2021年8月21日:パート2

 20時過ぎ。熱いミルクティーを飲みながら、本日2本目のブログを書く。

 午後、武藤健康福祉部長と電話で言葉を交わした。「新規感染者数が今のまま高止まりするのか、それとも更に増えていくのかは、まだ分からない。が、今後は1日あたり300人の陽性者が出ることを前提に、県の対応を練っていく必要がある」と伝えた。

 これまで経験したことのない急激な感染拡大をもたらしている第5波に対処するため、先週の会見で、患者療養に関する県の新たな方針を発表した。その後、方針の具体的な中身が固まりつつある。このブログでは、最新の検討状況を報告する。ブログの末尾に添付したスライドを見て欲しい。

 これまでは、患者の症状が「軽症又は無症状」であっても、重症化リスクが「中程度以上」の人には、「入院」をお願いしていた。が、今後は、「軽症又は無症状」で、重症化リスクが「中程度」の方は、「宿泊療養」での対応を基本とする。

 例えば、症状が咳や味覚・嗅覚障害のみ、または倦怠感のみの人で、年齢が75歳未満、または、肥満度が一定程度以下の方々に関しては、従来の「入院」から「宿泊療養」に変更する。

 次に、新たな療養形態となる「自宅療養」についても説明する。今回、新たに設ける「自宅療養」に該当するのは、症状が無症状で、重症化リスクが小さく、同時に「家庭内感染の恐れがない」人たちだ。

 例えば、(1)発熱や呼吸苦がない(2)食事が摂れている(3)2回のワクチン接種を受けている(4)基礎疾患があっても安定している〜ような人たちは、自宅療養の対象となる。ちなみに、「家庭内感染の恐れがない」「家庭内感染の恐れがない」人にあたるのは、1人暮らしの人、同居家族がいても患者専用の個室が確保出来る人等のことだ。

 「重症化リスク」に関しても、詳しく解説する。添付した2枚目のスライドは、入院等の必要性を判断する際に目安としている、「重症化リスクの評価項目」の一部を抜粋したものだ。

 例えば、「重症化リスク『大』」は、年齢75歳以上、高度の肥満、悪性腫瘍で治療中の人等が該当する。

 対して、「重症度リスク『中』」は、65歳から75歳の人で、38度以上の発熱が続いている、糖尿病などの持病を持つ人ということになる。

 最後に「重症度リスク『小』」は、基礎疾患があっても安定している、コントロールされている人のことを指す。

 こうした分類はあくまで、目安だ。最終的には、各保健所が患者の状態の全体像を評価し、保健所長が判断することなる。上述した基準は、過去の県内の症例や重症化リスクに関する知見を積み重ね、現場で使いやすいように整理したものだ。

 過去のブログでも強調したが、重症・中等症の人はもちろん、軽症であっても重症化リスクが高い人には、これまでどおり入院してもらう。この点については、ご安心いただきたいと思う。

 今後も、限りある医療資源を有効に活用し、医師会を含む医療機関等とも連携して対応していく。県民の皆さん、県の新たな方針に、ぜひともご理解、ご協力をお願い致します。