割だ。そうでしょう?!

追伸:上述した昨年3月3日のブログの内容は以下のとおり。
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<墨田区が「入院待機者ゼロ」と発表〜同じ基準だと群馬県も「実は入院待機者ゼロ」という理屈になる。> 2021年3月3日:パート2

 20時過ぎ。高崎の自宅で夕食を済ませた。熱いミルクティーを飲みながら、某大臣に携帯メールを送信し、政治関係者と情報交換し、地元秘書から地域の情勢を聞いた。

 「全力疾走知事」だもの。政策も政局も、常に全力でやる。

 ブログの冒頭は、新型コロナの現状報告。本日の県内新規感染者は17名。最多は伊勢崎地区の5名。経路不明が3割。40〜50代が最多の4割。60代以上は2割だった。1日当たりの新規感染者数20人未満、病床稼働率2割台という目標は、引き続きクリアしている状態だ。

 先週、NHKのニュースで、「入院待機者ゼロ」を達成している東京都墨田区の取り組みが紹介されていた。回復した感染者が転院する仕組みを整え、新型コロナ患者用の病床を確保し、滞りなく陽性者が入院出来るようにしているとのことだった。

 「待機者ゼロは。素晴らしい。群馬県としても、この取り組みはぜひ参考にしたい。」

 そう思って、担当課から墨田区に連絡を取ってもらった。その結果、入院先が決まっていたり、自宅療養の方針さえ決まっていれば、入院待機ゼロとして扱っているということが分かった。

 「なるほど。墨田区の転院調整の手法は、群馬県でも2月初めに議会で承認を得た補正予算の中に盛り込んでいる。が、学ぶべき点もあるな」と感じつつも、思わず、こう呟いてしまった。

 「墨田区と同じ考え方を当てはめるとすれば、群馬県も(かなり前から)『入院待機者ゼロ』を実現していることになる」と。

 群馬県の場合、新型コロナ感染者が判明すると、保健所が体調を確認し、医師が「その人の入院が必要かどうか?」を判断する。入院が必要と判断されれば、支度を調えもらい、早急に入院していただくことになる。

 新型コロナ向け病床稼働率が6割を超えていた時期でさえ(現在は2割台)、感染した方の入院先は、かなりスムーズに決まっていた。これまで一貫して、「遅くとも翌日には入院出来る状態」を維持している。これは、健康福祉部の努力と県内医療機関関係者の方々の協力のお陰に他ならない。

 群馬県は、毎日、18時時点での「入院調整中」の方々の人数を発表している。この数字(ここのところ30名前後)には、陽性が判明したばかりで医師による入院の必要性に関する判断がなされていない人、その日に支度を整えて翌日入院する人、症状が軽く年齢も若いので宿泊療養施設に入ってもらう予定の人などが含まれている。

 ちなみに、群馬県においては、基本的に「感染が判明した方々に自宅療養をお願いする」という考え方はない。実際、群馬県が発表している新型コロナに関する数字の中に、「自宅療養中」という欄はない。

 知事として、常に「出来るだけ正確な実態を県民の皆さんに伝える」ことを心がけている。だからこそ、入院調整中の感染者数は0人にはならないのだ。しかしながら、(もう一度言うが)墨田区の基準を当てはめると、群馬県でも「入院待機者ゼロ」の状況が続いているということになる。

 その意味で言うと、医療関係者との丁寧な協議を通じて「現実的に稼働可能な病床数」を発表している群馬県の「病床稼働率」は、かなり正確だと言っていい。群馬県庁が「出来る限り正直な数値」を県民の方々に公表していることは、ぜひ分かっていただきたいと思っている。

 墨田区の人口は約26万人。対して、群馬県の人口は約194万人だ。墨田区の7倍以上の人口がある群馬県が、墨田区を同じ成果を上げているとしたら、群馬も「相当に頑張っている」ということだ。そう言っても叱られないでしょう?!

 過去には、深刻な感染拡大が続いた時期もあった。今後もどんな展開があるかは予想出来ない。が、少なくともこれまで、群馬県で「入院が必要な方が、速やかに入院出来ない」(=何日間も自宅待機を余儀なくされる)という問題は起きていない。

 県民の皆さん、この点は、ぜひご安心をいただきたいと思います。

 さあ、運動の時間だ。今晩もアスリート並みの「肩甲骨」を動かさないと。
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  <秘書課職員の皆さんから今年の誕生日にもらったお箸とスプーン>



<今、最高にお気に入りの「鬼滅の刃」フィギュア>