2021年8月19日

 午前11時過ぎ。知事室からのブログ。

 午前11時から議会運営委員会に出席。緊急事態宣言の適用に伴う補正予算案の内容を説明した。明日の金曜日に、臨時議会を招集させてもらう。

 国も群馬県もある種の非常事態にある。新たな対策を打ち出す度に、議会を開かねばならない。県議の方々には、その都度、負担をかけることになる。申し訳ないとは思うが、緊急事態宣言が出された際、議会での審議を省いて(専決等で)対応している都道府県も多い。

 そんな中、どうしても難しい場合を除いて臨時議会を開かせてもらうのは、県議会での議論(議会の承認プロセス)を重視しているからだ。その点は、議会側にも、きっとご理解いただけるものと思う。

 緊急事態宣言適用の初日となる明日(20日)は、県内で(久々に)街頭に立つ。くれぐれも「密」が生じないように配慮しつつ、県民に向けて直接、知事自身の言霊を放つ。もちろん、場所と時間を絞ってやるつもりだが、なりふり構っていられるような状況ではない。群馬県が危機的状況に直面していることを、あらゆる手段で県民に訴えていく必要がある。

 このブログでは、(改めて)「今回、なぜ群馬県が国に緊急事態宣言の要請を行わなければならなかったのか?」を説明する。

 現状では、「感染経路不明割合」と「重症患者数」を除く全ての指標が国の定める「ステージⅣ」の基準をケタ違いに超過している。こうした客観的な数値に加え、国への要請を決めた理由は、次の3つだ。

(1)デルタ株の蔓延に伴い、感染拡大のスピードが桁違いに速いこと。そのため、市中感染の広がりを制御出来ない危機的な状態が続いていること。

(2)本県がもっとも影響を受ける東京都や、隣県の埼玉県、栃木県においても、感染収束の見通しが立っていないこと。

(3)栃木県や茨城県の対応も踏まえながら、北関東3県で一体的な対応が必要な状態であること。

 上述した事情を総合的に判断しつつ、西村大臣に直接、群馬県の方針を伝えた。

 これまで何度も申し上げて来たように、知事としては、(可能な限り)「2度と強い経済制限措置には踏み込みたくない」という姿勢を取り続けて来た。その思いは、今も変わっていない。

 しかしながら、ここ数週間、「特に感染が疑われるような行動歴が見当たらない、普通の日常生活を送っているだけの人」でも感染するケースが急増中だ。加えて、爆発的な感染者の増加により、各保健所業務が逼迫している。感染経路を追い切れない状況になりつつあるのも事実だ。

 県内の最新の病床稼働率も、70%を超えている。万一、現在の感染状況(今のペースでの感染拡大)が続けば、一般の県民に対する医療サービスの提供に支障が出ることは間違いない。すなわち、救える命まで救えなくなってしまうということだ。

 この段階にまで至っては、強力な対策が不可欠だと判断した。緊急事態宣言の要請を含むあらゆる対策を打ち出していかない限り、新型コロナ(特に変異株の脅威)から、県民の生命、健康、暮らしを守ることは出来ない。「医療崩壊のシナリオ」が、現実の可能性として浮上しているのだ。

 緊急事態宣言を受けての詳しい要請の内容は、次回以降のブログで解説する。が、群馬県としては、現行の法体系下で取り得る「最大限の措置」まで踏み込んでいる。先行して緊急事態宣言が発出されている東京都等において、感染拡大が抑制されていないためだ。他県と同じ対応では、この「第5波」を封じ込めることは難しいと考えている。

 県民の皆さん、県内事業者の皆さんには、さらなるご不便とご負担をおかけすることになる。知事として、本当に申し訳なく思っている。が、ぜひとも事態の深刻さをご理解をいただき、感染防止対策にご協力をいただきたい。

 県民の皆さん、今までに経験したことのない第5波を乗り越えるために、引き続き、力を貸してください!この危機は「オール群馬」で突破していくしかありません!!