2021年10月6日:パート2

 22時過ぎ。高崎の自宅で、パソコンを起動させた。

 マスコミ各社の世論調査で、岸田内閣の支持率が思ったより高くなかったことが話題になっている。個人的には、「ほぼ予想どおりだった」と感じている。確かに歴代政権発足時に比べると、低い部類に入るようだ。が、こんな数字に一喜一憂する必要はない。

 過去の総選挙でも、選挙前に政党支持率が高かった政党が敗北したことは、何度もある。逆もまた真なりだ。ただし、過去1ヶ月間、自民党が総裁選でメディアジャックに成功していた直後の数値であることを考えると、衆議院選挙を楽観視することは出来ない。自分はそう思う。

 そもそも、内閣支持率は発足直後(ご祝儀相場)の今がピークだ。ここからは下がっていくしかない。地元秘書たちからも、「自民党への風当たりが、思ったほど良くない」という報告を受けている。

 総選挙の日程が発表された後、かつての同僚たち(旧知の複数の衆院議員の人たち)から、選挙の応援要請が舞い込んでいる。具体的な名前は書かない。が、驚いたのは、改革派の若手だけでなく、山本一太よりずっと有名で、実力も人気もある大物議員からも、お誘いがあったことだ。

 応援弁士を頼むなら、国会議員を引退して(知事に就任して)2年以上が経過している山本一太のような「ちび政治家」より知名度があって、スター性のある政治家は、他にも大勢いるはずだ。

 にもかかわらず、知事である自分にまで声がかかる理由は、たった1つしかない。意外と多くの自民党議員たちが、地元の選挙情勢に危機感を抱いているからだ。

 知事に就任して2年3ヶ月の間、多くの政府関係者や自民党幹部の方々に、力を貸してもらった。そもそも、2年間でこれだけの数の現職閣僚に会った知事は過去にいない気がする。

 その中でも、特に恩義を感じているのは、安倍晋三元総理、菅義偉前総理、河野太郎行政改革担当大臣(ワクチン担当相も兼務)、西村康稔経済再生担当大臣、世耕弘成経産大臣(現参院自民党幹事長)、武見敬三参院議員(参院自民党副会長)等だ。

 加藤勝信前官房長官にも随分、無理して時間を作っていただいたし、デジタル化の推進に関しては、同い年の平井卓也前デジタル担当大臣にも、様々なアドバイスを頂戴した。豚熱の問題で、江藤拓元農水大臣に助けてもらったことも、決して忘れていない!

 山本一太が選挙区に入ったところで、大して役に立てないことは分かっている。が、群馬県が本当にお世話になった政府や与党の衆院議員の方々に対して、「少しでも恩返しをしたい」という気持ちがあることは事実だ。

 ここ数ヶ月の間、緊急事態宣言や蔓延防止等重点措置等の適用や解除にあたっては、西村康稔経済再生担当大臣(コロナ担当)と何度も協議を重ねた。西村大臣は(昔のよしみもあって)どんなに忙しい時も、丁寧に対応してくれた。このことを、とても感謝している。

 先般、内閣府の大臣室で西村経済再生担当相にお目にかかった際、「県知事として、大臣にはとても恩義を感じています。少しでも、恩返し出来ればと思っています。多少なりともプラスになるなら、次の衆院選挙では、(あまり役には立てないとは思いますが)ぜひ、選挙区に応援に行かせてください!」と申し上げた。

 その言葉を聞いた西村大臣が、真剣な表情でこう言った。

 「いや、知事、それは大変、有難い。ぜひ、どこかで、応援に来てください!」と。選挙日程が決定した翌日(?)に、地元事務所のスタッフから電話があった。「あ、一太さん。西村事務所から、電話で正式な応援要請がありました。どう対応したらいいですか?」とのこと。「何があっても行く。急いで日程調整を始めるように」と指示した。

 実は若手議員の頃、西村康稔氏の選挙区には、何度も応援に行った。遊説カーの中で、一緒にマイクも握った。今や、西村康稔のほうが、山本一太なんかより、ずっと有名だ。もともと、西村さんは選挙が強い。それでも、知事である自分の応援に価値を見出してくれていることが、スゴく嬉しい!

 何があろうと、無理やり日程を調整して、「兵庫県9区」には、必ず足を運ぶ。そして、「魂を込めた言霊」を炸裂させる!義理と人情を重んじる上州人(群馬県人)として、群馬県が受けた恩義を返さねばならない!!

追伸:菅前総理に応援を頼まれるわけがない。したがって、選挙では「兄貴」に恩返しは出来ない。が、これからも菅前総理との関係は、大事にしたいと思っている。

 え?河野太郎氏の選挙区に行っても、何の意味もない。万一、呼ばれても(100%、頼まれないと思うが)行かない。そりゃあ、そうだ。河野太郎は、今、国内で最も人気のある(=選挙に強い)政治家なのだ。仲間の応援のために、全国を飛び回ることになるはずだ。

 まあ、総裁選で精一杯、恩返ししたから、大丈夫だろう。(笑)

追伸:知事になってから、国会議員時代より何倍も忙しい日々を送っている。(ふう)その中で、県外の応援日程を組むのは、かなり難しい。が、それでも知恵を絞って、大事な同志たちを少しでも(微力ながら自分のやり方で)応援出来たらと思う。例えば動画のメッセージとか、ブログを通じての発信とか…。


      <どんな時も会ってくれた西村経済再生担当大臣>