2021年7月10日:パート3

 間もなく午前1時。ルイボスティーを飲みながら、本日最後のブログを書き始めた。

 新型コロナワクチン接種率では、国際的に先行するイスラエルや英国が、この段階で新たな拡大感染の波に見舞われている。その理由の1つが、従来のウイルスより感染力の高い(又はワクチンの効果が低減する)「変異株」の広がりであることは、間違いなさそうだ。

 先日も、複数の支持者の方から、こう言われた。「知事、群馬県内の変異株の状況は、どうなってるんでしょうか?心配なので、ぜひ教えてください」と。今回のブログでは、最近の県内における変異株の現状等を説明する。

 このブログの末尾に添付したスライド(感染状況の図)を見ながら、読んで欲しい。

 1枚目のスライド(図)の中に描かれた左側の棒グラフは、L4522R(エル・ヨンゴーニ・アール)変異株のスクリーニング検査の陽性率を週ごとに整理したものだ。「L452R」という変異を含むウイルスは3種類ある。が、本県のゲノム解析においては「デルタ株」のみが確認されている。

 過去の記者会見でも何度か言及しているが、このデルタ株は、従来のウイルスより、感染力が2倍近く高いと言われているものだ。

 上述したデルタ株が、県内で初めて確認されたのは5月下旬だった。そこから20日余りが経過した6月の中旬には、デルタ株による陽性率が5割近くまで増加していた。が、その後、この変異株の割合は下降傾向にある。

 ただし、油断は出来ない。「この変異株による感染率の低下は、新規感染者数自体の減少の結果。一時的に低くなっているだけだ」という見方もあるからだ。さらに言うと、右側のグラフのように、県内全ての地域でデルタ株感染が判明している。引き続き、警戒が必要なことはいうまでもない。

 次に、変異株の年代と推定感染経路についても触れる。こちらも、ブログの末尾に添付した2枚目のスライドに整理してある。

 年代別で見ると、20代から30代が6割を占めている。推定感染経路の分析では、多様な経路での感染が明らかになっている。

 現状では、(変異株も含め)県全体の新規感染者数を押さえ込むことが出来ていると言っていい。ただし、今後、夏休みや4連休の間に県外との往来が活発になれば、変異株が更に県内に入って来る可能性が高い。最も危惧しているのは、そうした変異株の拡散が大規模なリバウンドに繋がることだ。

 専門家の人たちも、この変異株による感染が主流になっていくと予測している。こうした事態を踏まえ、県としても、引き続き、感染者周辺の検査を積極的に実施していく方針だ。

 県民の皆さん、感染が拡大している地域への外出はもちろんのこと、どうしても感染リスクを高めてしまう「他県在住のご家族の帰省」にも、十分、注意していただくよう、お願いします。

 あ、お湯が溜まったようだ。サッと入って、素早く寝る。