2022年1月2日:パート2

 夕方。高崎駅周辺のカフェで、蜂蜜入りのロイヤルミルクティーを堪能している。今日は、「麻生副総理並みの低音」で喋っている。知事の変装は見破られていないはずだ。(…と思う。)

 三が日ということもあり、駅の周辺地域は、思った以上に賑わっている。家族連れの姿も目立つ。こうした光景を見ると、ホッとする。美味しいミルクティーを飲み終わる前に、本日2本目のブログを終わらせてしまおう。

 それにしても、現実の世界は、なかなか面倒臭いものだ。知事だからこそ知り得た「事実」を暴露したら、「政敵」だけではなく、大事な「味方」にも「副次的な影響」(英語で言うCollateral Damage)が及ぶ。

 もっと言うなら、自らの恥ずかしい過ちや失敗に関して真実を語れば、そこに関係する人たちにも、迷惑をかけることになる。どんな人も、常に他人との関わりの中で、生きているからだ。

 なるほど、「正直に生きる」のは、難しい。そもそも、この世の中に、「生まれてから一度も嘘をついたことのない人間」など、いるわけがない。誰もが「本音」を言い、心のままに行動したら、社会も組織も成り立たなくなるからだ。

 それでも、毎晩、寝る前に自分に、こう言い聞かせている。「出来る限り、真っ直ぐな気持ちで、日々を過ごしていこう!」と。亡くなった両親に恥ずかしくないように!!

 さて、ここからは、年末に掲載出来なかった先の(昨年10月末の)衆院選に関するブログの続編。前回の衆院選に関しては、群馬県の5つの小選挙区の情勢分析において、群馬3区だけが、終始、「与野党候補が互角の戦い」とか「伯仲した状況」などと報道されていた。

 いざ蓋を開けてみれば、自民党の現職議員である笹川博義候補(環境副大臣)が、前回の選挙で比例復活していた立憲民主党の現職候補を再び退け、4回目の当選を果たした。今回は、相手の復活当選も許さなかった。

 実は、今度の選挙戦で、知事である自分が一度も応援に入らなかったのは、群馬3区だけだった。シンプルな理由が2つある。最初から最後まで、笹川氏が必ず当選すると確信していたことと、陣営から特に応援の要請がなかったことだ。

 詳しい選挙結果は、ブログの末尾に添付した。今から2ヶ月前の笹川博義候補の得票数は、86、021票。得票率は54、6%だった。ちなみに、山本一太の前回の知事選における群馬3区の得票数は105.519票。同地域の得票率は、75.30%となっている。

 昨年末、仕事納めの28日に、わざわざアポを取って、知事室まで来てくれた笹川衆院議員と(久々に)言葉を交わすことが出来た。笹川議員は、過去1年、環境副大臣として着実に実績を上げていた。地元の要請にも、真面目に対応していた。

 思い返してみると、2年半前の知事選では、笹川氏に自民党県連執行部との最終的な調整を仕切ってもらう場面もあった。「なるほど、実務能力もある政治家なんだな」と思った。

 結論から言うと、(残念ながら)「笹川博義という政治家」の本当の実力や魅力が、十分、地元の有権者に浸透していないと感じる。例えば、前々回の衆院選での笹川氏の得票数は83,446票、得票率は 55、30%だった。

 実は、今回の選挙での数字(得票率54、6%)と比較しても、0、7ポイント下がっただけだ。得票数に関しては、前回よりやや伸びている。

 それでも、多くのメディアが、連日、「互角の戦い」「県内で唯一の接戦区」などと報じたのは、取材に入った記者たちが、そういう雰囲気を感じ取ったからだ。選挙区の有権者の間に、「今回、笹川候補は危ない!」「本人が、地元にあまり浸透していない」という認識が広がっていた。実際、大勢の人が、それを口にしていた。知事である自分の耳にも、届いていたくらいだ。

 僭越ながら言わせてもらうと、笹川博義氏は、この際、選挙戦略を練り直した方がいいのではないかと思う。忘れてならないのは、今回、戦った野党の現職が、厳密には「野党統一候補」ではなかったことだ。選挙戦が始まる前に、「連合」が推薦を取り消していた。

 今回、連合が野党の現職に対して前回の選挙と同様の支援を行っていたら、もっと得票差が縮まっていた(=更に追い詰められていた)可能性がある。加えて言うと、もし次の衆院選で、野党の前職より魅力のある「新たな候補者」が、真の野党統一候補として擁立された場合、又は自民党への不満の受け皿となり得る保守系のグループの推薦で出馬した時には、群馬3区が「ギリギリの接戦」になる公算は、かなり高いと見ている。

 あ、そろそろ戻って、夕食の準備を始めないと。