2021年9月2日:パート2

 午前零時30分。大きく深呼吸をして、本日2本目のブログを書き始めた。

 本日の定例会見では、「臨時医療施設」(いわゆる野戦病院)に関する県の考え方を説明した。ブログの末尾に添付したスライドを見ながら、読んで欲しい。

 全国的な感染の急拡大に伴い、病床の不足、自宅療養者の増加が大きな問題となっている。大阪府や福井県などでは、医療機関に入院出来ないコロナ患者の人たちを受け入れるため、臨時の医療施設、いわゆる「野戦病院」を設置すると発表している。本県でも、市長会等から「野戦病院」の設置を求める要望を頂戴している。

 昨日のブログでも触れたが、「野戦病院を設ける」とは、体育館など病院以外のスペースに病床を設置し、入院医療を提供する仕組みを作ることだ。「1ヶ所に多数の病床を集中設置することにより、効率的に入院医療を提供することが可能になる」という考え方に基づいている。

 知事の感覚からすると、この種の「野戦病院」は、入院、宿泊療養が機能不全に陥った場合の「最後の手段」だと捉えている。そりゃあ、そうだろう。正規の医療機関が十分に機能しなくなっている非常事態だからこそ、野戦病院の設置をせざる得ない状況に陥るのだ。

 群馬県でも、医療提供体制の逼迫は深刻だ。入院や宿泊療養をめぐる体制が、厳しい状態に置かれていることも間違いない。が、群馬県は東京都とは違う。県内医療関係者の方々の昼夜を問わぬご尽力のお陰もあり、現時点で「野戦病院の設置」を検討するような段階には至っていない。

 いわゆる「野戦病院」を立ち上げるためには、場所の確保はもちろんのこと、医療従事者や医療資材の確保を含む様々な問題や課題がある。他県の例を調べてみたが、医療機器の確保や空調整備に1~2か月かかる場合もあると聞いた。そうだとすると、迅速な対応は難しい。

 加えて言うと、患者のプライバシーの欠如、トイレや入浴設備の不足など、通常の病院と比較した場合の生活環境の劣化という問題もある。

 最も重要なのは、野戦病院であれ、正規の病院であれ、医療施設として機能するためには、医療人材の確保が不可欠であるという点だ。もっと言うと、万一、人材を集められたとしても、「派遣元の医療機関の、医療提供機能が低下する」という問題が生じる。

 「普通の医療機関の病床が不足しているとすれば、どこかの場所に必要な数の病床(ハード)だけ整えれば、心配ない」みたいな単純な話ではない。そのことは、ぜひ県民の方々にも知っておいて欲しいと思う。

 さあ、運動して、熱いお風呂に入る。この続きは次回のブログ(その2)で。