2021年1月17日:パート3

 

 20時過ぎ。MSNBCの最新ニュースを見ながら、パソコンのキーボードを叩いている。

 先週(13日)の定例会見では、別の記者からこんな質問も出た。

 「今の政府の対応に関して、戦力の逐次投入ではないかとか、後手後手に回っているとかいう批判があります。山本知事はこの点についてどう思いますか?」

 次のように答えた。

 「私自身は、そんなふうには捉えていません。政府としては、感染拡大防止を図りつつ、経済へのダメージも抑えていく必要があります。そのために、感染が広がる地域を対象に緊急事態宣言をかけ、より厳しい措置を講じる。その考え方は、理解出来ます。そもそも、(以前から指摘しているように)今回の新型コロナ感染症は、誰も想像しなかった未曾有の試練です。何をやっても批判されるし、正解はありません。全ては結果論ではないでしょうか?」

 「今、知事(都道府県)としてやるべきことは、政権の対応を批判することではなく、国と連携して新型コロナ感染を封じ込める政策を推し進めることだと考えていますし、そのことに集中したいと思います。」

 自民党の国会議員として、24年間、様々な分野の仕事をした。この間、閣僚や党幹部、常任委員長等の役職も経験した。20年を超える永田町での経歴を通じて築き上げた人脈や信頼関係は、(恐らく他県の知事にはない)山本一太知事の強み(財産)だと思っている。

 事実、知事に就任してからの1年半で、20人近い現職閣僚と会談しているはずだ。例えば、群馬県として政府にどうしても支援をお願いしなければならない場合や、何か重要な問題で国と交渉しなければならなくなった時は、知事である自分から、直接、担当の大臣に連絡する。携帯メールを送ったり、電話で直接、話をしたり、サシのウェブ会議をお願いしたりする。当然、外には出していないやり取りもある。

 さらに言うと、知事自らがキャスターを務めるネット番組「直滑降ストリーム」には、前官房長官(現総理)、外務大臣(現行革担当大臣)、厚労大臣、国土交通大臣を含む6、7名の現職閣僚に出演してもらっている。

 西村康稔大臣とは、新型コロナ問題担当閣僚と県知事という関係ではあるが、長年、自民党議員として同じ釜の飯を食った(かつ、数々のプロジェクトを一緒にやった)という事実に甘え、政治家同士の腹を割った意見交換をさせていただいている。スゴく嬉しい。

 実は一昨日の夜も、西村大臣と2度、電話で言葉を交わした。超多忙な菅総理も、直接、電話で話をする時間を作ってくれた。細かい会話の内容は書かないが、ギリギリの状態ながら、何とか緊急事態宣言を要請せずに、感染拡大を抑えようと必死に努力している群馬県の現状を伝えた。併せて、政府からの更なる支援もお願いした。

 群馬県のように、まだ緊急事態宣言は発令されていないものの、厳しい状況にある地域に対する支援については、今月中(?)にも成立するはずの第3次補正予算で追加的に措置される予定の臨時交付金(1兆円以上?)での対応を検討してもらえるという感触を得た。少なくとも総理と西村大臣には、群馬県の立場を十分、理解していただけたと確信している。

 知事として、こうして日頃から政府の首脳と連絡を通り、群馬県のために様々な働きかけを行なっている。そのことは、ぜひ県民の方々に知っておいて欲しいと思う。

 最後にもう一度、強調しておきたい。他の都道府県との連携は、常に重視している。が、何か政府に伝えたい重要な問題があれば、知事である自分が直接、政府や与党幹部に連絡を取る。必要なら、知事自身が政府首脳に要請し、国との交渉の前面に立つ。この点に関しては、経産省出身の宇留賀副知事とも効果的な役割分担が出来ている。

 今後も、他の都道府県の対策や動向は注視する。引き続き、他県の情勢や取り組みも参考にさせてもらう。ただし、最後は、「どんな選択をすることが、最も群馬と群馬県のためになるか?」という観点で判断し、決断し、行動する。それが群馬県知事の使命だ。

 さて、と。今晩は早めに運動する。あいたた、右肩と右腕が痛い。踊るのも走るのもやめて、ヒンズースクワットをやることにしよう。