2020年11月23日

 19時。夕飯(鍋料理)を食べる前に、ブログを更新する。

 夕方。武藤健康福祉部長から連絡があった。本日、県内で確認された感染者は8名にとどまったとのこと。今日は1桁台に下がっているものの、全く油断出来ない。連休中で検査数が減少している可能性があるからだ。東京を含む他の地域も同じだと思う。

 検査数が増える明日以降の数値が気になる。引き続き、緊張感を持って対応していく。

 何度も言わせてもらうが、知事として、地域経済を直撃する経済活動の制限(休業や営業短縮の要請)や外出自粛要請のような措置には、2度と踏み込みたくない。何とか、その手前で踏ん張りたい。

 加えて言うと、政府の「2つのGoTo事業」も、(可能なら)感染防止対策を徹底しつつ、引き続き活用させてもらいたい。そのためには、県民の方々の更なる協力が必要だ。

 今日も心の中で呟いた。「頑張れ、群馬県」と。

 さて、昨日の午前11時から県の新型コロナ対策本部を開いた。前日に政府が「Go To事業の運用見直し」を表明したこと、県内の感染が再び増え始めたこと等を受けての開催だ。

 同日18時30分からの知事の臨時会見で、県対策本部の協議結果と今後の県の対応について説明した。

 政府の対策本部会議の結果については、ブログの末尾に添付したスライドに整理してある。政府の会議では、「GoToトラベル事業について、感染拡大地域を目的地とする旅行の新規予約の一時停止等を導入すること」や、「GoToイート事業について、感染状況に応じて、食事券の新規発行の一時停止やポイント利用を控えること」について検討すること等の方針が示された。

  加えて、医療施設や介護施設等で陽性者が確認された場合、国の費用で、入居者や職員全員の検査を実施することも表明されている。

 昨日の県の対策本部会議では、上述した政府の対策本部会議の流れを踏まえ、主に「Go To事業」に対する県の対応を話し合った。

 議論の中で、「県民を混乱させないために、国の分科会で言及された『ステージIII』と群馬県独自のガイドラインにおける警戒度のステージとの違いや関係性を整理しておく必要がある」という意見が出た。もっともな指摘だ。この点については、後ほど整理する。

 国の分科会では、感染状況が「ステージⅢ」に移行しているかどうかが、GoToトラベル事業の対象除外とするかどうかの検討を始める1つの目安となると説明している。が、現時点で、「Go To トラベル」から除外する感染拡大地域、あるいは「Go To イート」において食事券の新規発行等を停止すべき感染状況に関する国の明確な基準等は示されていない。

 が、それはそれとしても、群馬県の現在の感染状況等を鑑みると、現時点で群馬がGoToトラベル事業の目的地から除外されたり、GoToイートキャンペーンの新規発行が停止となる等の措置の対象になるとは考えていない。

  県民の方々には、県内での旅行や外食等については、これまで以上に感染防止対策を徹底した上で、お出かけいただければと思う。

  さらに言うと、県民の方々の県外移動に関して、直ちに要請を変更するようなことも考えていない。すなわち、県外への移動を「自粛」したり、また県外から来る方に対して「群馬には来ないで欲しい」と呼びかけるようなことはしない。県外に行く人、県内に来る人の双方に対して、(現段階では)「特に(かつ更に)慎重な判断」をお願いしていく方針だ。

  他方で、県内の感染者数が増加傾向にあることも事実だ。残念ながら、「今後、いつ、どこで、どれだけの感染が発生するか?」は、誰にも予測出来ない。

 万一、県内の感染状況や医療提供体制が急激に悪化するようなことがあれば、(間もなく示される国のGoTo事業等に関する方針等も踏まえつつ)知事として躊躇なく必要な行動を取る。基準を超える前の段階でも、さらに一歩踏み込んだ要請を検討することもあり得る。その点は、県民の皆さんにもご理解をいただきたいと思う。

  県民の健康と生命、暮らしを守るため、群馬県知事として、緊張感をもって、迅速に対応する。それが知事の最大の責務だからだ。

 さて、ここからは、 国の「ステージIII」と比較しながら、昨日(22日)時点での客観的な数値を解説する。国の分科会が示す「ステージⅢ」の指標を、本県に当てはめた場合の数値を掲載したスライドを見て欲しい。

  例えば、1日あたりの新規感染者数について見ると、国の「ステージⅢ」の目安は、42人となる。現在の本県の感染者数は11.7人。すなわち、「ステージⅢ」の 4分の1程度であることが分かる。
 
 県内の昨日の感染者は12人、今日の感染者は8人となった。が、その前まで、連日、20人近い新規感染者の判明が続いた。「ステージIII」と比較したいずれの数値も、増加傾向にあることは間違いない。それでも、群馬県が、国の「ステージⅢ」に該当する状況にまだ至っていないことは確かだ。

 過去のブログで何度も言って来たが、県民の暮らしを守るためには、感染防止対策と社会経済活動を両立させていかなければならない。その点で言うと、地域経済振興に繋がる政府の「GoToトラベル」と「GoToイート」の2つの事業の趣旨には、知事として一貫して賛同して来た。実際、県内の多くの温泉地では、GoToトラベル事業の効果で「観光客が戻りつつある」と聞いている。
 
 繰り返しになるが、群馬県としては、政府が「GoTo事業」の運用見直しを含む新型コロナ対策をどう進めていくのかを見極めつつ、しっかりとした感染防止対策を講じながら、GoToトラベル・イート事業を引き続き活用したいと考えている。

 ただし、前述したように、県内の感染状況は厳しい。昨日までの1週間だけで82人の新規感染者が確認されている。緊張感も警戒心も一切、緩めずに行く。

 さあ、食事の準備をしないと。