2021年4月26日:パート2

 19時30分。少し前に、意識を取り戻した。テレビで5Gの特集を見ているうちに、眠り込んでしまったようだ。熱いミルクティーで眠気を覚まして、と。急いで本日2本目のブログを書く。

 本日、県内で判明した新規感染者は30名。最多が高崎市の8名。次が前橋市の7名。経路不明の割合は5割。思わしくない傾向だ。60代以上の陽性者数は7%まで下がっている。
 
 常々、「日々の数字には一喜一憂しない。全体の傾向を見る」と言い続けて来た。が、この1週間、1日あたりの新規感染者数が、ずっと30名を上回っている。しかも感染経路不明が5割近くまで上がっている。

 この流れだと、今週中に、曜日の過去最多数を記録する可能性もある。今後の展開によっては、警戒度の引き上げや時短要請の再開を早々に検討せざる得ない状況に直面するかもしれない。冷静に受け止め、かつ迅速に行動する。

 さて、午後からも、公共事業予算や豚熱ワクチン問題等に関して、真剣な議論が続いた。夕方。県庁を出て、前橋市内の群馬建設会館へ。青柳剛 群馬県建設業協会長を訪問。こちらから足を運んだ。約40分、公共事業予算の現状と展望について「1対1の議論」を交わした。

 青柳会長は、全国建設業協同組合連合会も兼任。今後の建設業のあるべき姿、未来像に関して、これだけ明確なビジョンと理念を持つひとは、全国を見回しても、なかなかいないと思う。群馬県の建設業界が(様々な面で)最先端を走っているのは、青柳氏が会長だからだ。

 青柳会長の「来るべき時代を睨んで、筋肉質の業界を作ることが不可欠」「限界工事量という哲学がカギになる」という分析や発想にも、説得力があった。とても勉強になった。

 「知事 山本一太」は、群馬県草津町(草津温泉)で生まれた。草津は吾妻郡の一部。山間部の出身だからこそ、地方における公共事業の重要性は良く分かっているつもりだ。加えて、地域によっては、雇用の受け皿としての役割も果たし、治安の維持にも貢献している建設業の存在も重視している。

 建設業協会の皆さんには、大雪対策(除雪等)や豚熱の防疫措置等でも、毎回、ご協力を頂いている。知事として、改めて感謝を申し上げたい。

 が、だからといって、今後、群馬県の公共事業予算を右肩上がりに増やしていくことは出来ない。理由は明確。県の財政全体が逼迫しているからだ。それは、どの都道府県でも同じだと思う。

 県議会に全会一致で議決してもらった「新たな10年間の県土整備プラン」の中で、次の10年でやるべき災害対策を含む諸事業を網羅し、全体の事業総額を定めた。この総額の枠を維持することは至上命題。そうじゃないと、健全化にようやく一歩を踏み出した財政は、再び(更に)悪化する。万一、財政が破綻すれば、既存の事業を中止したり、県民に必要なサービスを提供出来なくなってしまう。

 ましてや、新型コロナウイルス感染症との戦いが長期化する中、県民の生命と健康、暮らしを守るための新型コロナ対策関連の予算を確保するためには、財政調整基金を少しでも積み上げていかなければならない。財政規模の比率から見ると、群馬県の財政調整金は全国でも40位以下なのだ。

 県(知事)として考えねばならないのは、上述した県土整備プランで想定する10年間の予算総額の範囲内で予算の平準化を図り、あらゆる知恵を絞って県全体にバランス良くリソースを配分することだ。それが地域の建設業を守ることにも繋がる。

 同時に、県庁内で「建設業界の未来への希望をどう創り上げていけばいいのか?」を真剣に議論する。早速、県の政策アドバイザーにも検討をお願いした。青柳会長にも、お知恵をお借りしたい。

 何度も言うが、建設業はとても大事だと思っている。が、知事として、建設業以外の産業も守らねばならない。県民全体の幸福を考えねばならない。そのことを、ぜひ、県民の皆さんに、分かっていただきたいと思う。

 県土整備部に、公共事業予算に関する県の方針を纏めた資料の作成を指示した。先日、地元紙(上毛新聞)に掲載された県建設業協会のアンケート結果も踏まえつつ、建設業界の方々に県(知事)の考え方を丁寧に説明していきたいと考えている。必要があれば、知事自らが地域に出向いて、関係者に語りかけるつもりでいる。

 場合によっては、知事の定例会見でこの問題を取り上げ、スライドを使ったプレゼンをやらせてもらう。建設業界の方々に理解してもらうだけでなく、県民1人1人に「公共事業予算」の問題を考えて欲しいからだ。その時は、このブログにもシリーズ連載を立てる。

 難しい時ほど、ど真ん中の直球で勝負する。最も大事なのは、県民に「包み隠さず、真実を語る」ことだ。

 さあ、今晩は早めに運動する。先ずは、右肩のリハビリ運動からだ。

   <青柳建設業協会長との40分の議論。時代の先を読む感性に感銘。>