2021年9月19日:パート2

 夕方。高崎の自宅にいる。少し前に、地元担当秘書が新しい電話先リストを届けてくれた。知事の電話作戦(河野太郎氏への応援要請)を再開する前に、本日2本目のブログを書く。総裁選シリーズの続編(その2)だ。

 自民党総裁選の開始前後(特に告示直後)から、連日のように行われている4人の候補者による合同記者会見やテレビ討論会を、ずっとフォローしている。ひと言で感想を纏めると、(過去のブログでも書いたように)「来月には総選挙というタイミングの中で実施された今回の総裁選は、政権与党である自民党をPRする最高の舞台になっている」ということだ。

 少なくとも群馬県内においては、中央の野党の存在感は、気の毒なくらい薄くなっている。「総裁選メディアジャック作戦」が大きな成果を上げているのは、最新の世論調査において、自民党の支持率が大幅にアップしているという事実からも明らかだ。

 考えてみたら、メディアが自民党総裁選を大々的に報道するのは、ある意味、当然とも言える。この総裁選は、(実質的に)次の総理大臣を決める選挙でもあるからだ。が、そのことを勘案しても、今度の総裁選は、思った以上の関心を集めているという印象だ。

 今回の総裁選の盛り上がりを演出している立役者が、それぞれ個性の違う4人の候補者であることは間違いない。24年間、自民党の国会議員として活動し、2年前から知事として仕事をしているベテラン政治家(?)の目から見ても、河野太郎氏、岸田文雄氏、高市早苗氏、野田聖子氏のパフォーマンスは素晴らしいと感じている。

 何より、この4人が立候補し、論戦を戦わせることで、国民や党員に対して、自民党という政党の持つ幅広さ、懐の深さ、多様性をアピールする絶好の機会を生み出している。

 4人の候補者の政策の違いを、このブログで細かく論じるつもりはない。が、それぞれの候補者の方々の主張や発言、政治家としての姿勢等に関する山本一太の率直な感想を記しておく。知事という立場だからこそ、冷静かつ客観的に見れる部分もある。

 岸田前政調会長は、さすがに安定感がある。もともと派手なパフォーマンスはやらないタイプの人ではあるが、政策の説明が丁寧だし、具体的だ。経済界の評価が高い理由がよく分かる。

 岸田氏の1つ1つの言葉に、真面目で誠実な人柄が垣間見える。が、今回、最も印象的なのは、岸田陣営の政策立案能力の高さと選挙への対応の早さだ。

 岸田さんの政策パンフを読ませてもらったが、とても良く練られた感じがする。岸田派には、「政策オールマイティー」と呼ばれる林芳正参院議員を筆頭に、政策通の国会議員がズラリと顔を揃えている。ここらへんは、さすがだと思う。

 もっと驚いたのは、選挙に向けた陣営の対応のスピードだ。他の候補者より、ひと足先に立候補を表明したという利点を生かし、(群馬県内でも)党員への働きかけ(電話やハガキ作戦等)を最も早くスタートさせている。

 群馬県では、知事である自分が、いち早く河野太郎氏への全面的な支持を表明。知事のスタンスは、地元紙等でも大きく報じられた。同時に、自民党県議団や県内の職域団体、自民党支持者の多い自らの後援会幹部等への呼びかけも(誰よりも早く)開始した。が、この動きが無かったら、「岸田陣営に押されている」雰囲気になっていたはずだ。

 加えて言うと、今回の岸田さんは、これまでと気迫が違う。少し前に、知事として平井卓也デジタル担当大臣と会談した際にも、早々に岸田支持を明言していた平井大臣が、こう話していた。「今回の岸田さん、スゴく力強いでしょう?今までとは違うよね」と。

 全く同感だ。「これが最後のチャンス」という、ある種の執念を感じさせる。河野太郎を応援する立場の自分から見ると、「岸田前政調会長の安定感と陣営の総合力に打ち勝つのは、並大抵のことではない!」と思わずにはいられない。

 さて、と。再び知事の電話作戦に戻る。次のブログでは、高市早苗元総務相について書く。