2021年5月1日:パート2

 

 22時過ぎ。熱いミルクティーを飲みながら、本日2本目のブログを書く。

 今回のブログでは、群馬県が戦っている「もう1つのウイルス(豚熱)」を取り上げる。このウイルスも、新型コロナに負けないくらい手強い相手だ。

 県内での2度目の豚熱(CSF)発生を受け、群馬県では、政府がこの4月に創設した「知事認定獣医師制度」を、全国に先駆けて導入すると表明した。

 現在、群馬では、飼養豚への豚熱感染を防ぐ手立てとして、毎月10万頭以上の豚に対するワクチン接種を実施している。子豚への接種は、生後50〜60日の適切な時期にやらなければならないため、本県では獣医師が月2回以上の頻度で農場を訪問し、ワクチンの接種を行なっている。

 このシステムを継続するためには、県職員である家畜防疫員だけでは人手が足りない。民間の獣医師の方々にも「接種に従事してもらえる」態勢を整える必要がある。

 群馬県は、より適時にワクチン接種が出来る体制を構築するため、「民間獣医師が、家畜防疫員にならなくてもワクチン接種に対応可能な制度」の改正を政府に要望して来た。なかなか動かなかったこともあり、知事である自分から、参院時代の仲間でもある野上浩太郎農水大臣に(2度に渡って)新制度の創設を強くお願いした。

 この働きかけが功を奏し、本年4月に「知事認定獣医師制度」が創設された。野上大臣の英断に、心から感謝を申し上げたい。

 この流れを踏まえ、群馬県では、全国でいち早くこの制度の導入を決定した。背景には、全国有数の養豚県である群馬で「3例目の豚熱は絶対に出さない」という強い決意がある。

 この新制度を通じ、今後は、家畜防疫員に加えて、民間獣医師の皆様にも接種を行っていただけるようになる。つまり、より適切なタイミングでのワクチン接種が可能となるということだ。

 加えて、家畜保健衛生所職員の負担軽減により、農場への衛生管理指導もこれまで以上に強化することが出来るはずだ。

 今後、新制度の運用開始までには、国との協議や条例改正が必要となる。が、養豚農家の皆様の不安を解消するため、1日でも早い運用開始を目指したいと考えている。

 これまで何度も指摘して来たことだが、ワクチン接種は豚熱の発生予防に有効な手段ではあるものの、これだけで感染を防げる訳ではない。農家の方々には、引き続き飼養衛生管理基準の遵守徹底をお願いしたいと思う。

 今回、2例目の豚熱の発生を踏まえて、より効果的なワクチン接種対策を発表した。近いうちに、「飼養衛生管理基準の遵守徹底」や「野生イノシシ緊急対策」に関するデジタル化の取り組みについても公表出来るだろう。

 さあ、今晩は早めに運動する。明日は午後から県庁に出勤する予定だ。