2021年7月19日:パート3

 23時30分。NBC等の最新ニュースを見ていたら、あっという間にこんな時間になっている。明朝は、早朝に起きて、右肩のリハビリ治療を受ける。急いで、「都道府県魅力度ランキング」に関するブログの続編(その2)を書いてしまおう。

 このランキングを検証した結果、ハッキリ分かったことがある。それは、「この魅力度ランキングなるものが、都道府県の『魅力度』を適切に反映した指標とは言い難い」という事実だ。そう結論付けた理由は、次の3点に集約される。

(1)魅力度を1つの項目のみで評価していること。
(2)回答に対する配点が不自然であること。
(3)下位の25県が僅かな点数内にあり、順位が容易に変動すること。

 先ずは、(1)の「魅力度を1つの項目だけで評価している」点について解説する。ブログの末尾に添付したスライドを見て欲しい。

 そもそも「魅力」とは、(辞書によると)「人の心を引きつけて、夢中にさせる力」のことを指す。地域の魅力、すなわち「人の心を引きつける力」をランキング化するのであれば、その地域の産業、観光、居住環境、食文化など、多角的な指標によって、総合的に評価すべきであることは言うまでもない。

 例えば、日本総合研究所が実施する「都道府県幸福度ランキング」においては、全国比較が可能な75にのぼる統計指標を用いて、総合的な幸福度をランク付けしている。

 これに対して、地域ブランド調査でも、84項目の質問を行なっている。にもかかわらず、「どの程度、魅力を感じますか?」という1つの質問のみで、地域の「魅力度」をランキングしているのだ。上述した多角的な指標による総合評価は、どこにも見当たらない。これって、スゴくおかしいと思いませんか?!

 特に驚いたのは、この調査において、対象の都道府県のことを「知らない」と回答した人に対しても、その都道府県が「魅力的かどうか?」という質問をしていること。そもそも、対象の都道府県を知らない人に対して、その「魅力」を質問すること自体に意味があるとは思えない。このことだけ見ても、このランキングの杜撰さがよく分かる。

 事実、今回、検証チームがアドバイスを求めた専門家からも、「そもそも群馬を知らない人に『群馬の魅力度』を尋ねることは意味がないのではないか?」「統計上、母集団から除くべきではないか?」等の指摘があった。

 さあ、熱いお風呂にサッと入って寝る。この続きは、「その3」で。