2020年12月18日

 18時30分。知事室からのブログ。テイクアウトの海鮮丼を10分で平らげた。このあと、20時から「直滑降ストリーム」で、新型コロナ対策に関する緊急生放送を行う。

 ここからは前回のブログの続編。明日(19日)から、県の「社会経済活動再開に向けたガイドライン」に基づく警戒度を最高レベルの「4」に引き上げる。

 群馬県全体の警戒度の引き上げに踏み切った最大の理由は、医療提供体制の逼迫が差し迫っている(=医療崩壊の危機が現実味を帯びつつある)ことだ。

 現時点での病床の稼働率は58、2%。この数字は、国のステージ3の基準を超えている。加えて、入院または宿泊の調整をしている方が約100名いる。さらに言うと、このまま、連日40人、50人レベルの感染が続いた場合、週末には、警戒度「4」の基準となる70%に達する計算になる。

 病床の稼働率だけで言うと、昨日時点での群馬県の数字は、GoToトラベルキャンペーンの対象外になっている北海道や愛知県さえ上回っていた。

 年末年始は、ただでさえ医療提供体制が手薄くなる時期だ。そうした時期を迎える前に、少しでも病床の稼働率を下げておく必要があると判断した。

 県内の状況は深刻さを増している。一昨日、県内の1日の新規感染者数としては過去最多の63人の感染者を記録。昨日と今日の感染者数も48人に達している。「週を追うごとに感染者数が増加する」という傾向が続いている。

 全国的に見ても、感染の増加に歯止めかかっていない。最も気になるのは、昨日、東京で、過去最多の800人を超える新規感染者が確認されていること。何度も言ってきたように、首都圏である群馬県は、どうしても東京の影響を受けてしまう。

 上述した状況を総合的に考えると、数日中に、最も重要な「感染状況」と「医療提供体制」の数値が好転するとは到底、考えらない。それどころか、数日中にも「医療提供体制の逼迫」という事態が発生する可能性が十分ある。

 すなわち、群馬県はすでに「最悪のシナリオを想定しつつ対応を考えねばなならない」段階にある。「先手の対策」を講じるという意味からも、警戒度を「4」への引き上げを決断した。

 警戒度「4」は(地域を絞らず)全県を対象とすることとした。病床は地域ごとではなく、全県で運用しているからだ。県内全域の感染者が減少しないと、医療を守れない構図なのだ。

 今回の警戒度アップと新たな新たな要請を通じて、医療崩壊への危機感、切迫感を1人でも多くの県民の方々に共有してもらうことが重要だ。県の危機管理チームの専門家の方々にも意見を求めてみたが、ほぼ全員が「警戒度4に上げるべき」との見解だった。

 次回のブログでは、警戒度「4」における県民への要請内容を説明する。

 さあ、20時からの「直滑降ストリーム」の準備をしないと。