2021年1月2日

 夕方。CNNの最新ニュースを聞きながらのブログ。

 昨日から今日にかけて、邑楽郡の2人の町長と電話で話す機会があった。2人とも、「須藤和臣 館林市長の再選を支持する」と明言していた。スゴく嬉しい言葉だった。

 近隣の邑楽郡にも、熱い思いを持った同志がいる。須藤市長も、さぞかし心強く思っているに違いない。ちなみに、須藤市長自身も、邑楽郡との連携を一貫して重視している。

 ここからは、新型コロナ感染症の話。14時過ぎに携帯が鳴った。武藤健康福祉部長からの報告によると、本日の県内の新型コロナ感染者は42名。昨日(元日)の24名から再び倍増。この数字だと、病床の稼働率(58%)は「ほぼ横ばい」という感じだろうか?

 マスコミの報道によると、本日、東京都と首都圏3県(埼玉、千葉、神奈川)の知事が、政府(西村康稔大臣)に対して緊急事態宣言の発令を要請するとのこと。

 感染防止と経済の両立を図ってきた菅政権の考え方は、基本的に間違っていないと思う。が、この要請を受けて、政府内で様々な検討が行われているはずだ。首都圏、特に東京の新型コロナをめぐる情勢は、群馬県にも大きく影響する。国の方針を見極めつつ、県としての今後の対応を検討する。

 さて、昨年末(12月29日)の地元紙(上毛新聞)の1面に、「(県内コロナ病床の)稼働率 警戒水準に〜クラスター続発 全国上位60%超」という見出しの大きな記事が掲載された。

  その記事の文中に、「新型コロナ向けの病床使用率上位7都道府県」(昨年12月23日時点)を並べた次のような表が載せられていた。

大阪 :66、9%
兵庫 :61、9%
群馬 :61、8%
高知 :59、5%
愛知 :55、5%
東京 :53、7%
北海道:51、1%

 現段階(1月2日)では、さらに深刻な状況に陥っている地域もあるはずだ。

 過去のブログで何度も指摘しているように、群馬県内の医療提供体制が「厳しい状態にある」(=逼迫しつつある)ことは、疑う余地がない。「医療崩壊」という最悪のシナリオさえ、現実の可能性として浮上しつつある。

 この状況を受け、年末(30日)の幹部との協議でも、これ以上の病床稼働率の上昇を抑え、医療提供体制の逼迫を回避するための「あらゆる方策」を話し合った。最も重要かつ効果的な方法は、(言うまでもなく)「新規感染者の数を減らす」ことだ。関係部局にも、引き続き全力で取り組んでもらっている。

 そのことを断った上で、「群馬県の病床稼働率が、他の都道府県に比べて高い数字になりやすい」2つの要因(理由)を書き留めておきたい。

 上述した地元紙の記事の真ん中あたりに、こんな件がある。

 「病床稼働率の分母となる確保病床数は都道府県ごとに異なる。日本医師会の釜萢敏常任理事(高崎)は、『群馬は(医療者の実際の配置を想定して)現実に即した数を出しているため、希望的数字を出している都道府県に比べて高い値が出やすい』と指摘した上で、『新規感染者は増え続けており、いずれにしても警戒が必要』としている。」

 第1の理由は、上記の釜萢常任理事の言葉に凝縮されている。コロナ病床を増やすためには、増床に対応した医師と看護師の確保が不可欠だ。群馬県の場合、医療関係者の方々と懸命の調整を重ねつつ、現実に稼働可能な病床の確保に努めてきた。

 これに対して、他の都道府県の中には、希望的な観測のもとで数値を発表している例もあるらしい。すなわち、実際に稼働出来る病床は、発表している数字より少ない可能性があるということだ。

 第2の理由は、医療機関にも、無症状や軽症の感染者が滞在する宿泊療養施設にも入っていない「自宅療養+調整中等」の人数の問題だ。

 この点に関して、直近1週間の10万人あたりの感染者数が多い20の都道府県(12月30日時点)を比較する一覧表を作ってみた。自宅療養又は調整中の感染者の割合では、他の都道府県に比べて「8%の群馬県が極めて低い」ことが判明した。

 他の都道府県を見ると、この数値が平均でも30〜40%程度になっている。中には、70%近い地域さえある。つまり、新型コロナの陽性が確認された人たちの9割以上を、医療機関と宿泊療養施設のどちらかに振り分けている群馬県では、それだけ病床の稼働率も高くなる傾向があるということだ。

 それぞれの都道府県は、置かれている状況が違う。新型コロナ対策に関しても、それぞれの事情や考え方がある。どの都道府県知事だって、全力で頑張っているのだ。このブログで、独自に分析した全国の細かいデータを示すようなことはしない。

 加えて言うと、(もちろん)他の都道府県の状況を研究したり、他の地域の対策から学ぶことは大事だ。が、他県の政策は、あくまでも1つの参考に過ぎない。群馬県知事である自分にとって最も重要なのは、「群馬県にとって何をやることがベストなのか?」(=どうすれば群馬県民の生命と健康を守れるのか?)という判断だ。そうでしょう?!

 それでも、群馬県が新型コロナ感染者の方々に対して(当然のことではあるが)真面目に対応していること、(知事として)出来るだけ正確な情報を伝えようと努力していることは、県民の方々にぜひ、理解していただきたいと考えている。

 併せて、それぞれの地域には、「新型コロナ病床の稼働率」のデータだけでは把握出来ない「医療の本当の実態」があるということも。時々、「メディアも、表面上の数値とは違う実態や現実というものを、もっと国民に伝えてくれればいいのになあ」と感じたりする。

 あ、お湯が沸いた。2杯目の紅茶はハープティーにしよう。

 

             <昨年12月29日の上毛新聞1面>