2021年12月9日

 23時過ぎ。運動を終え、何本か大事な電話をかけた。詳しいことは言わないが、どうも腑に落ちない。場合によっては、知事としての考え方を(このブログを通じて)内外にアピールする。「迷った時こそ、真っ直ぐに行く」のが、山本一太のスタイルだ。

 さて、ここからは、「子豚への豚熱ワクチン接種を巡る報道に関する感想①」の続編。県内5例目の豚熱発生を踏まえた緊急対策を発表した12月3日の定例会見の翌日(4日)、地元紙(上毛新聞)が、再び豚熱関連のニュースを大々的に報道した。

 今度は、「深刻 相次ぐCSF」の特集の続編として、第1面の左上段に大きく掲載。タイトルは、「全養豚場に消毒命令 県、離乳豚舎の防疫徹底」というもの。記事の途中にも、「情報共有『配慮足りず』知事が謝罪」という太字の見出しが使われていた。

 県の対応や知事の発言を、かなり正確に伝える内容だった。地元のリーディングペーパーを通じて、知事としての姿勢を発信出来たのは良かったと思う。

 この記事の中には、次のような件がある。

 「子豚へのCSF(豚熱)ワクチン接種の適期判断を巡り、山本一太知事は3日の会見で、県の対応方針について現場の養豚農家と十分に情報を共有できていない部分があり、不安を招いた恐れがあるとして、『どう対応するのか説明すべきだった。知事として考えが及ばず、配慮が足りなかった。率直にお詫びを申し上げたい』と謝罪した。」

 記事は、こう続く。

 「山本知事によると、県は7月中に農林水産省から、それまで推奨してきた生後50〜60日齢での接種からの『前倒しについて、より柔軟な検討が適当』とする事務連絡を受けた。事務連絡を踏まえ、養豚農家ごとに家畜衛生保健所を通じて個別に説明しながら、適期の判断を行ってきたとした。」

 「その上で、『(接種時期の判断など)個別に対応していくという県の当時の考え方を、文書で情報提供すべきだった』とし、『養豚農家の方々が不安になってしまったのだとしたら、私の責任』と陳謝した。」

 前回のブログ(その①)でも言及したが、群馬県は今月、接種の適期に関して、「30〜40日齢を推奨する」旨の方針を、文書で県内の養豚農家に通知した。県による母豚の抗体検査のデータの分析結果が、ようやくまとまったからだ。

 しかしながら、養豚農家に対する上記の通知のタイミングや方法についても、配慮が不十分だったと感じる。農家の人たちの苦悩や焦燥感を考えれば、少なくとも、もっと丁寧に中間の経緯を説明しておくべきだった。この点は、率直に反省している。

 過去のブログにも書いたが、メディアの役割は、権力(行政)をチェックすることだ。報道によって、初めて気がつくこともある。そもそも、完璧な人間も、完全な組織も存在しない。行政には、何か対処すべき問題や誤りが見つかった時には、それを正面から受け止める勇気と、問題点を改善していく謙虚な姿勢が必要だと考えている。

 が、それはそれとして、今回のブログシリーズで取り上げた12月2日付けの地元紙(上毛新聞)の社会面に掲載された豚熱に関する記事(「県が前倒し伝達〜1、2日 農家不満『遅すぎる』」)の中身に関しては、知事として、「どうしても指摘しておかねばならない」幾つかの問題点がある。

 次回のブログ(その③)では、そのことを詳しく説明する。こうやって、オープンに議論出来るのが、民主主義の真髄だ。