2021年5月23日:パート2

 13時30分。少し前に、武藤健康福祉部長から報告の電話があった。本日、県内で確認された新規感染者は50名を超えているとのこと。昨日と同程度のようだ。

 地域によって、感染経路がほぼ判明している場所、逆に5割近くが不明となっている場所がある。冷静に分析しつつ、対応していきたい。

 武藤部長に、こう伝えた。

 「武藤さん、いつもお疲れ様です。先週、ようやく数値が下がったと思ったら、また高止まりの状態に戻っている。粘り強く頑張っていくしかないけど、やっぱり解決策は、ワクチン接種しかないですね」と。

 少し前のブログで、「県内の変異株が急増を続けている」と書いた。「これまでの通常のウイルスと違って、感染力の強い変異株は、僅かな隙も見逃さない」とも。

 県民の方々に、今まで以上の危機感を持っていただくため、今後、定例会見で、「県内で実際に発生した具体的な感染拡大事例」を、定期的に紹介していこうと考えている。

 先週の会見では、その第1弾として、本年4月から5月の間に本件で実際に起きたケースについて説明した。ブログ末尾に添付したイラストを見て欲しい。

 この事例では、ある会議が終わった後、10名程度の人たちが、焼き肉屋で会食を行なった。

 会食は、20時から始まり、深夜零時まで、約4時間に及んだ。さらに、その後、会食に参加した一部の人たちは、2次会にも行ったそうだ。

 この会食と2次会によって、当事者やその家族の方々のみならず、「2次会の店の従業員」まで感染が広がった。少なくとも、15名の陽性が判明している。

 誰が考えても、「飲酒を伴う懇親会」は感染のリスクが高い行為だ。お酒を飲むと、気分が高揚し、感染防止の意識や注意力が低下する。どうしても、マスクをしないで近距離で会話する場面が多くなる。

 加えて、聴覚が鈍くなることから、大きな声になりがちだ。集まった人数が多ければ多いほど、時間が長くなればなるほど、飛沫やエアロゾルによる感染のリスクが高まる。

 上記の2点については、県民の皆さんに、これまでも再三、注意をお願いして来た。それだけに、今回のような事例が発生したことは、残念でならない。

 自粛が長期間に渡る中、「少し羽を伸ばしたい」という気持ちになるのは、よく分かる。しかしながら、大多数の県民の方々には、日々、我慢をしていただいている。特に、医療現場の関係者の皆さんには、大変な忍耐を強いている。「一部の人たちの行動で感染が拡大する」ようなことがあれば、他の大勢の方々の努力が無駄になってしまう。

 繰り返すが、変異株は、私たちのわずかな隙も見逃さない。この際、県民の皆さんには、ぜひとも、今一度、コロナを「自分ごと」として捉えていただきたいと思う。その上で、ぜひとも、感染防止対策の徹底をお願いしたいのだ。

 前述したように、こうした感染事例は、(県民への注意喚起という観点から)今後も会見等の場で、定期的に解説していく予定だ。