2022年1月3日:パート3

 夕方。高崎駅周辺のカフェで、パソコンを起動させた。昨年11月の衆院選挙(群馬選挙区)の分析に関するブログの続編を(サッと)終わらせてしまおう。

 自分自身の生まれ故郷である草津温泉(吾妻郡)を含む群馬5区では、小渕優子衆院議員(自民党県連会長)が圧勝した。優子さんの得票数は、125、702票。得票率は、76、6%だった。

 前回の知事選における山本一太の群馬5区での得票数は、120.510票。得票率は77.18%となっている。得票率では、まだ自分が僅かに上回っていると知って、改めて、こう思った。

 「やっぱり、生まれ育った地元の吾妻郡の得票率が高い。民主党の候補者と戦った国政選挙でも同じだ。この地域を、益々、大切にしないといけない!」と。考えてみたら、5区では最大の票田である渋川市も、高校時代の3年間を過ごした第2の故郷だ。

 何にせよ、今回の群馬5区の結果は、本当に嬉しかった。「選挙に強い小渕優子衆院議員」が復活したからだ。2017年の衆院選後の分析ブログでも触れたが、過去数回の選挙で、小渕議員の得票数は毎回、減少していた。そのことを、少し心配していた。

 例えば、前々回の小渕氏の得票数は、109、453票。得票率は64、95%まで、下がっていた。最新の総選挙では、前回と比べて、得票率が一気に10ポイント以上、跳ね上がったことになる。今度の圧勝は、優子さんの今後の政治活動にとっても、大きな力になると確信している。

 ただし、次のことだけは、書き残しておきたい。中、長期的に見ると、群馬5区は(自民党にとって)盤石とは言えない地域になる可能性がある。1ヶ月半前の選挙で優子さんが7割を超える得票を達成出来た最大の理由は、(優子さんの政治家としての魅力によることもあるが)共産党以外の候補者が出馬しなかったことが大きい。

 仮に、今回の選挙で群馬5区に立憲民主党(又は社民党?)の対抗馬が擁立されていたとしたら、間違いなく数万票は持っていかれたと考えるべきだ。実際、前回(2017年)の衆院選では、選挙戦の直前に立候補を表明した希望の党の候補者が、3万票以上を獲得した。簡単に言うと、自民党に対する批判票だ。

 生まれ育った場所だからこそ、住民の感覚がよく分かる。長年、自民党の牙城と言われ、極めて保守的だと思われているこの地域には、最近の自民党の姿勢に不満を抱いている人たちが、思った以上にいるのだ。

 前回(1年9月前)の県議選で、自民党の重鎮だった吾妻郡選出のあるベテラン県議が、政治とカネの問題で議員辞職するという事件があった。長年に渡って地元の発展に貢献したこの方が、その後、体調を崩して亡くなられたのは、本当に残念だ。改めて、ご冥福をお祈りしたい。
 
 が、それはそれとして、上記の事件に関して、「まだ十分な説明がなされていない」「ちゃんと説明責任を果たすべきだ」と感じている住民は、大勢いる。この事実を、決して軽んじてはいけない。自分はそう感じている。

 県内5つの小選挙区で全勝し、野党の現職が消滅したからと言って、慢心は禁物だ。自民党は、所属議員の一連の不祥事やスキャンダルにもっと真摯に向き合い、襟を正し、「党が変わった」という姿を、しっかりと有権者に示すべきだと思う。

 そうじゃないと、(何度も言っているように)どこかで「思わぬしっぺ返し」に遭うことになる。

 一見、盤石のように見える群馬5区のような選挙区であっても、次の国政選挙で「自民党批判の受け皿になるような候補者」が立候補した場合には、侮れない対抗馬になることを、肝に命じておくべきだ。

 次の知事選に立候補するかどうかは、まだ決めていない。が、今夏の後援会戦略会議で、2期目の立候補を表明するような流れになった時は、(知事として)「法律やルールを守って、真面目に生きている人たちがバカを見るような政治」の跋扈は、断じて許さないことを、県民の皆さんに真っ直ぐに伝えたいと考えている。

追伸:
1.今回の総選挙で、選挙が圧倒的に強いと言われる現職の自民党衆院議員たちは、どのくらいの得票率をマークしているのだろうか?ちょっとだけ、調べてみた。

 石破茂元幹事長は84、1%、河野太郎前ワクチン担当大臣は79、3%、小泉進次郎前環境大臣は79、2%、茂木敏充幹事長は77、4%だ。小選挙区で約8割の得票率って、本当にスゴい!!

2.年末のある会合で、優子さんと隣り合わせになった。今度の衆院選で、マスコミや自民党の世論調査が次々に外れたことが、話題になった。「知事、どこかで原因を分析してみてください!」と言われた。

 色々なデータを調べたり、マスコミ関係者から話を聞く中で、ようやく結論が纏まった。近いうちに、このブログで発信する。

3.群馬県選出の素晴らしい国会議員の人たちがいる。そのうちの2人は、与党(自民党)の幹部だ。これほど力強いことはない。知事として、「群馬県の発展のために、ぜひ力を貸して欲しい!」と思うのは当然だ。

 知事に就任して2年半、「地元の国会議員団を頼る必要はない!」などと思い上がっていたわけではない。ひとことで言うと、地元の国会議員の人たちに支援をお願いする暇も、何かを相談する余裕も無かったのだ。新型コロナから、豚熱、台風被害に至るまで、次々と襲いかかって来る難問を前に、「毎日が危機管理」のような日々が続いていた。

 誰かを通じてお願いするより、知事である自分が直接、旧知の安倍総理や菅総理、現職大臣や党幹部の人たちに働きかける方が早かった。それだけのことだ。

 が、今年は、かつての同志である国会議員の人たちに、もっと助けてもらおうと思っている。特に、県連会長である小渕優子氏には、色々なことを相談させてもらうつもりだ。優子さん、よろしくお願いします!!