2021年5月8日

 14時過ぎ。高崎の自宅からのブログ。

 少し前に、武藤健康福祉部長から電話があった。本日の新規感染者は、113名。過去最多となった。内訳は、高崎市が33名、伊勢崎市が29名、前橋市が22名。この3地域でだけ84名。全体の7割以上を占めた。

 経路不明は4割。年代別で言うと、20歳〜49歳が半分。高齢者は24%だった。

 これまでの流れから考えると、明日(日)も、今日と同じレベルの感染者数が続く可能性が高い。問題は来週の火曜日以降の数字だ。

 各地域の状況を冷静に分析し、対策の強化を図っていく。病床稼働率と県内各地の保健所スタッフの負担増が心配だ。来週のどこかで、知事と保健所長との7回目(?)の意見交換会をやりたいと思う。

 火曜日の数字を踏まえて、県の専門家危機管理チームや県内医療関係者から意見を伺う機会も設けたい。西村大臣とは昨日、電話で言葉を交わした。これまで群馬県が、蔓延防止措置や緊急事態宣言には頼らない形で踏ん張って来たこと(=先ずは県として出来ることを全力でやって来たこと)は、西村大臣にも十分、理解していただいている。

 「明日(日)も100を超えるレベルになる可能性があります。ずっと頑張って来ましたが、来週前半の状況によっては、必要な措置をお願いする場合もあります。その時は、ぜひよろしくお願いします」と言っておいた。

 西村大臣も河野大臣も、毎日、死ぬほど忙しいはずだ。でも、必要な時は、いつも時間を取ってくれている。こちらからの携帯メールにもすぐに返事をくれるし、何かあると、向こうからも声をかけてくれる。

 この危機的状況において、知事(=群馬県)がこんなにお世話になっている。このことは、決して忘れない。お2人の閣僚には、県民を代表して、感謝を申し上げたい。西村さん、太郎ちゃん、どこかで、必ず恩返しをさせてもらいすから、ね。

 さて、昼過ぎに街に出た。高崎駅の周辺を30分ほど視察した。今日の人出は、先週末より明らかに少ない。恐らく半分以下まで減っていたと思う。

 連日、高崎市内で最多の感染者が出ているせいなのか?それとも、昨日の知事会見で、「県内の感染拡大の状況は、これまでで最悪。危機的状況だ」と訴えたことが(少しは)効いているのだろうか?富岡市長も、(市民に対して)感染防止対策の徹底を懸命に呼びかけている。その影響もあるかもしれない。

 市内のマスク装着率は100%。時々、自転車に乗った鼻マスクの男性を見かけるものの、マスクに対する意識は高い。大型商業施設や駅周辺の店舗も覗いてみたが、(ここでも)お客さんは、先週末に比べてずっと少ない。若者が多いのは、先週と同じだ。

 あ、お湯が沸いた。熱いミルクティーに蜂蜜を入れて飲む。

追伸:大学時代、とても尊敬している人物がいた。某大手新聞社の政治記者だったその人は30代前半。いつもギラギラしていて、獲物を狙う鷹のような目をしていた。その反面、ウィットがあって、笑顔がチャーミングだった。

 このひとの書く文章が好きだった。他の人にはない切れ味と深みがあった。簡潔でインパクトのある言葉の使い方にシビれた。「こんな文章が書けたらいいのになあ」と憧れた。

 とにかく、カッコ良かったのだ。米国留学中に、自分が(若気の至りで)「ジャーナリストになろう」などという間違った目標を持ってしまったのは、どう考えてもこの人のせいだ。(苦笑)後年、ニューヨーク支局長まで務めたその人が、当時のことを振り返って、こうつぶやいていた。

 「あの頃の僕は、24時間、新聞記者だったなあ」と。

 高崎の街を歩きながら、この言葉を思い出した。「気がつくと、山本一太は今、24時間、知事をやっている」と思った。「仕事は全人格をかけた勝負だ」という言葉も大切にしている。実際、朝から晩まで、群馬県のことしか考えていない。今日も朝から街の様子が気になっていた。

 自分が知事をやれる時間は限られている。1日1日が真剣勝負だ。その限られた時間の中で、知事という手段を最大限に活用し、1つでも群馬県のためになることを成し遂げたい。明日からも全力疾走の日々が続く。

 次回のブログでは、県営ワクチン接種センター設置に向けた現状と今後の方向性について説明する。

<県内の感染状況(昨日時点)は過去最悪のレベルまで悪化>