2021年10月3日:パート2

 20時過ぎ。熱い紅茶を飲みながら、パソコンのキーボードを叩いている。

 岸田新内閣の陣容が固まった。群馬県を含む地方にとって重要なポストに、知り合いの若手・中堅議員の人たちが就任する。とても嬉しいし、心強い。

 先日、発表された党の新役員人事と併せて、岸田総理を支えるチームの顔ぶれが決まった。過去のブログにも書いたが、岸田新総理には、ぜひ頑張っていただきたいと思う。

 が、全体の布陣を眺めながら改めて思うのは、「国民的な人気の高い河野太郎氏が、党の4役にも、主要閣僚にも起用されなかったのは寂しい」ということだ。それより何より、発信力抜群の河野氏を「新内閣の顔」として活用しないのは、スゴく勿体無い気がする。

 何度も言うが、岸田総理には、(知事という立場からも)新型コロナを含む様々な難問を乗り越え、政治の安定を維持していただきたいと考えている。岸田首相なら、きっとやっていただけるとも。

 党や内閣の人事は、誰がやっても一筋縄ではいかない。岸田新総裁にも、様々な事情があるに違いない。それは、よく分かる。いろいろと考え抜いた人事なのだとも思う。総裁自身の「適材適所の判断」という言葉を否定するつもりもない。

 が、そうは言っても、今回の総裁選で河野太郎候補を最後まで応援した議員の人たち、河野候補に期待して1票を投じた党員の方々は、落胆している。

 岸田総裁が、「生まれ変わった自民党を国民に示す」というなら、全国の党員投票で1位を獲得した河野太郎氏を、もっと要のポストで活用して欲しかった。それだけで、新総裁の改革姿勢を内外にアピール出来たはずだ。

 ましてや、来月には、衆院選挙を控えている。「総裁選効果で十分勝てる」ということなのかもしれないが、油断や慢心は禁物。勝負はやってみないと分からない。考え得る最強のカードで臨むというのが、(どんな時も)「選挙に勝つための鉄則」なのではないだろうか?!

 それが、河野氏を本気で支持した人たちの共通の思いだ。そのことは、岸田総裁にも知っておいていただきたいと思う。

 今回のブログでは、自民党総裁選の「党員投票」について触れる。全国の都道府県で行われる党員選挙が、民意(世論)の影響を受けるというのは、紛れもない事実だ。が、だからと言って、勝敗を分ける決定的な要素ではない!

 自民党議員なら誰でも知っていることだが、党員票の4割は、いわゆる「組織票」(自民党と繋がりのある職域団体が抱える党員表)が占めている。それだけに、地方の党員選挙では、そうした職域団体の組織としての方針と党員への働きかけの密度が、大きく結果を左右する。特に、党員への電話作戦は、「やればやるほど効果がある」と言われている。

 例えば、前回(1年前)の総裁選における群馬県の党員選挙では、菅義偉候補(現総理)の得票が、石破茂候補(元幹事長)を上回った。幾つか理由はあるが、最大の要因は、菅候補への支持を正式決定した多くの派閥に所属する地元の国会議員が、手分けして、多数の党員を持つ職域団体への呼びかけはもちろんのこと、全県的に濃密な電話作戦を展開したからだ。

 今回の総裁選では、この点が、他の陣営(特に岸田陣営)と全く違っていた。河野陣営がやったのは、ぜいぜいオートコールによる党員への呼びかけ程度。ある陣営では、女性スタッフによる電話での丁寧な働きかけが行われていた。

 実際、あちこちで、こう叱られた。

 「知事が言うんだから、今回は、河野さんを応援したい。でも、岸田さんと高市さんの陣営からは、パンフや葉書が届いているのに、河野さんのところからは、何も送られて来ないよ。こんなので、大丈夫なのか?」と。

 結論から言うと、総裁選(特に地方の党員選挙)に勝つためには、それなりの準備とリソースが要るということだ。そのことは、河野太郎氏自身はもちろん、陣営の皆さんにも、ぜひ肝に命じていただきたい!

 河野太郎という政治家は、(山本一太が敬愛する安倍元総理、菅現総理、武見参院議員等とは違う意味で)実に魅力的な人物だ。40年近く付き合っている自分が言うのだから、間違いない。河野氏の人間性を、もっと大勢の仲間(国会議員)に知ってもらうことが何より大事だと思う。

 河野太郎氏には、政策の知識もあるし、事務処理能力もある。国際感覚は抜群だし、これからのリーダーにとって不可欠な「発信力」では、他の追随を許さない。実力だけで言えば、どんな閣僚だって十分、務まるだろう。

 だからこそ、これからは、「仲間づくり」に力を注いで欲しい。厳しい引き剥がしにあった苦しい総裁選でも、最後まで河野太郎を応援してくれた仲間たちを、大事にしてもらいたい。次の衆院選挙では、ぜひ、そうした人たち(特に選挙基盤の弱い若手議員たち)の応援に飛び回って欲しいと思う。

 新型コロナが収まったらの話だが、毎週、若手・中堅と食事でもしながら、懇談したらいい。河野太郎の真の人柄に触れたら、きっと皆、好きになってくれる。少なくとも、「憎めない」と分かる。「過激な革命児」ではなく、「改革マインドを持ったリアリスト」であることも、理解してもらえる。そうやって、仲間を1人1人、増やしていくことが肝心だ。

 今度の総裁選(都道府県の党員選挙)で、全国に山本一太が47人いたら、党員票は間違いなく7割近く獲れていたはずだ。河野太郎が総裁選への立候補を正式表明した直後に、何の逡巡もなく、いかなる批判や反発も恐れず、身銭を切って応援キャンペーンに突入する山本一太レベルの熱烈なファン(いわゆる「タロキチ」)を全国で20人、作れたら、党員選挙は必ず勝ち抜ける!そうは思いませんか?!

 あ、そろそろ運動する。今晩は30分、走ることにしよう。