2021年7月18日:パート2

 22時過ぎ。熱い「お湯」を飲みながら、本日2本目のブログを書き始めた。明日は人間ドック健診の日。21時以降は、(食べ物はもちろん)ミルクティーも控えなければならない。

 さて、先週(15日)の定例会見では、昨年10月から県庁内で検証を行って来た「都道府県魅力度ランキング」の分析結果についても発表した。以前から予告していたように、この検証の内容は、直滑降ブログのシリーズ連載を通じて、丁寧に解説する。今回は「その1」だ。

 先ずは、「都道府県魅力度ランキング」の概要について書いておく。

 いわゆる「魅力度ランキング」と呼ばれているものは、2006年から「ブランド総合研究所」が実施している「地域ブランド調査」の中の、「魅力度」という1項目に関する調査結果を示したものだ。

 この「地域ブランド調査」自体は、インターネット上で行われる調査であり、84の項目からなる。このうちの1項目である「魅力度」だけが抜き出され、毎年「魅力度ランキング」として公表されている。

 同ランキングは、毎年、発表の度に各種のメディアに大きく取り上げられている。その意味では、「社会的影響力がある」と言っていい。

 事実、昨年、行われた栃木県知事選挙では、現職知事の対抗馬が、「選挙の直前に発表された魅力度ランキングで、栃木県が最下位になった」ことを引き合いに出した。このランキングの結果が、現職知事への攻撃材料として使われたのだ。

 さらに言うと、一昨年には、台風被害の直後に同ランキングが発表され、最下位となった茨城県の大井川知事が、「被災者の気持ちを考えれば甚だ遺憾だ」というコメントを出した。

 この知事発言を受けて、ブランド総合研究所が謝罪し、31位以下のHP上での公表を取りやめるという事態に発展している。検証作業を進める中で、茨城県をめぐるこのエピゾードを頭に浮かべつつ、こう思わずにはいられなかった。

 「この1年、各都道府県は、新型コロナ感染症と必死に戦っている。万一、この10月に発表されるランキングで最下位になった地域が直前に大きな災害に見舞われていたり、新型コロナ感染が深刻化していた場合、ブランド総合研究所は、同じように謝罪するのだろうか?」と。

 過去の会見でも申し上げたが、自分はこうした「社会的影響力があるランキング」を公表する以上、発信元であるブランド総合研究所は、「ランキング結果に関する客観的な分析や解説」を公表することはもちろん、「ランキングのもととなるローデータ」を明らかにするなど、影響力に応じて求められる説明責任・社会的責任を果たすべきだと考えている。

 例えば、昨年2020年のランキングでは、群馬県の順位は5つ上がり、40位となった。しかしながら、「順位が上昇した理由」を分析することは出来なかった。調査の基礎データが公表されていないからだ。

 社会的な影響力があるにもかかわらず、判断基準に関する責任責任が果たされていないこのランキングには、大きな疑問を抱かざる得ない。場合によっては、その地域の経済的損失にも繋がり得ることを考えれば、尚更だ。

 上記のような問題意識を踏まえ、昨年以来、専門家のアドバイスを得ながら、統計学的視点等から、庁内でこのランキングの検証を実施して来た。

 ちなみに、この調査は、例年6月から7月にかけて行われ、10月頃に結果が発表される。そのタイミングにあわせ、先週、検証の結果を公表させてもらうことにした。

 次回から、検証結果について詳細に解説していく。

 さあ、サッとお風呂に浸かって寝る。明朝は午前7時の出発だ。