2020年10月28日


 21時過ぎ。高崎の自宅。CNNのニュース番組を見ながらのブログ。米国大統領選挙での期日前投票が、現時点で過去最高を記録。投票日の7日前に、7000万人近い米国民が投票を済ませている計算だ。この数字は、トランプ陣営に、大きなプレッシャーを与えているに違いない。

 本日、県内で確認された新型コロナ感染症の陽性者は10名。再び2桁に上昇。予想の範囲内とはいえ、気の抜けない日々が続く。

 改めて感じるのは、群馬県が(あらゆる意味で)東京に近いという事実。東京での感染状況に、どうしても影響を受けてしまう気がする。が、東京は東京。知事としては、(引き続き)群馬県内の感染拡大を封じ込めるために全力を傾注する。

 さて、今日の日程を振り返ってみよう。午前10時。県庁32階カフェのオープニングセレモニーに出席。ぐんまちゃんと一緒に、最初のコーヒーを注文した。

 このカフェの最大の魅力は、32階からの眺望。オリジナルのコーヒーもスゴく美味しい。放送&動画スタジオtsulunos、大和屋コーヒー32に加え、年末までには、イノベーションハブの整備も完了する予定だ。皆さん、ぜひ、県庁32階のフロアに足を運んでみてください。

 午前11時。議会運営委員会へ。午前11時30分。気鋭の経済人との昼食会。刺激的なブレインストーミングだった。

 13時、人事委員会勧告。13時20分、県の職員組合による知事要請。14時30分、某全国紙(群馬版)による取材(インタビュー)。その後は、関係部局との協議。全ての会議に2人の副知事が同席。

 気がつくと、夕方になっていた。18時。前橋市内で行われた有力職域団体幹部との夕食会に参加。様々な問題に関して議論を交わした。貴重な機会を作っていただき、ありがとうございました。

 いつものとおり、中身のギッシリ詰まった1日だった。(ふう)

 先々週(?)、新年度予算の編成方針を発表した。「厳しい財政状況の中で、新型コロナ対策等に充てるリソースを確保しなければならない。そのためには、既存事業の見直しが不可欠」と明言した。

 財政改革が必要なのは皆、分かっているはずだ。にもかかわらず、大多数の人が「総論賛成、各論反対」だ。例えば、「財政再建の必要性」を訴えている人が、自らの関わる事業の縮小や廃止には異論を唱える。

 

 ましてや、自分の主張が通らなければ、昨日まで「財政健全化を応援する」などと口にしていた人でも、途端に悪口を言い始める。この現象は、国でも県でも同じだと分かった。(苦笑)誰が悪いわけでもない。世の中とは、そういうものだ。

 過去のブログにも書いた。事業の規模にかかわらず、何かを止めようとすれば、そこに関わっている団体や個人は必ず反対する。が、そうした声を全て聞き入れていたら、既存の事業や政策は、何一つ、変えられない。何一つ、新しいことは出来なくなる。

 本日の地元紙(上毛新聞)によると、県議会が県有施設のあり方に関する提言を、12月10日をめどにまとめるとのこと。昨日は、行財政改革特別委員会が、東京銀座の「ぐんまちゃん家」を視察したと書かれている。

 県有施設のあり方に関しては、県議会でのオープンな議論を踏まえ、年度内に方向性を決定する。この方針に変更はない。行財政改革特別委員会での議論や県議会の動きは、細かくフォローしている。

 事実、議事録は必ず読んでいるし、議事録に掲載されていない現場の雰囲気も、担当の幹部からヒアリングしている。民意で選ばれた県議の人たちの意見には十分、耳を傾ける。当然のことだ。

 それを断った上で、行政改革特別委員会のメンバーの県議の方々に、1つ、お願いしておきたいことがある。それは、県として見直しを検討している施設の運営者や関係者が、(普通で考えれば)「この施設には、こんな問題点がある。改革が必要だ」などと言うわけがないということだ。

 逆に、「見直しはやめて欲しい」「このままでも十分、効果がある」と主張する可能性が極めて高い。そうでしょう?!

 そもそも、県の中間報告に盛り込んだ10施設の存在意義を全て否定しているわけではない。議論の視点は、「県有施設として維持することが本当に必要なのか?それが県民の利益に繋がるのか?」ということなのだ。

 この1年、知事として、県議会での審議に真剣勝負で臨んで来た。知事の立場からすると、県議会は、時には、知事の政策をチェックする「手強い相手」であり、時には、力を合わせて新しい群馬の創造を成し遂げるための「同志」でもある。

 

 県有施設の見直しに関しては、改革に賛成する人たちの意見も聞いてもらえないだろうか?!県が見直しを検討している理由もよく吟味してもらえないだろうか?!ぜひ、県民全体の利益と将来展望を踏まえた上で、県議会の方針を取りまとめていただきたいと思う。

 欠点だらけの知事ではあるが、1人1人の県議の意見に真剣に向き合っている。県議の人たちにも、県の考え方をよく聞いていただきたいのだ。

 明日、再び行政改革特別委員会が開かれると聞いた。繰り返すが、県が提示した中間報告は、最終決定ではない。が、県庁内で協議を重ねて纏め上げた現時点での県の考え方だ。組織として方針を決めたからには、県庁として一枚岩で対応しなければならない。

 県庁各部局の幹部の皆さんに、改めて申し上げておきたいと思う。皆さん、先日の庁議でも強調したように、新型コロナ対策も、豚熱問題も、最も難しい財政改革も、当事者である私たちが心を合わせて取り組まない限り、前進させることは出来ません。

 答弁によっては、質問者から厳しく叱られる場面もあるでしょう。前述したように、県民の代表である県議の人たちから、様々な指摘を受けるのは、当然のことです。が、怯まずに、県として示した今の方向性を、論理的かつ堂々と説明してください。繰り返しますが、県庁内で何度も協議して決めた、現時点での私たちの方向性なのです。

 念のために言っておきますが、知事として、「群馬県を発展させ、県民の幸福度を向上させる」という共通の目的のために頑張ってくれている(幹部を含む)県庁職員の皆さんのハシゴを「途中で外す」みたいなことは、絶対にやりませんから。

 この件については、改めて詳しく書く。

追伸:地元のリーディングペーパーである上毛新聞の報道は、概ね客観的だし、記事の精度も高い。地元に根ざしている強みを生かし、多様な情報ソースを持っているからだと思う。県民の間の信頼度も高い。が、県有施設の見直し問題に関しては、反対の声ばかり拾っているように見える。

 行政とメディアの間に健全な緊張関係があるのは当たり前のこと。様々な見方があってこその民主主義だ。事実関係に問題があるわけでもない。この件について、特に文句を言うつもりはない。

 が、それでも、「どこか1つくらいは、知事の行政改革、財政改革、もっと言うなら、既得権益との戦いを応援してくれるマスコミがあってもいいのになあ」と思ってしまう。

 例えば、既存の施設や事業の問題点や課題、見直しの対象になった背景や事情を細かく取材し、改革の必要性を訴えるような記事が、どこにも見当たらない。この点は、ちょっぴり残念だ。

 ふうむ。睡眠時間は短くなるが、やっぱり「直滑降」で発信するしかなさそうだ、な。

    <本日、県庁32階フロアのカフェがオープン>