2021年4月8日

 午前10時過ぎ。知事室からのブログ。少し前に、秘書課長や副知事と話をした。次の日程まで、まだ時間がある。出来る時に、しっかりブログを更新しておこう。

 知事室のホワイトボードで、最新の新型コロナ感染状況に関する数値を確認した。昨晩の時点で、1日あたりの新規感染者数は21、3人。目標の20人未満を少し上回っている。それでも、直近1週間における10万人あたりの感染者数では全国24位。他の地域が、群馬県以上に多くなっているということだ。

 最も重要な指標である病床稼働率は22、7%。療養宿泊施設の稼働率は9、1%。PCR検査の陽性率は3、5%。重症者は4名。全体として言うと、何とか想定した枠内(ギリギリ)で、感染をコントロール出来ている状態だ。頑張れ、群馬県!

 今朝は、高崎の自宅から前橋市内の病院に直行。右肩のリハビリ治療を受けた。少しずつでも、改善が見られるのは嬉しい。これから午前、午後と表敬訪問や辞令交付、打ち合わせが続く。15時からは定例記者会見。夕方には、32階のスタジオ「tsulunoss」で、知事の2つのメッセージを収録する。今日も1つ1つの仕事に全力を尽くす。

 それはそうと、県内で再び官製談合事件が起こった。昨日、前橋市の職員ら3人が、公共工事をめぐる官製談合の疑いで逮捕されたのだ。県警には、厳正な捜査と事件の全容解明に力を注いでいただきたいと思う。

 高崎市、沼田市に続いて前橋市でも、職員の逮捕者が出た。いくら何でも多過ぎると感じているのは、自分だけではないはずだ。県民の皆さんの「またか」という溜息が聞こえて来る。

 この事態を受けて、山本龍前橋市長が昨日の緊急記者会見で謝罪。同時に、「不祥事を綱紀粛正の契機として、市にはびこる癒着体制を一掃する」と明言した。

 山本市長も危機感を持って、受け止めているはずだ。某県議が市議選で現金を配った問題に続き、県都前橋のイメージを大きく傷つける事件だもの。ほとんどの前橋市職員の人たちは、真面目に仕事をしているに違いない。が、ごく一握りの人間の行動が全体の印象に直結する。何ともアンフェアな話だ。

 

 何れにせよ、今回の事件は、「スーパーシティー」を目指す前橋にとっては大きなイメージダウンだ。こういうことが積み重なると、ボディーブローのように効いて来る。油断しない方がいい。

 昨日、この事件をスクープした地元紙の報道を踏まえ、同日の庁議の知事挨拶の中で、幹部職員にこう呼びかけた。

 

 「皆さん、今回の事件は、県にとっても他人事ではありません。我々も襟を正していきましょう」と。

 もちろん、真面目な群馬県の職員が何かの不正を働いているなどとは、全く思っていない。同じ目標に向かって頑張っている職員の人たちを100%、信頼している。が、県職員がこうした事件に巻き込まれないための何らかの仕組みを整える必要性を(改めて)痛感した。2人の副知事や総務部長とも、よく相談してみよう。

 県内で頻発するこの種の不祥事の背景には、地方政治に根強く残る「利権と癒着の構造問題」がある。自分が、知事として繰り返し警鐘を鳴らしている「政治とカネ」の問題も、根っこは同じなのだ。

 庁議では、こんな言霊も放った。

 「皆さん、細かいことは言いません。が、なぜ知事である自分が、あれほどしつこく政治の透明性が必要だと訴えて来たのか?!前橋市のイメージを心配していたのか?!その理由を、良く分かっていただけたと思います。」