2021年10月17日:パート2

 22時。高崎の自宅で、パソコンを起動させた。熱いミルクティーを飲みながら、日曜日のブログを更新する。

 本日、県内で確認された新型コロナ感染症の新規感染者は3名。伊勢崎地区、桐生地区、館林地区が各1名だった。県内の感染状況は、依然として落ち着いている。何より、最も影響を受ける東京の感染者数が減っていることが大きい。

 だからこそ、今のうちに、次の波に備えた準備を整えておかねばならない。医療提供体制強化のための努力は、着実に続けていく必要がある。

 ここからは、「都道府県魅力度ランキング」に関するブログの続編。先週の会見でも言ったように、知事は冷静だ。少なくとも、「魅力度ランキングの結果に激怒した知事が、感情的に発行元を攻撃している」みたいな構図ではない。

 が、ランキングの問題点は、県民にも、国民にも、メディア関係者にも、ぜひ理解していただきたいと思う。「その3」も、淡々と書かせてもらう。

 某週刊誌から、電話で、魅力度ランキングについての取材の申し込みがあった。「県庁の秘書課に、ファックス等で正式な取材依頼の文書を送ってください」とお願いした。その内容を見た上で、取材に応じるかどうかを判断する。いつもと同じメディア対応だ。

 さて、ブランド総合研究所の田中社長が、複数のテレビ番組のインタビューで、「アンケートを実施して、その結果を公表するのは自由だ。これがいけないというのは、言論に対する圧力だ」という趣旨の発言をされていると聞いた。

 これが事実だとすると、明らかに「理論のすり替え」だ。自分は、「アンケートを調査して、その結果を発表する」こと自体が悪いなどとは、ただの一度も言っていない。そもそも民間企業の活動に、行政がいちいち口を挟むなんて(よほどのことがない限り)出来ないし、良くないと考えている。

 言うまでもないことだが、自分には、「誰かが自由に意見を言うことを抑えつけよう」などという意図は全くない。だいいち、民主主義の日本社会で、そんなことが出来るはずがないではないか。

 逆に言うと、知事である自分にも、おかしいと思ったことに反論する権利がある。「反論したら圧力だと決めつける」なんて、そっちの方がよほど恫喝的ではないかと感じてしまう。

 群馬県が問題視しているのは、毎年、発表されるこのランキングの内容が、「魅力度」を図る指標として、あまりにも根拠の乏しい、信頼性の低いものだという事実だ。

 そして、(いかに中身の薄い分析であったとしても)発信した結果に社会的影響力があるとすれば、発行元であるブランド総合研究所には、当然、それに見合った説明責任が伴う。

 群馬県は、この「魅力度ランキング」なるものを検証するチームを設置し、報告書を作成した。7月15日の記者会見で(この報告書で取り纏めた)幾つかの具体的な問題点を指摘している。が、こうした疑問に対して、ブランド総合研究所からの「説得力のある反論」は一切、聞こえてこない。

 群馬県知事である自分は、田中社長とのテレビ番組のインタビューを通じたやり取りとか、週刊誌上でのコメント合戦など求めていない。ブランド総合研究所からの「群馬県の批判に対する精緻な反論と説明」があれば、ぜひ聞かせていただきたい。

 過去のブログにも書いたように、世の中には、様々なランキングが存在する。それはそれでいい!もし、この「都道府県魅力度ランキング」が毎年、メディアで大々的に報道されるようなものでなかったとしたら、間違いなくスルー(無視)していたはずだ。

 メディアの影響力は絶大だ。その意味で、報道には大きな責任が伴うと思う。これまで、このランキングの問題点を指摘したマスコミが無かったことは、とても残念に思う。

 あ、そろそろ運動の時間だ。この続きは「その4」で。