2022年1月29日&30日

 1月30日の午前中。高崎の自宅で、パソコンのブログ更新画面に向かっている。昨日(29日)は、ブログが更新出来なかった。(無念)熱い紅茶を飲みながら、急いで2日分のブログを更新する。

 昨日は、夕方から1つ日程(政務)をこなし、夜には、メディア戦略アドバイザーと会った。来月から始まる「未来構想フォーラム」を含む幅広いテーマについて議論を交わした。

 このひとのアドバイザーとしての能力やバランス感覚は100%、信頼している。それより何より、どんな時も率直に意見を言ってくれる友人が近くにいるのは、とても有り難い。(感謝X10)

 群馬県のためになるなら、他の地域のベストプラクティス(好事例)は、喜んで取り入れる。が、「他の県知事はこうやっている!群馬県はどうだ?!」みたいなことを言われた瞬間に、興醒めする。

 柔軟であると同時に、誇り高き「独立自尊の群馬県」を目指しているからだ。少し背伸びをして視野を広げないと、「既存の発想」からは脱却出来ない!そうは思いませんか?!

 知事に就任してからの2年半、ずっと、こう思って来た。「かつての『二番煎じ』に終始するなら、知事になった意味がない!」と。ましてや、県内に「劣化東京」(東京にあるような流行りのもの(?)を真似て作った『本家より劣った施設や考え方』の総称)を持って来るのは最悪だ。

 知事の野望は、群馬県から日本を変えること。そのためには、新しい群馬モデルを次々に打ち出していく必要がある。群馬県独自の文化や土壌に根ざした政策を発信することが、群馬県の魅力や存在感をアピールすることに繋がるのだ。

 昨日(29日)、県内で確認された新型コロナの新規感染者は1,099人。再び、過去最多を更新した。最多の高崎市が260人、伊勢崎地区が176人、太田地区が167人、前橋市が144人。

 亡くなった方が2名(80代の男性と100代の女性)いる。心からご冥福をお祈り申し上げます。

 そもそも、日本国内の新型コロナの検査数は、欧米等に比較して圧倒的に少ない。日本の感染者数は、連日、発表されている数値より(実際は)「何倍も多い」と考えるべきだ。

 もっと言うと、各都道府県が毎日、発表している1日あたりの感染者数も、「どこまで正確なのか?」は誰にも分からない。そりゃあ、そうだろう。無症状で「感染に気がつかない人」が多いことに加え、「多少は症状があっても、検査を受けない人」が相当程度いるはずだもの。

 実際、周りでよくこんな声を聞く。

 「少し体調を崩しても、検査を受けるつもりはない。陽性と判断されて、何もいいことはない。仕事は休まなくてはならないし、皆からも白い目で見られる。」「オミクロン株はかかっても症状も軽い。暫く我慢すれば治るんだから、わざわざ調べる必要はない。そう考えるのが人間の心理だ!」

 そうした意見を聞く度に、「なぜ、検査をしてもらわねばならないのか?」を力説している。

 群馬県の「直近1週間の人口10万人あたりの感染者数」は、昨日時点で(3つか4つ上がって)全国で15位。この数字に関して、先日、「直滑降ブログ」の愛読者でもある某有識者から電話があった。次のようなアドバイスを頂戴した。

 「山本知事は、よく群馬県の人口比の感染者数について書かれていますが、あまり気にする必要はないんじゃないでしょうか。だいいち、この数字が各都道府県の実態を正確に反映しているかも分からない。一喜一憂しても仕方がないと思いますよ。」

 「多くの人が指摘しているように、大事なのは感染者数ではなく、病床使用率。特に重症患者の数です。知事も記者会見で言及しているように、入院と療養施設への入所と自宅療養のバランスを取りながら、医療の逼迫を防ぐことに力を注ぐべきです。」

 29日18時時点での群馬県の病床稼働率は56、1%。依然として高いレベルにある。新たな療養方針のもとで踏ん張ってはいるものの、ジワジワと上がり続けている。さすがにここまで感染者数が増えて来ると、病床使用率の上昇を止めることは出来ない。

 引き続き、あらゆる手段で、医療提供体制への影響を抑えていく。ちなみに、重傷者用の病床は5、4%。宿泊療養施設の稼働率は34、9%だ。

 更に正直な感想を言わせてもらうと、各都道府県が発表しているこの「病床稼働率」にも、疑問を抱いている。「本当に実態を反映しているのか?」と感じている。

 過去のブログでも触れた憶えがあるが、例えば群馬県では、スゴく真面目に「病床確保」の交渉を進めて来た。健康福祉部が各医療機関と丁寧に調整し、「必要な医療スタッフの確保が出来るか?」を十分、考えながら、病床数を積み上げて来た。病床の数だけ積み上げても、実際に稼働出来なかったら意味がないからだ。

 そのプロセスを目の当たりにしながら、「病床数を増やすのは、並大抵のことではない」と痛感している。過去に他県の知事が、「うちの県では、病床数を新たに数百、増やす方針を決めた」みたいなことを発表する度に、違和感を感じていた。

 「物理的に病床を増やすのは簡単だ。が、それだけの病床を稼働させるための医療スタッフを、本当に確保出来るメドがついているのだろうか?」「地元の医師会とは合意が出来ているのだろうか?」と思わずにはいられなかった。

 あ、気がつくと昼12時。シリアルとオートミールで栄養を補給する。この続きはその②で。