2021年9月3日

 昼12時前。先ほど、某テレビ番組のインタビュー取材を受けた。群馬県が20〜30代の若者層に絞ったワクチン接種促キャンペーンを始めたことが全国的に話題になっている。とてもいい傾向だ。引き続き、積極的に発信していきたい。

 テイクアウトのランチが届く前に、フルスピードで前回のブログの続編を書く。

 過去に経験したことのない急激な感染拡大に見舞われる中で、群馬県でも、これまでは設けていなかった「自宅療養」というカテゴリーを作らざる得なくなっている。が、前々回(?)の会見や以前のブログでも明言しているように、知事としては、あくまで「感染した全ての方々に対して、入院か宿泊療養のどちらかで対応する」という原則を、最後まで諦めずに貫いていきたいと考えている。

 群馬県では、今後も、次の3つの対応:(1)更なる病床の確保(2)宿泊療養施設の増加と機能の充実(3)ヒューマンタッチのきめ細やかなケア〜を通じ、「感染者全員を、入院か療養施設の滞在のどちらかに振り分ける」ための最大限の努力を続けることが重要なのだ。

 実際、県内の宿泊療養施設は、順次、増床を図っている。現時点では、ホテル療養が必要な方には、ちゃんと入所していただける状況にある。加えて、「健康観察センター」の開設により、自宅療養者に対しても、1日2回、連絡を取る等のきめ細やかなケアを実施中だ。こうした対策をより強化する方策に関しても、日夜、検討を重ねている。

 もちろん、このまま感染の急拡大が続き、入院や宿泊療養のプロセスが機能不全に陥る可能性(最悪のシナリオ)がないとは言い切れない。万一、そうした医療非常事態とも言うべき状況に陥った場合は、「野戦病院」のような対策も検討せざる得なくなるだろう。

 が、前述したように、現段階で、本県に「野戦病院」を設置することは考えていない。その気になれば、県内に臨時医療施設を開設し、病床を並べることは短期間に出来ると思う。それよりも、より多くの病床の確保や、宿泊療養施設における医療提供体制の強化に力を注ぐ方が先だ。

 繰り返すが、最近の議論を聞いていると、「野戦病院が問題解決の切り札になる」「野戦病院こそ良策だ」みたいな論調が目に付く。が、誤解のないように言っておくと、「あらゆる手段を講じて、野戦病院など作らずに済むような状態を維持する」ことこそ、知事が全力を上げなければならないことなのだ。そうでしょう?!

 そもそも「ハード(施設と病床)だけ用意すれば、万が一のことがあっても大丈夫」みたいなメッセージには違和感を覚える。県民に対しても、「誤った認識」を与えかねない。

 県民の皆さん、野戦病院を実際に設置しなければならない状況というのは、相当に深刻な事態なのです。群馬県は、その前の段階で、しっかり踏みとどまっています。

 引き続き、県内医療関係者等の皆さんのご協力をいただきながら、そうした事態を未然に防ぐためのあらゆる努力を積み重ねていく。県民の方々には、今後も「正確な事実」を伝えていくつもりだ。