2021年4月6日:パート5

 

 間もなく21時。高崎の自宅で、パソコンのブログ更新画面に向かっている。終日、小刻みに短いブログを連発している。就寝前に、何とかあと2本、書きたいと思う。

 過去のブログでも触れた憶えがあるが、自分の胸の中には、「激しい闘争心」が眠っている。恐らく、叩き上げの党人派政治家だった父親から譲り受けたDNAだ。

 その闘争本能は、そこらへんの、実は気の弱い(=誰かと本気で戦う覚悟もない)若手議員が、自分より弱い立場の人間に(自己防衛本能で)凄んだりする「見掛け倒し」の恫喝とは違う。

 もっと実体的で、実際の行動を伴う「本物の激情」だ。本当にスイッチが入ると、損得抜きで暴走してしまう、厄介な代物でもある。

 知事就任以来、こうした「激情」を見せないように注意して来た。交渉や調整の中で怒ったふりをしたことはあっても、激しい怒りを剥き出しにするような場面はなかった。

 しかしながら、今晩、あるメモを目にして、(久々に)本気で激昂した。言葉が怒りで震えた。短い間だったが、溢れ出る感情を止めることが出来なかった。

 群馬県庁は、今、豚熱の防疫対策に全力を注いでいる。先週末までは農政部の職員が中心だったが、週明けから全庁的な動員をかけた。今日も大勢の県職員が、慣れない豚の殺処分の作業に従事している。

 特に、畜産課のスタッフの忙しさは半端ではない。週末の休みも返上して、現場で豚熱の対応に追われている。群馬県の養豚業を守るため、必死に頑張っているのだ。知事である自分以上に、そのことが分かっている人間はいない。

 そうした職員たちの努力や気持ちを考えると、激しい言葉を抑えられなかった。「断じて許せない(怒X5)」と感じた。「相手の立場や気持ちを全く考えていない発言だ(怒X10)」とも。

 が、怒りを爆発させた直後に、深く反省した。感情をコントロール出来なかったことを、恥ずかしく思った。何より申し訳ないと思ったのは、いつもお世話になっている大事な先輩に迷惑をかけてしまったことだ。

 少し前に、その人に電話をかけ、お詫びした。「別に先輩のせいではないのに、つい興奮して、無礼なことを言ってしまいました。本当にごめんなさい」と。

 それでも、なぜ、自分がここまで怒ったのか?その理由は分かっていただけたと思う。他人の気持ちが分かる、優しい人だもの。(感謝)

 さあ、今晩も運動する。辛い右肩のリハビリ運動もやらないと。(ため息)その後で時間があれば、高崎経済大学入学式の祝辞に関する続編を掲載する。

追伸:
1.もちろん、県の職員に対して怒ったわけではない。仲間の立場が分かるからこそ、激怒したのだ。が、「激昂の現場」を目撃した新しい秘書課長が、戸惑いの表情(?)を隠さなかった。

 あーあ、秘書課長や係長に、「何て怖い知事だろう」と思われたら嫌だなあ。(苦笑)自分は、理由がなければ、絶対に怒ったりしない。その点は、誤解なきようお願いします。

 国会議員時代の古参の秘書たちに聞いてもらえれば分かる。自分で言うのも何だけど、気難しい性格ではない。1日の9割くらいは、ご機嫌の状態だ。さらに言うと、地元秘書たちは、思ったことを平気で口にする。いろいろ耳に入って来る話を総合すると、他の政治家はそうでもないらしい。

 幸か不幸か、何かの理由で怒っても、すぐご機嫌が直る質だ。こちらが間違ったと思った時は、誰に対しても素直に謝る。ここらへんが、東京の友人たちに「6歳児みたいだ」と言われる所以だ。

2.19時。群馬県養豚協会の会長に電話した。県内の養豚農家の人たちも、不安な日々を過ごしているはずだ。知事として、現場の声にもよく耳を傾ける必要がある。近いうちに、養豚関係者の方々の意見を聞く場面を設けたい。