2021年12月12日:パート2

 夕方。高崎の自宅にいる。夕食の準備をする前に、本日2本目のブログを書く。

 新型コロナ感染症等に対する対応も含め、この年末年始は「苦しい日々」が続くだろう。どのみち、元旦は「ニューイヤー駅伝」の出発式で、スターターを務めなければならない。

 様々な事態を考えた結果、年末に、故郷の草津温泉で予定していた「休養&両肩のリハビリ治療」の計画は、断念した。(ため息)

 それでも、ここからの「辛い1ヶ月間」を乗り越えることが出来れば、あらゆる意味で「新しい1歩」を踏み出せると信じている。オミクロン株の出現も含め、人生には、いろいろと想定外のことが起こる。が、どんなことも前向きに捉え、窮地を切り抜けていく。危機的状況にあるからこそ、数少ない長所(?)である「ポジティブ思考」を、大切にしたい!

 何度も言うが、山本一太は(政治家としも、人間としても)、様々な失敗を繰り返しながら、生きて来た。が、自らの弱点や、過去の失態を一切、隠さず、等身大の姿を曝け出して生きていこうと決めている。

 それでも、多くの県民の方々から、「欠点だらけでもいい。ぜひ、群馬のために頑張って欲しい!」と思ってもらえるような知事でありたいと思っている。

 さて、ここからは、豚熱に関するブログの続編。12月2日付けの地元紙(上毛新聞)の社会面に掲載された「子豚へのワクチン接種」に関する記事の内容について、幾つか誤解を与えかねないと懸念する点を指摘しておく。特にこのブログに残しておきたいと感じるのは、次の4点だ。

(1)県が政府(農水省)に対して、適切なワクチン接種時期の明示をお願いし続けていること。

上記の記事にあるように、本年7月、農林水産省が従来の「日齢50日~60日」としていた接種時期の基準を「前倒しについて、より柔軟に対応することが適当」とする通知を発出したのは事実だ。

 もちろん、県側もこの方針を踏まえて、個々の養豚農家にアドバイスしていた。が、この記事だけ読むと、まるで「県が国の明確な方針を農家に説明していなかった」かのような印象を与える。でも、県の立場からすると、7月の通知により「政府から明確な方針が示された」とは捉えていない。これまでの農水省の支援には心から感謝しつつも、引き続き、国に対しては、科学的根拠に基づく指標と、それに基づく適切な接種時期を明確に示して欲しいとお願いしている。その点は、誤解のないように記しておく。

(2)政府の7月の方針を農家に通知しなかった群馬県の対応は、他の多くの養豚県と同じであったこと。

 茨城県では、「適切な接種時期」を判断するための独自の検査&分析が、早めに進んでいた。そのため、同県は、その時点での分析結果と7月に通知された国の方針を、農家に文書で知らせている。その上で、(同記事にもあるように)8月から、県内の養豚農家で、接種時期の一律前倒しを実施している。

 これに対して、群馬県では、農家に一律の対応を求めるのではなく、家畜衛生保健所を通じて、個別に対応するという方法を選んだ。茨城と群馬では、飼養頭数も、養豚農家の置かれた状況も違う。この時点では、そうする方が、逆に丁寧な方策だと判断した。

 

 後述する幾つかの理由で、群馬県独自の分析が遅れたのは事実だ。加えて、前回のブログ(その2)でも言及したように、県の「個々の農家に個別に説明しつつ、接種を進める」という県の方針を、7月の段階で、迷い苦しんでいる農家の人たちに(文書等を通じて)明確に伝える配慮が足りなかった。この点は、知事として率直にお詫びした。

 しかしながら、この記事の印象だと、7月の国の方針を文書で通知しなかった群馬県の対応そのものが、他の養豚県に比べて劣っていたかのように取られかねない。が、茨城県以上の飼養豚数を抱える隣県の栃木県を含め、多くのワクチン接種県は、政府の方針を文書で通知していない。基本的に群馬県と同様、「現場で対応する」というやり方で取り組んでいる。このことに関しても、正確な事実を書き留めておく。

(3)この記事の内容が、県と養豚農家との信頼関係を揺るがす方向に働く可能性があること。

 豚熱との戦いを乗り越えていくためには、県と養豚農家の協力・連携が不可欠だ。今回のシリーズで取り上げた地元紙の記事が、そんな意図を持って書かれたものだとは、毛頭、思っていない。が、結果として、「県と養豚農家との信頼関係を損ねる」方向に作用することを恐れている。事実、豚熱問題に必死に取り組んで来た農政部の職員は、唇を噛んでいた。彼らの気持ちも、良く分かる。

 さあ、急いで食事を作る。この続きは、続編(その④)で。次回のブログでは、上記の3点を、より詳しく解説する。