2021年5月20日

 昼過ぎ。知事室からのブログ。

 目の前の2つの白いボードに掲載された新型コロナ感染症の最新状況に関する数値を見た。「直近1週間の10万人あたりの感染者数」は、全国18位。前日の17位から僅かに改善した。新型コロナ向け病床は、60%台半ばから、60,9%まで下がって来た。

 まだまだ予断は許さないが、頑張れ、群馬県。

 午前10時から群馬県豚熱(CSF)経口ワクチン対策協議会。知事、前橋市長、市役所の担当者、猟友会関係者等が出席。県としては、これまでも国の方針を踏まえて、経口ワクチンの散布を実施して来た。今回は、新たに赤城南面地域を経口ワクチン散布の対象地域に加えたいと考えている。

 ウェブ会議で参加していただいた専門家(農研機構畜産研究部門の上級研究員)から、イノシシの生態と経口ワクチン散布を通じたCSF対策の説明があった。これほど、イノシシの生態に詳しい人に会ったことがない。とても勉強になった。

 頭の中では分かっていたが、「野生のイノシシを家畜化したものが豚」という表現は、何か斬新な気がした。そう、基本的に同じ動物なのだ。

 ワクチンの散布地域や狩猟者の育成、ワナのデジタル化等、聞きたいことが山ほどあった。つい、矢継ぎ早に質問を浴びせてしまった。イノシシ博士は、1つ1つの質問に的確な答えを返してくれた。

 最後に、素人ならではの質問もぶつけてみた。

 「私は日頃から、自然の脅威は、自然の力で抑えたらいいのではないかと考えています。例えば、フィンランドのヘルシンキ空港のコロナウイルス検査は全部、訓練された犬がやっていると聞いています。イノシシの捕獲頭数を上げるために、もっと猟犬を活用したらいいのではないかと思うのですが、いかがでしょうか?」

 主任研究員のH氏からは、こんな趣旨の答えが返って来た。

 「例えば、アフリカ大陸などでは、大型の肉食獣(ライオン等)が生息しているため、野生イノシシの数は、自然にコントロールされています。が、日本は事情が違います。仮にオオカミがいたとしても、イノシシより小型なので、イノシシの方が強い。」

 「猟犬を活用する手もありますが、狩猟者にとってみると、手塩にかけて育てた猟犬がイノシシに殺されてしまう危険性もあります。なかなか難しいですね。」

 なるほど、イノシシ(成獣)は、大きくて強い。しかも、思ったより学習能力があるようだ。音や光には慣れてしまうとのこと。まさか、トラやライオンを飼うわけにもいかないし…。戦闘能力では犬種最強のトルコのカンガール・ドッグなら十分、戦えると思うが、世話が大変だろう。

 同じ会議に同席していた秘書課のO0係長に、こう指示を出した。「野生イノシシが、思ったより手強い相手だと分かった。00さんも、『どうやって野生イノシシを倒せばいいか?』を、突き詰めて考えてみてください。」

 15時から定例会見がある。「県営ワクチン接種センター(仮称)」の最新状況を報告する。

追伸:本日、県内で確認された新規感染者は61名。先週の木曜日(91名)より減少したものの、下げ止まり感は否めない。感染の内訳は後ほど。県民の方々への呼びかけを、更に強めていかないと。

         <豚熱(CSF)経口ワクチン対策協議会>