2021年10月20日

 昼12時過ぎ。知事室からのブログ。食後のお茶を飲みながら、パソコンのキーボードを叩いている。

 本日は、午前10時から庁議。秘書課や県土整備部と打ち合わせた後、午前11時30分からの臨時記者会見に臨んだ。昨晩、患畜が確認された豚熱発生の経緯と現状、今後の防疫措置の流れを説明した。

 加えて、新型コロナへの新たな対応として、「10月12日から県全体の『警戒度』を2に引き下げる方針」を発表した。もう少し詳しい会見の内容は、次回のブログで触れる。

 会見終了後は、令和2年度に出荷量全国一となった群馬のほうれん草と県内産の豚肉や人参等を使った「お切り込みうどん」の試食と動画撮影。これがスゴく美味しかった。テイクアウトの昼食を用意する手間が省けた。

 この後、13時30分から秋の関東知事会議がある。その後も、メッセージ収録や知事表敬等の日程が続く。今日もあっという間に、終わりそうだ。

 それはそうと、数ヶ月前から、県内に「群馬県県土整備部の当初予算の推移」なる図表が出回っている。参考までに、ブログの末尾に添付したので、見て欲しい。

 作成元も記されていないし、県が正式に受け取った資料でもない。どう考えても、この資料(怪文書?)の目的は、山本県政の公共事業に関する方針を批判することだ。

 しかしながら、この資料の内容は、かなり不正確で、かつ恣意的だ。例えば、この図には、「大沢県政の12年間で当初予算が着実に増加している」かのようなベクトルが記され、その実線が「山本県政になった直後から急激に下がった」かのような構図が描かれている。

 が、大沢県政下での当初予算額は、実は増えていない。初期は900億円だったものが、その後、800億円台で推移している。つまり、ベクトルは横ばいなのだ。これだけでも、「悪質な印象操作」だと感じる。

 その他にも、(1)当初予算と補正予算額のある瞬間だけを切り取って、予算の全体像を見ていないこと(2)山本県政になって当初予算が減ったことは事実だが、(年度途中に補正予算をしっかり確保し、令和元年の台風19号被害に対応したこともあって)決算額は、大沢県政時代を上回っていること(3)年度ごとの事業量の増減を問題にするなら、当初予算という瞬間だけを引き合いに出すのではなく、「年間を通じてどの程度の事業量が確保されているか?」(=決算額)を見るべきであること等々、指摘したい点は山ほどある。

 知事である自分がとても残念に思うのは、この図だけを見せられた人は、「山本知事は公共事業の重要性を理解していない。だから、公共事業関係予算を急激に減らそうとしている」とか、「建設関連産業を軽視している」と誤解する可能性が高いことだ。もちろん、そもそも作成者の狙いは、そこにあるのかもしれない。

 が、吾妻郡出身の知事として、公共事業の重要性は十分、理解しているつもりだ。建設関連産業も、そこに携わる人たちも、群馬県にとって「とても大切な存在だ」と考えている。そうじゃなかったら、全国の都道府県で唯一、建設関連産業の関係者をワクチン接種の「エッセンシャルワーカー」に位置付けたりするわけがない。そうでしょう?!

 何れにせよ、建設関連の人たちや県民に誤った印象を与える今回の出元不明の資料に関しては、関係部局に徹底した精査を指示した。精緻な反論を準備し、内外に発信するためだ。

 先ずは、建設関連業界の皆さんに、県の方針や知事の真意を理解してもらわねばならない。衆議院選挙が終わったら、丁寧に説明する機会を設けたいと思う。業界の方々の要望にも、真摯に耳を傾けるつもりだ。

 同時に、この怪文書(?)に対する反論をオープンに発信することは、新型コロナという未曾有の危機と戦っている県の厳しい財政事情、公共事業や建設関連産業に関する知事の考え方を、1人でも多くの県民の方々に「正確に理解していただく」ための絶好の機会にもなる。

 その意味で言うと、公共事業についての知事の方針は、(出来れば)定例の会見で発表したいと考えている。そうすれば、最近、視聴率の上がっている会見のyoutube映像にも残せるし、会見の議事録にも正式に記録される。

 加えて、出元不明の資料の分析と県の反論の内容は、このブログでもシリーズ連載する。そうすることで、(前述したように)建設関連産業の方々はもちろんのこと、多くの県民の皆さんに、県の置かれている立場、公共事業予算に対する知事の考え方、建設関係事業者の方々への思いを、知ってもらえるはずだ。

 このブログは、霞ヶ関の官僚や東京のメディア関係者の間でも、視聴率が高い。内外から、様々な意見や提案ももらえる気がする。同じ悩みや葛藤を抱える都道府県知事だって、きっといるに違いない。

 ということで、怪しい資料(?)の分析作業が終わったら、新たなシリーズ連載を始める。連載の目的は、知事が公共事業の重要性を認識していること、建設関連産業を軽視するつもりなど断じてないことを、内外に伝えることだ。

 併せて、建設分野以外のあらゆる産業とそれに携わる人々、県民全体の利益と幸福を考えねばならない知事としての立場にも、理解を求める。コロナ禍の厳しい財政状況の中で、どれほど真剣に知恵を絞り、必要な予算を確保するための議論を重ねているか?!その事実を、1人でも多くの県民に分かって欲しいと思っている。

 繰り返すが、知事でいることは、目的ではない。知事は、群馬県を良くするための手段だ。だからこそ、自分は、都合の悪い情報を隠したり、捻じ曲げたりしない。分かりにくい裏取引みたいなこともやらない。知事になった瞬間から、そうしようと決めている。

 山本一太を知事に選んでくれた県民の皆さんに対して、率直に真実を語る。その上で、その真実を踏まえた政策や構想を打ち出す。そうした施策を、最大限の説明努力を尽くしつつ、着実に実行していく。当然のことながら、その結果には、全て責任を持つ。

 県民の皆さんに、知事が抱える悩みや課題を包み隠さずに打ち明け、正直な思いを伝え、県民全体に考えてもらう。県民の本当の気持ちや願いを把握し、1人1人の県民を巻き込んで前進する。それが、山本県政のスタイルなのだ。

追伸:作成者不明のこの「群馬県県土整備部の当初予算の推移」なる図は、一体、誰が描いたのだろうか?犯人探しをするほどのことでもないが、県庁内で話題になっている。

 ひとことで言うと、「都合良く数字を切り貼りして、自分たちの意図に沿ったものを作成した」という印象だ。「恐らく、県職員のOB、それも県土整備事業に関わったことのある人だろう」というのが、もっぱらの見方になっている。

 

         <今、県庁内で話題の怪文書(?)>



<本日の臨時記者会見>