2020年11月3日:パート2

 夕方。米国大統領選挙関連のニュースを見ながら、パソコンのキーボードを叩いている。

 

 本日、県内で3名の新型コロナ新規感染者が判明。迅速かつ冷静に対応中。1名の方が亡くなったとの報告も。心からご冥福をお祈り申し上げます。

 

 さて、米国大統領選挙最終日。最終盤でのトランプ大統領の遊説先での演説は、民主主義システムの根幹を揺るがす内容が満載。今までの常識では考えられない。「アメリカがアメリカでなくなっていく」予感がする。(ため息)

 戦後、一貫して自由主義陣営のリーダーだった米国の社会は、深刻な危機に直面している。想像以上に分断され、病んでいる。

 トランプ大統領は、各州の開票の最終結果が出る前に、一方的な「勝利宣言」をする可能性に言及している。この「今までの常識では考えられない」シナリオが信憑性を増している。

 どちらの候補が勝つことになっても、混乱は暫く収まらないだろう。米国の情勢は(あらゆる意味で)日本の国益に直結する。米国の存在感が低下することは、国際社会にとっても、日本にとってもいいことではない。とても心配だ。(ため息)

 ここからは豚熱(CSF)対策の続編。群馬県が構築した「家畜防疫員による新たな豚熱ワクチン接種体制」について説明する。ブログの末尾に添付したスライドも参照して欲しい。

 前回のブログで言及したように、県内各農場での飼養衛生管理の改善には、既に着手している。加えて重要なのが、万一豚熱ワクチンが侵入した場合に感染リスクを低減させる「ワクチンの接種体制強化」だ。

 豚へのワクチン接種は、母豚から引き継いだ抗体が低下する時期に合わせ、「生後50日程の子豚に行うことが最も適切」とされている。
 
 現行のルールでは、ワクチンを接種出来るのは、県の家畜防疫員だけだ。家畜防疫員の人数が限られていることもあり、現在は、(農場にもよるが)月に1回程度の接種に留まっている。

 月に1度、まとめて接種を行っている農場では、生まれたタイミングによっては、生後50日程度の最も適切な時期に接種出来ない場合がある。子豚に抗体空白期間が生じないようにするためには、より頻繁な接種が有効だと考えられる。

 そうした観点を踏まえ、県内の豚熱ワクチンの接種を、これまでの月1回から月2回以上に増やす体制の構築を決めた。今月(11月)から新たな接種を開始している。

 どうやって、月2回以上のワクチン接種を実現するのか?!具体的には、家畜防疫員になっていただく民間の獣医師の方々を増員する。併せて、1人あたりの対応回数も増やしてもらう。

 加えて、これまで家畜保健所の獣医師と民間獣医師がペアで実施していた接種を、(養豚専門の獣医師等については)一部、単独での接種に切り替える。
 
 上記の措置を通じて、多数の飼養豚を抱える県の中では、(恐らく)初めて月2回以上の接種が可能となった。このことによって、50日齢前後での適期接種を実現する。

 だだし、今回の対応は、緊急的な措置だ。将来にわたって安定的なワクチン接種の体制を整えるためには、「家畜防疫員以外の民間獣医師による接種を可能とする」制度改正が必要だ。この制度改正が、根本的な解決策になると思う。

 この件については、知事である自分から直接、野上農水大臣に強く要望した。引き続き、政府に粘り強く働きかけていく。

  今後も、豚熱の再発を防ぎ、群馬の養豚業を守るため、農場における飼養衛生管理基準の遵守を徹底させ、適切なワクチン接種を進めていく。

 さあ、更なる最新情報をフォローしないと。